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2015年10月01日

【AQUA282号】根釧地域と妹背牛地域で「岩石調査」

第25回BMW技術全国交流会開催に向け、
根釧地域と妹背牛地域で「岩石調査」を行いました。


 八月二三日から二四日の二日間、北海道の根釧地域と妹背牛地域で岩石調査を行いました。鳥取県から奥地拓生氏(岡山大学准教授)を招いて、初日は根釧地域、翌日は妹背牛地域の調査をおこないました。

○根釧地域
 根釧みどりの会の石澤会長と岩崎事務局長の案内で奥地氏、㈱匠集団そらの星加氏、秋山の五名で調査を始めました。午前中は厚岸町の根室層および、その中のタービダイトと言われる海底地すべりによってできた岩石層の調査です。タービダイトは、大陸側の斜面において発生した混濁流が海底谷を下り、海底に堆積し形成されたもので、大昔の火山の噴火によって大地に降り積もった火山灰が海底に流れ込み、堆積層を作った後で隆起してきた地層とのことでした。
 私たちははじめに㈱村上石材工業の採石場を訪問しました。社長の村上氏は石澤さんと古い付き合いとのことで、採石場を案内していただき、さらには重機を使って岩石を採取させていただきました。砂岩や泥岩、頁岩・礫岩が主ですが、時おり石灰岩なども発見、さらなる特徴としては地層を見ることによって、一億年前から大地が形成されていく歴史を見ることができるということでした。
 その後、バラサン岬に移動しました。バラサンとは、アイヌ語で『広い柵』という意味や、『野獣を捕る平落としという罠』のことでもあると言われ、この岬の断崖が平落としに似ていたため、厚岸の部落には魔物が近寄らなかったとの伝説があるそうです。ここでも見事な岩石層を見ることができました。
 午後は標茶町に場所を移し、この地域に降り積もった火山灰の層、中標津の営農水の源流となる荒川を探策しました。
 この地域はところどころで火山岩を見ることができますが、岩石というよりは火山灰土が降り積もった層で、地層を見ることで火山の歴史やその規模が降った灰の色や量でわかります。根釧地域は火山灰土に覆われていて、土が育たない。だから米や野菜作物を作ることができずに酪農に特化していったといわれています。でも同じ火山灰土が積もっている、長崎県の島原半島などはとても肥沃な土に恵まれているといわれています。これには長崎県に比べ平均気温が低いことや、霧が多く日照が少ないことなどが関係しているのかもしれません。

○妹背牛地域
 翌日は、妹背牛地域でファーマーズクラブ雪月花の田村代表の案内で調査を始めました。
 はじめに向ったのは石狩川沿いにある神居古潭(カムイコタン)という渓谷です。石狩川が上川盆地から石狩平野に流れ出る境に位置するこの渓谷はアイヌ語で「カムイ(神)コタン(集落)」と呼ばれ,古くよりアイヌの人々の聖地とされてきました。日本でもとても珍しいこの峡谷沿いの岩石は神居古潭変性岩帯と呼ばれ、形成する蛇紋岩、緑色片岩は一億年以上まえに二〇kmもの深さからの岩石が北海道の東と西が衝突した時に様々な年代の岩石を巻き込んで隆起してきたものだそうです。蛇紋岩や緑色変成岩、大理石というような岩石を見ることができました。
 その後は、妹背牛の人たちが用水に利用している雨竜川を源流に向って幌加内峠を調査しました。ここには蛇紋岩を中心にありとあらゆる岩石の宝庫でした。蛇紋岩、花崗岩、石灰岩、そして一億二千万前の青い変成岩、そして長石など、これだけの岩石が揃っていると、ありとあらゆるミネラル(鉱物)が豊富にあるということが想像できました。石狩川は大雪山を起点に、旭川、妹背牛を抜けて、雨竜川、空知川、夕張川とミネラル豊富な水が流れ込む流域で、とても豊かな地域で農業をするのに恵まれているということがわかりました。岩石はミネラルとロマンの塊です。
 第二五回BMW技術全国交流会は一一月一三〜一四日で開催されます。奥地氏の基調講演では、今回の岩石調査を中心に地球の大循環、そしてBMW技術が作りだす小循環についての話を聞くことができます。
(報告:BMW技術協会事務局 秋山澄兄)

第二五回BMW技術全国交流会の
オプション視察の参加をお勧めします!
 今回の岩石調査では、素晴らしい自然の恩恵を自分達は受けていると感じました。これは地元にいながら知ることのなかったことで、是非、皆さんにも来て見ていただければと思います。一五日までのオプション視察はAコースとBコースがあります。
 Aコースの根釧地域は、飛行機で中標津に移動となりますが、根釧みどりの会・マイペース酪農の石澤牧場と三友牧場、そしてバラサン岬の視察、厚岸の牡蠣も堪能できると聞いています。
 Bコースの妹背牛コースは神居古潭の絶景と田村農園、JAきたそらち選花場などの視察になります。是非、交流会だけではなく、視察コースも会員の皆様のご参加をお待ちしていますのでよろしくお願いいたします。
(第二五回BMW技術全国交流会
   副実行委員長 田村 昌之)

Author 事務局 : 2015年10月01日 09:50

 
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