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2015年12月01日

【AQUA284号】西日本BMW技術協会会員BMプラント巡回報告

報告:西日本BMW技術協会事務局 秦 武士


一〇月二日、紅会の三農場のBMプラント巡回点検を行いました
 グリーンコープの産直豚生産者グループである紅会(福岡県、佐賀県)をBMW技術協会事務局長の秋山さん、グリーンコープ連合畜産部の大屋さん、西日本BMW技術協会事務局の宮﨑と秦の四名で巡回しました。

浦ファームの巡回点検…最初は紅会の代表で、西日本BMW技術協会会長である浦さんの農場、浦ファームのBM(生物活性水)プラントを点検しました。浦ファームは福岡県糸島市にあり、ラグーンで処理した処理水を原料とした生物活性水プラントです。つい先日まで糸状菌が増殖しラグーンの状態がかなり悪かったそうですが、浦さん本人が手間と時間をかけて改善されたそうで、「ラグーンの設置会社が『とっても状態が良いですね』と驚いた」と言われるほど良い状態まで改善されていました。事前にラグーンの処理水をペットボトルに入れてあったのを見ると、汚泥と上澄みがきれいに分離しており、EC(電気伝導度)とpHを計測したところ、ECは六・四(mS/cm)でpHは七.二でした。その後、生物活性水プラントを点検したところ、一槽目は良い状態でしたが、二槽目、三槽目になるにつれて生物活性水のにごりが濃くなっていました。ちなみに一槽目のECは七・二(mS/cm)で、pHは七・〇、残りの二、三槽目もほぼ同じ数値でした。浦さんも「なぜ?」と悩まれていましたが色々話しをしている中で考えられる原因として、自然石槽以外の槽は清掃済みですが唯一清掃できていないのは自然石槽のみで、この自然石槽から汚泥が流れてきているのではないかという判断になりました。この間、生物活性水の状態が良くないので豚舎への使用は止めているとのことだったので、このまま様子をみることにしました。

川口畜産の巡回点検…次は、佐賀県武雄市にある川口畜産です。浦ファームと同じ、ラグーンの処理水が原料となっており五tのホーロータンク四基の生物活性水プラントです。今年六月に四基になって間もなく訪問・巡回しています(AQUA二八〇号掲載)。タンクの上に屋根が無いので雨や異物などが入り込まないように屋根かフタのような物を設置する予定でしたが、八月からの台風や爆弾低気圧による強風等で設置するタイミングが無かったそうです。訪問した時は久しぶりの晴天でしたが、数日前までの雨がタンク内に入り込んでいて状態はあまり良くありませんでした。念のため最終槽のみ計測したところ、ECは六・一(mS/cm)で、pHは八・五でした。ラグーンの状態が悪く、プラントに流入してくる上澄みも状態があまり良くありませんでしたが、川口さんからは一ヶ月前はもっと悪かったが、だいぶ良くなってきているとのことでした。ラグーンの状態が良くなってきているので、生物活性水プラントはもう少し様子を見て、それでも変わらないようであれば一度、タンクの処理水をラグーンに戻して作り直してみることを相談しました。雨が入らないようにするのに本格的な屋根を作るのは大変なので、シートでカバーしてもらうことにしました。

唐津ピッグファームの巡回点検…紅会最後は野口さんの唐津ピッグファームの簡易尿処理プラントです。佐賀県唐津市にあり、一昨年の巡回では手が行き届いた見事な管理で、とても状態が良かったのでとても楽しみです。農場入口で防護服と長靴を履き、軽トラックに乗り換えていざ出発です。こちらも数日前の雨がプラント内に入り込んでいましたが、とても状態が良く、臭いも少なく、最終槽の処理水は透明度もあり、一昨年同様に管理が行き届いている感じです。野口さんの話から日常の点検を大切にしていることが感じられました。最終槽の亜硝酸態窒素の残留量を計測するためパックテストで検査したところ、見た目や臭いではあまり残っていないと思っていましたが、予想以上に残っていました。処理水は野口さんの農場近くの生産者グループ農援隊のメンバーが活用しています。また野口さんの農場でも飲水に添加していないので亜硝酸態窒素が残っていても問題ないので、そのことを確認して巡回を終了しました。

一〇月二日、秋川牧園の南関第一農場で、飲水改善プラント設置のための打ち合わせを行ないました
 この日の最後は熊本県南関町にある秋川牧園南関第一農場を訪問しました。秋川牧園の南関第一農場は昨年九月からスタートした新しい農場です。敷地内には全七棟で約六万羽の若鶏を飼育しています。今回の訪問目的はプラント巡回ではなく、農場内に飲水改善プラントを導入するための現地視察と打ち合わせです。農場内にある貯水槽を飲水改善プラントとして改築することで事前に打ち合わせしており、貯水槽の確認と工期についての相談を行いました。工事は農場内の若鶏が全量出荷(オールアウト)する一〇月末に行うことで打ち合わせを終えました。

Author 事務局 : 2015年12月01日 17:42

 
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