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2016年01月01日

【AQUA285号】「第二五回BMW技術全国交流会」を振り返って〜実行委員会より

根釧みどりの会    岩崎 和雄
 私は、BMW技術全国交流会には初めて参加しました。全国交流会がどの様なものなのか全く分からないまま、地元と言うこともあり実行委員のメンバーの一人として取り組むこととなりました。同じ北海道とはいっても実行委員のメンバーが集まるにも車で五〜六時間もかかるような状態で、準備は大変でした。
 さて、私とBMW技術との出会いは、二〇〇九年四月厚岸町で行われたBMW技術の学習会でした。学習会では、礒田事務局長(当時)を始めパルシステムの那須課長(当時)の講演があり、生物活性水や飲水改善について詳しく知ることが出来ました。以前から取り組んでいた農家の実践に学び、「飲水改善」を三戸(後に一戸加わる)で取り組むこととなりました。北海道でも厳寒の地である道東で施設を設置するとなると、冬期でも凍結しない場所がなければなりません。それぞれ場所を確保して厳冬期に入った一二月に設置完了しました。数日後から運用を開始しての皆さんの感想で多かったのは、「牛の糞が少し堅くなった」と言う事です。乳牛は様々な要素があるので確定的な結論は難しいですが、牛の健康や堆肥の発酵促進の効果を期待して使用しています。
 「根釧みどりの会」のメンバーは、「マイペース酪農交流会」に参加し「風土に生かされる牛飼い(酪農)」持続可能な農業のあり方を交流会参加者で話し合いながら求め続けてきました。「持続可能な農業」は自然にもそして何より人にも優しいものでなくてはなりません。しかし、今は「持続可能型」高生産高収益経営が大勢です。たくさんの生産を上げる見返りに、資材を投入すれば帳尻が合うと言うほど上手く行くものでもなく、自然の力を超えて生産を求めれば生態系への影響、そしてコストとしても跳ね返ってきます。メンバーの中でBMW技術の飲水改善、あるいは生物活性水を取り組むことになった接点は、自然の力を引き出すことによって自然に生かされる所だったのかも知れません。
 全国交流会では、全国の皆さんの実践報告や研究報告を楽しく聞かせていただきました。思っていた以上にたくさんの皆さんが取り組まれ、早くから取り組まれている方だけでなく、若い方の取り組みなど活気ある全国交流会でした。また、「生物活性水」「飲水改善」を科学的に説明する難しさも皆さんの研究実践報告を聞いてわかりました。今後も実践を通じて発展、解明されることと思っています。
 酪農は「生物活性水」を造る上では原料がたくさん有り可能性が大いにあります。根釧みどりの会の会員で生物活性水に取り組んでいるメンバーは四戸あり、活用方法を含めてこれからの課題です。また、北海道に於いて根釧は酪農専業地帯として発展してきましたが、大型化に伴い糞尿のスラリー処理が増えて、臭気や河川への汚染問題などもあり、適正な処理利用が今後も課題として残されています。特に大規模農家の糞尿は、一部好気発酵処理されていますが未処理が多く、臭気問題は酪農地帯の課題です。大規模酪農家が増える中、コストもあり解決は難しい状況ですが、多くの農家で環境に配慮した農業を取り組む事が出来れば、根釧の酪農地帯は緑溢れる桃源郷として生まれ変わる事が出来るはずです。
 北海道での全国交流会に参加された皆さんいかがでしたでしょうか。厳しい冬を前にした交流会でしたが、機会があればぜひ夏の北海道も訪ねていただいて広い緑の大地を味わっていただければと思っています。
 最後になりましたが、はじめて実行委員をさせていただき無事に終了することが出来ました。参加された全国の皆さん、BMW技術協会の皆さん関係者の皆さんに感謝を申し上げ、全国交流会参加への一文とします。

ファーマーズ・クラブ雪月花   加藤 学
 この全国交流会の実行委員会の立ち上げにともないまして、道内で活躍されているBMW技術協会の会員の方々との初めての出会いがありました。
 交流会では、一年ぶりの再会に話が弾み、心までもが弾む局面もありました。その出会いが、人との関わりがつくり上げるモノこそBMW技術の本来の姿だと信じて止みません。
 北海道での初めての開催となりました今回の全国交流会。この時期、例年であれば雪がちらついていても不思議ではない北海道。穏やかな冬の始まりに少し物足りなさを感じつつの開催でした。
 根釧みどりの会代表の石澤実行委員長の開催の挨拶から始まり、伊藤理事長のBMW技術に関する基調報告。基調講演では、岡山大学地球物資科学研究センターの奥地准教授。『北海道の岩石とミネラル、その起源と歴史の循環について』と題し、視察予定地で事前に行った調査結果を事細かに説明いただきました。
 根釧みどりの会の三友さんの基調講演では、「持続可能な農業」についての明確な提示があり、すっかり会場中を虜にする術は『流石』の一言に尽きました。
 懇親会では各産地の食材が生かされた料理が提供され、バリエーションの多さとおいしさでお皿を何枚も交換していただきました。さらには余興の「よさこい」の踊りが舞台に花を添え楽しい時間を過ごすことが出来ました。
 二日目の実験報告は、様々な分野での報告をいただきました。なかでも「暮らしの中のBMW技術」ということで、実生活の中でも環境・健康に配慮した「持続可能な社会」を実現する取り組みが紹介されとても印象的でした。
 交流会閉会後、オプションである視察では時間の許された方々限定ではありましたが、A・Bコースそれぞれにバスで移動し、車窓から見える風景の広大さに参加された方々は驚かれていました。
 私自身は二回目の全国交流会参加であり、実行委員会構成団体の一員として、参加者の皆様への配慮不足など至らない点が多々ありましたことを深くお詫び申し上げます。
 今回、全国各地でのBMW技術の様々な導入事例の発表を聞き、また懇親会等で多方面の方々と接する機会がありとてもよい刺激を受けました。
 最後となりましたが、全国の皆様のご協力のおかげをもちまして無事に全国交流会を終えることが出来ました。この場をお借りしまして改めて感謝とお礼を申し上げます。次回、第二六回全国交流会は宮城県での開催となります。また皆様とお会い出来ますことを楽しみにしております。

Author 事務局 : 2016年01月01日 11:00

 
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