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2016年03月01日

【AQUA287号】 第25回BMW技術全国交流会で獲得したこと

パルシステム生活協同組合連合会 顧問 山本 伸司

広い北海道の実行委員会の大変さ
 北海道の道東の根釧地方、道央の雨竜郡妹背牛、恵庭市と点在するBMW技術の生産者による実行委員会運営の大変さは本州ではわからない。それぞれむしろ東京へ行く方が交通の便がいいからだ。そんな普段お付き合いのない生産者が北海道大会の実行委員会ということでこの交流会の運営を担ってくださった。これもBMW技術協会ならではの縁である。本当に感謝である。

根釧みどりの会が拓く酪農の未来
 私の視察先は、根釧みどりの会の三友盛行さんと今回の実行委員会石澤元勝委員長の酪農牧場であった。
 根釧みどりの会は、未来の酪農のあり方において持続可能な酪農の世界を示してくれる未来モデルと言える。今、北海道の酪農は危機に瀕している。TPPだけでなく大量生産、低価格販売のために大規模化大量搾乳化に邁進している。そして輸入に頼る穀物飼料の投入。多頭飼育のための生産設備投資の借金。草地の疲弊と農薬汚染など。こうした先のない酪農の現状を突破するあり方が、根釧みどりの会である。
 その基本が牛一頭に一haの草地である。そして無肥料無農薬で草地の更新無し。夏季は昼夜放牧でまさに自然に近い形の牛の楽園である。これを見た時に、イギリスで牛に牛海綿状脳症(BSE)が発症し続いて日本でも二〇〇一年に発症が確認された際に調査視察に訪問したことが思いだされた。この時、発症した牧場は全て飼料に濃厚飼料と肉骨粉が投与された大規模多頭飼育の大量搾乳であったこと。逆に発症しなかった牧場は放牧型の適正規模でオーガニック牧場であったことが思い出された。
 国内畜産の危機がTPP等グローバル市場化の中で深刻となっている。市場価格の乱高下での一喜一憂の向こうに破綻の断崖が迫っている。そうした危機は、むしろアメリカなど大規模畜産に実はある。自然生態系を無視した経済動物としてしか捉えない飼育方法は、やがて人間に牙をむいて襲ってくるに違いない。それを予感しつつ、根釧みどりの会の実践モデルをこそ消費側から理解と共感と適正価格購入の運動に取り組む必要があると痛切に感じた。

北海道とBMW技術
 実行委員会では事前に道東根釧地方と中部石狩川と雨竜川流域を岡山大学奥地拓生先生のご指導で調査を行っている。
 農業は大地と共にある。その大地の歴史によって土壌が作られる。ミネラルが変化していく。これまでBMW技術で考えてきたのは水がミネラルを媒介していくことであったが、今回の根釧地域の調査で「火山の活動により空から降ってくるミネラル」ということを、私たちのBMW技術はこの地球の大変化と活動からつながっているということを意識することができた。そして生命の生き生きとした躍動を、人間の技術として再生産せんとするものである。科学の力が真の生命活動を知り、それに生かされるものとしてこそ意味がある。この技術の理念を北海道のフィールドワークで体験し共有することとなった。今後の北海道でのBMW技術普及を見守っていきたい。

Author 事務局 : 2016年03月01日 18:46

 
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