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2016年04月01日

【AQUA288号】BMプラント動向

●有機栽培
あゆみの会
  (一月二〇日)
 茨城県稲敷市にある農業法人㈲アグリクリエイト、あゆみの会の生物活性水プラントの再生工事に同行しました。あゆみの会は東日本大震災で破損した生物活性水プラントの復旧が進んでいませんでしたが、再稼働することになり五年ぶりの復旧工事になりました。主な用途は会員への生物活性水の供給です。対象作物は葉菜です。一槽一tのステンレスタンクが三槽と一tのバルクタンク二槽と堆肥浸み出し槽の計六槽からなります。原料は、自社堆肥を使うとのことです。現在、既に調整を開始し、培養調整時のみ山梨県の黒富士農場の堆肥を使用しています。 
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●グリーンコープ連合 中水利用施設
(一月二七日)
 グリーンコープ連合の筑紫野市の福岡青果センターと若宮市にある若宮物流センターの中水利用プラントの定期点検に同行しました。点検前日は九州での降雪が相次いだ日で中水利用プラントへの影響も心配されましたが、雪の影響はなく処理は順調に行われていました。
    
●角坂牧場〜新潟県糸魚川市(二月九日)
 昨年末に簡易尿処理プラントを設置した、新潟県糸魚川市にある角坂牧場の点検に同行しました。角坂牧場は酪農で約五〇頭の搾乳牛と育成牛とのことです。角坂牧場では糞尿の分離をロストル(注)で行っているため、尿溜めに少なからず糞が混入しています。そのため、糞中の繊維等が分解されず曝気槽内に残留する。また、糞の成分を分解しきれず、最終槽でもアンモニア臭が残っていました。対応策として一槽目にポンプアップする前の尿溜めに仕切りをつけ、できるだけ固形分を除いて源尿をポンプアップできるようにして、今後の状況を観察しています。
注、ロストル…牛糞と尿を分離する格子状の蓋

●村上園  (二月一三日)
 静岡市清水区の村上園にて、老朽化したブロワーの交換とプラント点検、圃場の視察を行いました。プラントは順調に稼働、その後に茶畑と堆肥場を視察しました。堆肥は魚の骨をカルシウム源で入れるほかは全て植物性で作られており、放線菌の菌層は二〇cm以上もあり、高品質といえる堆肥になっていました。 

●石井養豚センター (二月一五日)
 徳島県阿波市にある、石井養豚センターへプラント点検とプラント増設のための打ち合わせに行きました。石井養豚センターは、母豚一〇〇〇頭の一貫経営をされていて、臭気等の改善のため、一昨年に生物活性水プラントを導入しました。主に、飲水への添加に使用していて、プラント導入以後豚の事故率も減少したとのことです。原料は堆肥の浸み出し液です。一槽一tのバルクタンクが一〇槽と堆肥浸み出し槽からなり、日使用量一〇〇Lまでとなっています。しかし、飲水の使用量が多いため、現在は一〇〇〇倍以上の希釈で使用しています。濃い倍率での添加をし、さらに生物活性水の効果を高めたいとのことで、三月に一槽一t×一〇槽をもう一系列増設する予定で打ち合わせをしてきました。
 既設のプラントでは、EC・pH・亜硝酸態窒素の測定を行いました。石井養豚センターは阿波市の山間部にあり、少し冷え込んでいました。そのせいか、微生物の活動が若干緩やかになっていた印象がありましたが、処理は行われていました。三月上旬にもう一度訪れて増設一系統の施工・調整と既存プラントの点検を行う予定です。

●岡山県 (二月一六日)
①岡山県高梁市
  〜高梁市堆肥供給センター
 堆肥センターの生物活性水プラントの点検とJA美星食肉加工センターの排水処理プラントに行きました。プラントの維持管理を担当している㈱三美産業の妹尾相談役と伊達専務に案内をして頂きました。
 堆肥供給センターのプラントは一槽五tのホーロータンクが四槽からなります。原料は堆肥センターの牛糞堆肥となっています。稼働状態は良好でECは〇・八五mS/cmでした。pH・亜硝酸態窒素も正常値となっていました。
 できあがった生物活性水は一次撹拌発酵時に散布して使用しているとのことです。堆肥の製造は撹拌発酵を二カ月、堆積発酵を四カ月と、通常の堆肥製造より一・五倍近い六ヵ月の時間を要しています。できあがった堆肥はアンモニア臭もなく良質な完熟堆肥となっていて、農家の方への堆肥供給はトラックのバラ積みと、二〇kg袋の「きじまる堆肥」をホームセンター等にて販売しているそうです。
   
②JA美星食肉加工センター
 排水処理プラントは定期的に㈱三美産業が点検を行っているので、良く管理されていました。二月一六日より数日前の冷え込みにより、屋外配管が凍結したとのことでしたが、訪れた際は既に回復しており、問題なく稼働していました。一日五〇〇L程度の排水を処理しているとのことで、EC・pH・亜硝酸態窒素共に問題なく処理されていました。処理水はそばの河川へ放流されています。
   
●㈲広島自然学研究所(二月一七日)
 広島県広島市にある㈲広島自然学研究所の生物活性水プラントの点検を行いました。旭鳳酒造の排水処理(生物活性水)プラントは日本酒の原料となる米のとぎ汁を原料として、冬場の仕込み作業中は排水処理施設として稼働し、二月中旬に酒の仕込みが終了してから生物活性水づくりに入ります。排水処理時のときは、処理水は水路へオーバーフローします。プラントは三六tの処理槽一槽からなり、できた生物活性水はホーロタンクへとポンプアップして貯蔵しています。製造した生物活性水はグリーンコープ連合の組合員へ出荷しています。旭鳳酒造は代表取締役が濱村洋平氏へと世代交代をして間もない時期でしたが、お忙しいなか対応していただきました。世代交代に伴い改めて生物活性水プラントの維持管理についての説明をしました。堆肥の投入や、リアクターシステムの仕組みなど、現場での説明も交えて説明し、実際にリアクター塔の充填剤の交換や堆肥の投入、点検、一部配管部品の改修を行いました。
(報告:BMW技術協会事務局 永合 耀)

Author 事務局 : 2016年04月01日 17:25

 
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