2016年07月01日

AQUA289号

第26回BMW技術全国流会へ 宮城県開催に向け、実行委員会がキックオフ!


今年の「BMW技術全国交流会」は、   一一月一八日から二日間です!

開催概要:「第二六回BMW技術全国交流会」 日程:一一月一八日(金)〜一九日(土) *オプション視察Cは二〇日(日)まで。
開催地:「ホテル松島大観荘」  宮城県宮城郡松島町松島字犬田一〇―七六   TEL:〇二二―三五四―五二一四    http://www.taikanso.co.jp/
第一日目:(一三時半から一八時まで)
 *基調報告、基調講演  *東日本大震災から五年〜
BMW技術協会会員報告
第二日目:(九時から一二時半まで)
 *生物活性水を使用した実験報告
 *BMW技術活用事例など
視察:
Aコース〜仙台市若林区七郷クローバーズ      ファーム、津波被災地など Bコース〜大郷グリーンファーマーズ、あい     ちゃん牧場(福祉ファーム) Cコース〜一日目:三陸海岸の被災地、南三陸     町または東松島町で宿泊。      二日目:大郷グリーンファーマーズ、     あいちゃん牧場(BBQあり)。
    *二〇日までの一泊二日となります。
実行委員構成団体:宮城BM技術協会、あいコープみやぎ、社会福祉法人みんなの輪、米沢郷牧場グループ、ポークランドグループ、会津うまいもの塾、常盤村養鶏農業協同組合 実行委員長:西塚忠元(宮城BM技術協会会長・大郷グリーンファーマーズ) 副実行委員長:豊下勝彦(ポークランドグループ) 実行委員会事務局:宮城BM技術協会


実行委員会がキックオフ!

 三月二二日、午後一時半から宮城県仙台市のあいコープみやぎ会議室にて、第二六回BMW技術全国交流会に向けて第一回目の実行委員会が開催されました。出席したのは、宮城BM技術協会、あいコープみやぎ、社会福祉法人みんなの輪、米沢郷牧場グループ、BMW技術協会の各団体からあわせて一一名に、伊藤幸蔵理事長も参加して一二名となりました。実行委員長には宮城BM技術協会の西塚忠元会長が選ばれ、その他にもポークランドグループ、会津うまいもの塾、常盤村養鶏農業協同組合からも実行委員が選出されること、副実行委員長にはポークランドグループの豊下勝彦代表、事務局は宮城BM技術協会に設置されることが確認されました。
 日程は一一月一八日〜一九日、開催会場は前回の二〇〇七年におこなわれた「第一七回BMW技術全国交流会」と同じ会場で、宮城県宮城郡松島町にある「ホテル松島大観荘」に決定しました。前回と異なる会場でとの意見も出ましたが、日本ブームにおける海外からの観光客の増加による仙台市内ホテルの高騰や、交流会を開催するホールの収容人数やアクセスなど全体的なことを考えると、同会場が一番適しているということになりました。
 また、内容とスケジュールについては大枠を決定し、基調講演の講師の招請やスケジュール、視察コースなどの詳細については今後、詰めていくことが確認され、六月までにはテーマを含めて概容を決定する方向で進んでいます。

第二六回BMW技術全国交流会に向けて
 今年の全国交流会は宮城県で九年振りに開催することになりました。前回は二〇〇七年の第一七回全国交流会です。
 二〇一一年三月の東日本大震災から五年が経ちますが、当時、大変な思いをされた方々がBMW技術協会会員にも大勢います。そして今も避難所暮らしを余儀なくされている方、福島第一原子力発電所の事故により生活の場を追い込まれている方、農業を続けることができなくなった方など、現実には震災は終わっていません。五年という時間が長かったのか短かったのかはそれぞれだと思いますが、震災を風化させることなく、現状を受け止めていきたいと思います。今大会は震災を経た私たちがBMW技術の理念を踏まえて、課題にアプローチしていく内容にしたいと考えています。テーマについては敢えて「復興」という言葉は使わずに、「再生」から「循環」へ、東北の地域性、民族性、BMW技術の理念などをイメージしながら議論を進めていきたいと思っています。
 また、宮城県では津波の被害に遭った地域の農業復興のシンボルが植物工場になっている部分もあるとのことですが、私たちはしっかりと「土」をつくり、ものをつくり、人をつくり、地域をつくっていくことを再認識します。
 また、技術的な深化も必要とされています。生物活性水を使用した実験については、さらに目的を明確にし、内容をシンプルに実践に適したテーマで進めるようにしていきます。同時に、BMW技術をより理解してもらうために、宮城BM技術協会をはじめ東北地区の皆さん、生産者以外の方達も含めて対象として、交流会開催前に二回の学習会を準備しています。
 BMW技術の基礎、土づくりの基本となる堆肥について、さらには東北の民族性や文化などについて学びながら準備を進めて全国の皆さんをお迎えしたいと思っていますので、是非、ご参加くださいますようお願いいたします。
(報告:BMW技術協会事務局 秋山澄兄)

BMアジア〜 インドネシアATINA社



 三月二四日〜二六日の三日間、インドネシア・東ジャワ州シドアルジョ県にあるATINA社にてプラント点検をおこないました。
 同社はエビ(ブラックタイガー)の冷凍加工工場で、日本の生活協同組合などで販売されている「エコシュリンプ」の加工基地です。二〇一三年三月に新工場が完成し、BMW技術排水処理プラントが同時に設置され稼働を始めました。プラントは日量約八〇tの排水量の処理が可能で、排水の受入れ量を調整する流量調整槽が約一八〇t、曝気槽が二四〇t、その他にも沈殿槽など全体で約七〇〇tの容量です。排水は約九日の滞留で各槽での処理段階を経て処理される仕組みになっています。
 プラントは概ね順調に稼働していますが、まだ加工シーズンのピーク前で排水量もさほど多くない状況でした。同社では四月から七月に加工のピークを迎えます。この時期はエビの収穫量が多く、買付価格、量が共に安定するので、一気に原料を受け入れ加工するので排水量もそれなりに多くなり、時にはプラントの受け入れ容量ギリギリの時もあり、日々のプラント管理がとても重要になってきます。
 今回の点検はピークシーズンを迎えるにあたり、前もってプラントの稼働状況や細かい部分の点検、リアクター塔充填剤の交換、汚泥の状態や量の確認などをおこない、管理上の課題などについての話し合いもおこないました。
 BMプラントや工場全体の管理のマネジャーであるブラムさんに課題などについて話を聞きました。

―プラントについて状況を教えてください。
ブラムさん:プラント全体としては順調です。処理水は良い状態を保っています。工場もそんなに忙しくないので、処理水を使った魚やエビの飼育実験やプランターでの野菜の栽培実験などをおこなっています。課題は曝気槽の「汚泥=微生物の集合体」の量が少ないこと、今は雨季になので雨水が大量にプラントに流入している可能性があり、汚泥が薄まってしまう傾向があります。処理には問題はないのですが、これからのピークシーズンは少し不安です。

―日々の管理はどのようにしていますか? ブラムさん:毎日八時と一三時、一六時に汚泥の計測、排水量の調整や掃除などを行っています。工場の稼働率が低い時はいいのですが、高い時はマメに点検するようにしています。
―魚の飼育はうまくいっていますか?
ブラムさん:処理水での飼育はうまくいっています。処理水が最初にながれる小さいほうの池で稚魚を育て、大きくなったら大きな池に移します。休憩時間は釣りもできます。魚は工場で働く人のためのケータリングのオカズです。

 ブラムさんが話していた課題について対応策を練ることになり、良い汚泥づくりが今回の大きなミッションとなりました。沈殿槽に溜まった汚泥をすべて引き抜き、別の槽で培養し、コンポストなど微生物の餌を投入、微生物も汚泥も活性化させて土壌性の汚泥を作ることにしました。きっと何を言っているのかわからない読者の方が多いかと思いますがご了承ください。
 排水を良い土壌のようにしていくという表現が伝わるかどうかわかりませんが、微生物が餌(汚れ成分)をしっかり食べて分解しやすくする状態を作っていきます。ここで言う汚泥は汚れ成分とは違います。
 あとは雨水の流入で。幸いにも工場やプラントの周りで流入しやすそうな場所を特定できたので、プラントにつながる排水溝には入らないように対策をおこなう予定です。おそらく四月からのピークシーズンに向けての準備を整えることができました。

知っていますか?ハラル認証
 さて今回、日本を出るときに空港でお土産に「海老煎餅」を購入しましたが、これはハラル認証がされていたのです。インドネシアに着いてから打ち合わせの時の茶菓子に煎餅を出すと、ATINA社の現地責任者のハリー氏が「おー、セイフティー」と言って袋をあけて美味しそうに食べてくれました。そんな光景がとても気になり、ハリー氏にハラル認証について教えてもらいました。また帰国後に千葉BM技術協会の幹事会に出席した際に、パル・ミート社の桑島雄三氏からインドネシアでのハラル認証の認知度について聞かれたので、あらためて色々と調べました。
 インドネシアのようにイスラム教徒が多く住む地域において、ハラルのマークはとても大事な意味を持つとのこと、最近、日本でも食品に貼付されているケースが見られるとのことですが、ハラルについての詳細な説明は、一般社団法人ハラルジャパン協会(http://www.halal.or.jp)をご覧下さい。
(報告:BMW技術協会事務局 秋山澄兄)

土壌分析の業務をはじめました    株式会社 匠集団そら


 匠集団そらでは、連作障害や土壌の疲弊、病害虫などの問題を解決する手段として土壌の化学分析及び、菌相分布測定の業務を四月一日よりはじめました。
 土壌の化学分析を行い、あわせて、土壌微生物の菌相分布の測定を行うことにより、土壌の状態を総合的に評価します。またこれらの分析結果を一時期だけ考慮するのではなく、継続的に分析することで根本的な解決方法が見つかるはずです。
 土壌の菌相分布は、各生産者の畑の土壌から栄養分を取り出し、寒天培地をつくりその培地上に出てくる微生物を一般細菌・放線菌・糸状菌の三つに分類しその割合を計数します。また寒天培地に培養できる全微生物数をプラスマイナス一グラムあたりの総数として計算します。
 このように土壌を化学性だけでなく生物性からも捉えることにより、様々な問題に対処していこうと考えております

分析項目と料金
一、土壌化学分析
(分析機器…富士平工業製 SFP―2)
 土壌中のN、P、Kなどの化学成分の含有量を測定します。塩基飽和度を基に設計も行います。
①EC、②pH、③CEC(塩基置換容量)、④CaO(交換性石灰)、⑤MgO(交換性苦土)、⑥K2O(交換性加里)、⑦(可給態リン酸)P2O5、⑧リン酸吸収係数、⑨NH4―N(アンモニア態窒素)、⑩NO3―N(硝酸態窒素)、⑪腐植
*オプションで鉄、ケイ素、マンガン、ホウ素
◎分析料金〜基本セット 一一項目 六〇〇〇円
◎オプション料金:鉄+五〇〇円、ケイ素+五〇〇円、マンガン+一〇〇〇円、ホウ素+一〇〇〇円、全成分分析一一〇〇〇円

二、土壌菌相分布の測定
 各生産者の畑の土壌から栄養分を取り出し、寒天培地をつくります。その培地に土壌の希釈液を塗り、細菌を培養します。培養された菌は一般細菌・放線菌・糸状菌の三つに分類し、さらに土壌一グラムあたりの総微生物数を計数します。
◎分析料金〜土壌菌相分布の測定(堆肥を除く)一五〇〇〇円
*料金は全て税抜き価格です。

分析結果がでるまでの期間
*菌相分布の測定には二〜三週間かかります。
*菌相分布以外の分析は土壌検体到着後二週間以内に行います。
 ただし、検体数が多い場合は二週間以上かかる場合もございます。

申込みの流れ
①土壌検査を申込む旨を匠集団そらまで電話、またはメールでご連絡ください。
  電 話:〇三―五二一一―〇六三五
  メール:sola-info@bm-sola.com
②申込用紙と土壌の採取方法をメール、FAX、郵送で送付します。
③申込用紙をメールまたはFAX、郵送にて返送してください。
④検体を発送してください。(③と同時進行でかまいませんが、検体の宛先は弊社事務所と異なります。)
⑤検査結果が出次第、速報をメールまたはFAXにて送付します。
⑥検査結果と合わせて傾向などが記載された証明書をメールまたは郵送で送付します。
⑦土壌等の送料はお客様のご負担とさせていただきます。
⑧土壌の採取方法等は申込用紙と一緒に送付します。
⑨検体は返却いたしません。

新潟BM自然塾    「第二回定期総会・第四回学習会」が     新潟県新潟市にて開催


 三月二九日(火)一四時から新潟県新潟市にあるNSTゆめディア会議室で、新潟BM自然塾の第二回定期総会と第四回学習会が開催されました。参加者は構成団体の食農ネットささかみ、JAささかみ、謙信の郷、新潟県総合生協の各団体から二四名、BMW技術協会からは伊藤理事長と秋山事務局長の二名が参加。新潟BM自然塾は第二三回BMW技術全国交流会の実行委員会で集まったことをきっかけに二年前に設立されました。以後、総会は二回目、学習会は四回目となりました。

新潟BM自然塾 第二回定期総会
 総会は二六名の出席で江口聡氏(JAささかみ専務理事)の司会、共同代表を務める石塚三津夫氏(食農ネットささかみ理事長)が議長をして進行されました。
 はじめに開会挨拶として石塚共同代表から、「新潟BM自然塾は設立当初からゆるやかな団体にしていこうということで、BMの理念に基づいてグローバルではなくローカルで、経済中心ではなくて人とのつながり、コミュニティーを大切にしようと考えています。学習会では産直の原点について皆さんで語り合えればと思っています」という挨拶がありました。
 続いて議事に入り、第一号議案の二〇一五年一月から一二月の活動報告と収支報告がおこなわれました。学習会は第一回(二〇一四年度)の「俺の稲作〜新米食べ比べ」、第二回の「苗八分作の稲作(苗半作と言われているが有機栽培に限っては八分作だろうという解釈)」と稲作を中心におこなわれてきました。七月におこなわれた第三回学習会では「稲の根」ということで、稲作農家全員が出穂後の稲を持ち寄って「根」を比べ合いました。そしてこの学習会では「畜産の現状を聞く」と題して、上越市の「謙信の郷」のメンバーで酪農家の井沢輝雄氏に畜産を取りまく現状について話を聞き。ここ三〇年で上越に一六〇軒あった酪農家が二〇軒に減り、二〇〇〇軒ほどいた採卵養鶏農家が二軒に減ったということをはじめ、耕畜連携も危うい畜産を取りまく危機的な現実をあらためて知り、参加者一同愕然としたということなどが報告されました。
 第二号議案の二〇一六年一月から一二月の活動計画と予算案については、ゆるやかな動きの中でも、BMW技術の普及を図ること、テーマを持って学習会をおこない自分たちが目指す農業をより明確にしていくことなどが提案されました。
 第三号議案は役員の選任で、新たに二名の役員が加わることが提案されました。すべての議案は拍手をもって承認されました。

新潟BM自然塾 第四回学習会〜
テーマ「生産者の思い・   消費者の思い、産直を通して」
 今回の学習会は私たちが携わっている「産直」をテーマに、新潟BM自然塾としていつも生産者だけで意見を交換することが多いので、逆に消費者側の意見をじっくり聞こうということが役員会で提案されて、新潟県総合生協の組合員理事の六名の方々の産直への思いを話していただくことにしました。
 まずプロローグとして、BMW技術協会の伊藤幸蔵理事長が『BMW技術、産直、生産者の取り組みについて』と題し、産直運動をはじめたから設立されたといっても過言ではない米沢郷牧場グループの生い立ちとこれまでの取り組みについての話しがありました。
 米沢郷牧場が産直を始めたのは、農協依存体質の脱却を目指し、東京の多摩ニュータウンで牛肉とぶどうの引き売りをしていたときに、タマ消費生協(現・パルシステム東京の前身)の方達と出会ったことがきっかけで、これまでに米、果樹、野菜、肉の供給をはじめ、生協(消費者)と一緒に商品を作ってきたこと、組合員に自分たちの畑に来てもらってお互いの理解を深めてきたこと、などの話がありました。
 BMW技術は同じ頃に導入され、BMとの出会いもこの流れがきっかけだったこと、環境を守っていくことや自然への理解を深めていくという意味で生産者と消費者が一緒になってこの技術を運動として広めてきたことなどの話もありました。
 最後に、生産者だけがいいものを作るのではなくて、どういうものを食べたいかなどの意見をどんどん話してもらって、一緒に安心安全なものを本当に顔の見える関係の中で作っていきましょう、と締めました。


『産直〜生協組合員の思い』
 新潟県総合生協組合員の榎並みほさん、大川原さとみさん、大樌久美子さん、瀬野悦子さん、金澤ゆかりさん、遠藤晶子さんの六名の方の話を聞きました。

榎並さん:新潟には嫁いできました。子供たちには添加物なしを含めて、安全なものを食べさせてあげたかったことなどが生協に入ったきっかけ。魅力的な生産者と知り合うことで共感できることが多く、ただ買ったものを食べるということだけではないことに気づかされた。おかげで子供も元気に育ちました。
大河原さん:新潟県新発田市の田んぼのど真ん中で育ったので、海も山も近く、自然が当たり前のように身近にある感じでした。生協に入ることで産直というか、食について、生き方について出会いの中で考えることができ、美味しさが増し、食卓が豊かになりました。当たり前の自然だと思っていたけれど、実は農家の方々が守っていてくれたのだと気づかされました。
大樌さん:弘前から新潟に嫁いできました。子供を連れて色々な生産者のところへ行かせてもらい、親子共々色々なことを学びました。生産者の顔が見えて、うちにはなくてはならないもの、生産者や業者と皆で素晴らしい生協をつくり、産直を守っていきたいです。今では子供も大きくなりましたが、親戚も含め、県外に住むみんなに送っています。
瀬野さん:新潟県新井市で農家の娘として育ちました。肉は別ですがほとんど地産地消の食で育ってきて、農薬とか添加物とかは気にしてきませんでした。嫁ぎ先の義母が、子供が生まれたことをきっかけに生協に加入してくれ、続けて私も加入しました。本当の地産地消の意味、食の大切さを学ぶことができました。生産者が私たちと向き合いながら作っていただけているということが嬉しかったですし、とても感謝しています。
金沢さん:知人から、配達してもらえて、商品も安心安全で良いと聞いて加入しました。生協の牛乳を飲んでいた子供が市販の牛乳を飲んで「まずい」といい、味がわかるお坊ちゃまと言われてしまいました、それだけ子供は味に敏感なんだと思います。良い商品に大切なことは、美味しい、安全、独自性、ストーリーがある、ネーミングの五つだと聞きました。皆さんはどれもあてはまるものを生産されているのではないかと思いますので、これからも宜しくお願いします。
遠藤さん:新潟市内のど真ん中で育ち、農家にも農業にも縁は全くありませんでした。子供が生まれたことをきっかけに加入し、色々な生産者の元で生産物そのものについて学び、驚きの連続です。特に新潟県内で、唯一個人でエリンギ農家を営まれている方のところへ行ったことが印象に残っています。

『意見交換』〜新潟BM自然塾の メンバーと生協組合員の皆さん
 続いて意見交換がおこなわれました。六名の皆さんに共通していることは子供や家族の食の安全のためにということがきっかけで生協に加入されているところで、生産者側がまずそういう、食べる側の絵づらを想像することも大切なことではないかという意見をきっかけに、活発な意見や質問が出ました。
 また、昨今の米の価格の下落の話をきっかけに、価格に対してシビアな話にもなりました。生協の産直生産物はスーパーの安売りに比べれば確かに高い、普段から見ても若干そうなのかもしれないが、生産者との関係性などから考えたら高いなどとは思わない、意志のある生産者と消費者が向き合っていくことが大切で、その価値を一緒になってもっと高めていかなくては、産直に未来はないのではないかという意見でまとまりました。
 意見交換も佳境に入り、新潟県総合生協生産者協議会の安野検一会長(有限会社ファーミングスタッフ/米生産者)から六名の方に、「産直というフィールドの中でしっかりとお子さんを大切に育てられてきたが、若い世代、若い子育て世代に皆さんのような思いが足りないように感じますが、どうやって伝えていけばいいと思いますか」という質問がされました。それぞれに意見はありましたがまとめると、学校教育からしっかりと伝えていかなければならない問題でもあるが、自分たちでできることとして、自分たち消費者側同士でもっと伝えていくことをしていかなければならない。「もっとお米を食べようキャンペーン」や、斬新な形でもいいからわかりやすい情報発信を生協、生産者の皆さんと一緒になってもっと考えていきたい、そしてきちんと地道に伝えていくことが大切なのではないか、ということでした。
 最後に新潟県総合生協の蒲原隆常務理事から、「生産者と消費者をつないでいかなければいけない我々は、もっと頑張らなければいけないと、今日は貴重な叱咤激励をいただき涙が出てきました。ありがとうございます。私たちはもっと生産現場の情報をきちんと発信していかなければならないと思います。カタログにしてもそうですが、もっと情報発信をより良い形に、伝わりやすいようにしていきます。賛否両論ありますが、生産現場やこのような学習会をダイレクトに動画にしてSNSで配信して、誰でも気楽に見ることができるようにしていきたいと思っています。皆さんの熱い思いを胸に明日から精進していきます。」と話しがありました。
 以上で、まだまだ話しの尽きない新潟BM自然塾らしい学習会は惜しまれながらも終了となりました。閉会挨拶として、共同代表の峯村正文氏(謙信の郷)が、「今日は率直な意見を交換することができて良かった。普段なかなかこういう機会には恵まれず少し気が晴れました。今の子育て世代は我々の時代より大変だと思います。雇用や託児所の問題を見てもそうです、農がみんなをきちんと支え守っていけるように我々も頑張っていきましょう。辛くても大きな声で笑って、笑いすぎてもいけませんが、明日への活力として進んでいきましょう」と締められました。
 (報告:BMW技術協会事務局 秋山 澄兄)

石井養豚センター生物活性水プラント増設工事


 三月七日〜三月一〇日まで徳島県阿波市にある石井養豚センターで生物活性水プラントの増設工事を行いました。石井養豚センターでは現在母豚一〇〇〇頭で一貫経営しています。既存のプラントは一槽一〇〇〇リットルのタンクが一〇槽と堆肥浸み出しタンクからなります。用途は主に飲水への添加ですが、希釈率が一〇〇〇倍以上と薄めで添加しています。もっと濃い倍率での添加をし、効果を高めたいとのことで、既設プラントと同じものをもう一系列増やす工事を行いました。
 三月七日、初日は資材集めとタンクへの穴あけ、散気管の組み立てを行いました。木材やコンクリートブロックなど、輸送が大変なものは最寄りのホームセンターで揃えます。また、タンクへの穴あけは岩石やリアクター塔をつるしたり、導通管を取り付けたりできるようにタンクの上部に開口部を作ります。
 三月八日は最初にメインエア配管と散気管の取り付けを行いました。まず、配管サポートとなる木材を配管予定箇所に取り付け、その木材の上に一槽目から順に配管していきます。この時にエアリフトポンプなども設置していきます。メインエア配管が終わったら、散気管の取り付けを行います。散気管は事前に組み立ておいたものにマイカー線を括り移動がきくようにし、ホースでエアーを通します。ここまで終わったら、かなり形が見えてきます。最後に堆肥浸み出し槽の設置を行いました。堆肥浸み出し槽は一槽目より高い位置に設置し、落差を利用して一槽目へと堆肥浸み出し液を送ります。BMW技術プラントの一つの特徴として、電磁エアブロアーの稼働(曝気やエアリフトポンプ)以外には電気を使いません。
 三月九日は細かいところを修正しつつ、岩石の仕分けをし、投入していきました。今回使用した岩石は軽石、花崗岩、蛇紋岩の三種を使用しました。軽石は主にプラントの前半に、花崗岩と蛇紋岩は後半に吊るしています。岩石の投入が終わったら、導通管を取り付け各槽をつなげます。最後に一槽目にリアクター塔の投入、浸み出し槽に堆肥を投入し注水し、培養を始めました。
 三月一〇日最終日は全体の細かい修正を行い、二槽目の培養、石井養豚センターのプラント担当者の郡さんへ生物活性水の説明を行いました。三槽目以降の培養調整と管理方法等を説明しました。
 石井養豚センターでの設置工事は前半二日間は二〇℃を超える温かい日が続き、後半二日間は最高気温が一〇℃未満という極端な温度変化を体感しました。気温が低いときは微生物の活動も低下しがちですので、早く暖かくなって欲しいです。順調にいけば、四月の中旬ごろに、生物活性水の完成を予定しています。
(報告:BMW技術協会事務局 永合 耀)

高知県内プラント巡回
 南国市の高知県立高知農業高校に設置している生物活性水プラントの定期点検を実施しました。
 二〇〇〇リットルのFRP製受水槽を四槽並べたプラントです。原料は畜産科で飼育している乳牛と豚の畜糞からの堆肥を使っています。稼働状況は、電気伝導度ECは〇・四三mS/cmで少し低くなっていました。
 点検作業は、リアクター塔の充填材の定期交換をしてエア調整と第一槽に投入している堆肥の交換を行いました。
 また設備については、電磁ブロアのエアクリーナーの清掃と稼働状態の確認。第四槽から第一槽への返送用エアリフトポンプを稼働するためのタイマーの作動状況を確認。いずれも良好に稼働していました。
 生物活性水は、堆肥づくりの一次撹拌発酵堆肥舎で撹拌機に取り付けられたノズルから散布できるようになっています。
 堆肥製造以外にも畜舎内の清掃にも散布して使っています。また、牛の飲み水の水槽にも添加しているそうです。
 一次発酵堆肥舎も畜糞の投入側は少し臭いますが発酵堆肥舎からの臭気はほとんど感じないくらいにおさまっています。

高知県内の農家が集まって
  ミニ学習会を開催しました。
 土佐山土づくりセンターで製造している堆肥や生物活性水を利用している農家がBMW技術についての学習会を希望していますと夢産地とさやま開発公社の堆肥製造担当山崎さんからお聞きして開催したものです。
 参加者は、ニラ栽培、トマト栽培、ミカン栽培の農家など八人が集まりました。学習会は秋山事務局長がBMW技術の基礎から説明を始め、生物活性水の利用の仕方や生物活性水プラントの仕組みを説明しました。
 参加者は、BMW技術により興味を持たれたようで、七月に予定されている高知での基礎セミナーにも参加を希望していました。

土佐町のJA土佐れいほく堆肥センターに設置している生物活性水プラントの巡回点検を行いました。
 二月にホーロータンクをつなげている配管取付け部で、ホーロー本体から水漏れしていたため、補修を行なったあとの稼働状況の確認です。当日はJAから畜産主任の小笠原さんにも立ち会っていただき、補修部の水漏れが無いことや、培養調整について確認していただきました。
 調整は第三槽まで水が移っていましたが、水の流れが悪いとのことで配管やバルブのつまりなども確認し、第四槽まで満水にして全体のエア調整を行いました。

四万十町の広瀬地区にある十和堆肥センターで生物活性水プラントの巡回をしました。
 四万十地域振興局の冨田さんと、廃業した下原畜産の豚舎を再生して新規就農を予定している中村周平さんにも立ち会っていただき稼働状況を確認しました。
 中村さんにはBMW技術の仕組み、飲水改善プラントの再稼働と生物活性水の豚舎での利用方法を説明しました。今年の秋に母豚二頭から一貫経営を始める予定で、豚舎の整備を進めています。

新潟県胎内市のナカショク中条離乳農場で生物活性水プラントの定期点検を実施しました。
 電気伝導度ECは〇・三mS/cmと少し低くなっていましたので、原料となる堆肥の交換回数を増やしていただくよう大矢場長に伝えました。当日は豚舎での洗浄があり洗浄水の送水と同時に希釈添加装置のポンプも頻繁に動いており、生物活性水が送られていました。

 高知市土佐山にある夢産地とさやま開発公社の土づくりセンターで、堆肥の熟成度を早めることと堆積した底部の乾燥をねらって、昨年一〇月、二八三号のアクアに掲載されていた煙突換気扇を利用した実験に取り組みました。
 堆肥製造の責任者山崎さんと一緒に堆積発酵中の堆肥の山に煙突換気扇を二か所差し込み、発酵温度の変化と乾燥度合を実験することにしました。煙突換気扇は取付方向により、堆肥の山に空気を押し込む方向と、押し出す方向の二通りで実験することにして、経過の観察記録を山崎さんにお願いしました。
(報告:匠集団そら 星加 浩二)

 
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