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2003年06月10日

■バイオテク産業のGM微生物が離散して北米の土壌に侵入し、自然微生物の生態を乱している

■バイオテク産業のGM微生物が離散して北米の土壌に侵入し、自然微生物の生態を乱している

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GM微生物が北米を侵略する

世界の注意が、遺伝子組み替え(GM)作物に集中している間、GM微生物は、ほとんど、または全く公けの自覚も討論もないまま、最低でも6年間は放出され続けている。ジョー・カミンズ教授が以下に報告をしている。
多くのGM微生物は、六年前の最初のリリース以来、広く使われている。シノリゾビアム・メリロティ(Sinorhizobium meliloti)は、土壌に加えられたり、種子に注入されるバクテリアである。これは、マメ科植物の根の小節構成と窒素固定を強化するために、使われている。それは1997年に商業用生産のためにリリースされた。

他の商業用のGM微生物はバイオ農薬として指定されている。これらには、GM「アグロバクテリウム」ラジオバクターk1026が含まれていて、果実と野菜植物に出るクラウンゴール病を防止するために使われている。次には、シュードモナス-フルオレッセンスが在り、桿菌スルインジエンシス(Bt)の種々の亜種から取った多くの異なったクライデルタ内毒素遺伝子で遺伝子修正されている。修正されたP.フルオレセンス培養菌は低温殺菌によって殺されて、日光でBtよりずっとゆっくり劣化する持続的なバイオ農薬調剤を提供している。だが、これらの調剤を販売している人も、使用している人も、これらの微生物が遺伝子組み替えされたものであることに必ずしも気づいていない。有機栽培をしている農夫でさえそれらを気がつかずに使っているかもしれない。

マメ科植物の共生微生物、シノリゾビアム・メリロティは、植物の根と土に空気からきた窒素を固定するのにとても重要である。マメ科植物は、根からフラボノイドを浸出させてバクテリアに合図をだす。バクテリアの小結節形成遺伝子の表現を作動させて、根の結瘤を固定する窒素の構成を調節するノッドファクターの生産を結果として生じる。シノリゾビアム・メリロティのゲノムは十分にシークシークェンスが明らかになっている。それは、普通とは違って、3つの染色体(または、1つの染色体と2つの非常に大きいプラスミド)を含んでいて、それらの全ては、植物の根[2]との共生に寄与している。遺伝子組み替え商業用の株種(RMBPC-2)は、追加された遺伝子を持っている。それは、その植物から結瘤バクテリアに送られた有機酸を増大させる遺伝子とともにニトロゲナーゼ酵素(窒素固定のための)を調整する。それはまた、ストレプトマイシンとスペクチノマイシン[3]のための抗生物質抵抗マーカー遺伝子も持っている。この商業用のリリースは、GM微生物の環境へのインパクトについての危惧にもかかわらず許可された。

初期の危惧を支える証拠は累積してきたけれども、それはGM微生物の使用を滞らせる事はなかった。例えば、最近の点検では、シノリゾビアム・メリロティ株種が、マメ科植物の宿主が無くても、土壌に6年間も居残っている、と報告している。他の土壌バクテリアへの水平遺伝子転移とプラスミドの小進化も観察された[4]。他の研究により、土壌微小節足生物がGMシノリゾビアム・メリロティを摂取していること、また節足生物の腸内のGM 大腸菌が、一連のバクテリアへの遺伝子転移を容易にした、と言う事が、明らかになった[5]。

ストレプトマイシンとスペクチノマイシンのための抗生物質抵抗マーカーが、土壌バクテリアと一連の動物の病原に転移することにはほとんど疑念がない。例えば、ストレプトマイシンのための抵抗遺伝子が、植物葉緑体に転移遺伝子として挿入されたものから、相同遺伝子シークェンスがある時には、感染バクテリア、Actinobacter sp.[6]に転移するのが、観察されている。

抗生物質のスペクチノマイシンとストレプトマイシンは、人および動物の薬品において広く使われている。スペクチノマイシンは、人の淋病[7]と牛の肺炎[8]を治療するのに用いられている。ストレプトマイシンは、人の結核[9]とメニエール病[10]、を治療するため、また果実と野菜[11]への殺虫剤として、使用されている。

このように、GMシノリゾビアム・メリロティの商業用リリースは、数百万エーカーの農耕地の土中にGM微生物の定着を結果として生じさせてしまった。農耕地では、医療と農業で広く使用されている抗生物質のための抗生物質の抵抗遺伝子を拡散させることができる。アグロバクテリウム-ラジオバクターk1026 [12]は、アグロバクテリウム-ラジオバクターk84から引き出されたバイオ農薬である。このk84は、果実、装飾用樹木、低木のクラウンゴール病をコントロールする為に使用されている自然のバクテリアである。

クラウンゴール病は、植物の茎に腫瘍を起こさせるアグロバクテリウム-ツメファシエンス微生物に起因するものである。この微生物は、植物遺伝子工学で利用されている最も一般的なベクトルである。GMアグロバクテリウム-ラジオバクターは、A.チューマファシエンスに対して化学兵器戦争エージェントのバクテリオシン(agrocin)を放出しているのだ。バクテリオシンは、感染された植物にできるクラウンゴール腫瘍を防止する新しい核酸デリバティブである。

GM A.レイディオバクターは、雄性のバクテリアがそのプラスミドを転送できないように、プラスミド転送をコントロールしている遺伝子に削除加工している。だがそれは、雌性バクテリアとして、プラスミド転移を受容できるようになっている。しかし、最近の研究は、遺伝形質の逆転送が、雌性受容から雄性の授与バクテリアに向けて、起こるかもしれないことを示唆している[13]。バシラス-スリンジエンシスからのクライデルタ内毒素遺伝子で修正されたシュードモナス・フルオレッセンス株種は、マーケティングされる前に殺されている[14]。殺されたGMバクテリアは、通常の B.チューリンジエンシスの散布よりはずっと残留性がつよい。これらのバイオ農薬承認の主要な誤謬は、バクテリアが、死後に、生殖(接合)ができないと思うことである。確かにできているのである。

土壌バクテリアはまた、細胞溶融物(つぶされた死んだ細胞)で容易に変えられてしまって、土壌の微生物の中で、[15]遺伝子変更された形で機能してしまう。P.フルオレセンスおよびA.チューマファシアンスの両方共土壌内で[16]変更されている。土壌シュードモナスとアクションバクタは遺伝子転移植物[17]から遺伝子を取り上げることができる。従って、遺伝子転移作物とGMバイオ農薬の結合により、土壌の微小植物相と微小動物相を荒廃させる遺伝子の結合が創作できるのだ。

結論的に言えば、GM微生物は、北米生態系の遍在する侵略者になりはじめたのだ。この大量の侵略は、ほとんどまたはまったくの公けの自覚、情報もないままで、さらには侵略のインパクトをほとんど監視する事もなく、起きてきている。商業用の微生物の環境リスクアセスメントは根本的な事であるのだが、頻繁に誤ちをおかしている。私達は私達の手中に時限爆弾と同様なバイオ兵器を持つていることになってしまっている。

Author:事務局 : 2003年06月10日 11:38