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2003年06月10日

■米国での狂牛病状況

■米国での狂牛病状況

New Scientist | BSE and CJD | Mad cow USA

米国の狂牛病情勢

アメリカは、BSEがある事を否定しているけれども、まだそれを証明する必要がある。BSEが地球の多くにその脅威の影を投げかけている中で、米国は、その4000億ドル牛肉産業が狂牛病からのがれられないのではないかと戦々恐々としている。政府官吏達は、BSEを締め出すための警戒体制をとっている。しかし、New Scientist誌は以下の事情を確立させた。たとえ米国が、フランスと同じ程度のBSEの発病率があったにしても、アメリカの監視体制は、それを止める事ができないだろう。フランスでは、健康と農業の危機を引き起こした。米国は、1996年以前では、英国の肉と肉骨粉(MBM)を44トン、それに加えて126頭の牛だけを輸入していた。その126頭は、次に起きた回収を逃れたもので、飼料にされるのを免れたものである。

しかし去年、欧州委員会科学アドバイザー達は、それら輸入したものに何らかの汚染があれば、アメリカ式の加工と飼料の与え方によって、その汚染は伝播し、増大されるだろうと警告を、発していた(参照:New Scientist, 10 June 2000, p 4)。

アメリカの官吏達はこれを強く否定する。「私達はBSEを全然持っていない」と、リンダ・デトワイラ、が言っている。彼女は米国農務省でBSEワーキンググループを主導している。こういう事情はあるが、1997年に、農務省は、伝染のリサイクルを防止するために、牛に牛の残骸飼料を与える事を禁止している。

先週テキサスは、マスコミに大きく取り上げられた1221頭の牛の撤収劇をやって見せた。これらの牛は、間違いでMBM飼料を与えられたものであった。この汚染飼料の根源は、米国最大の飼料会社、プリナ・ミルズであった。この会社は現在は、飼料に、動物の残骸は何も使用していないとい言っている。今後他の会社もこの動きに従う事になるだろう。昨年USDAは、病気の牛、倒れ牛(死んでいるのを発見されるか、倒れているのを発見された牛)、に対するBSEテストを二倍にした。しかし、USDAが実行した2303回というテストは非常に少ないので、非常に低い病気発生しか検出していない、と、スイス連邦獣医局のマーカス・ドハールは言う。彼は、スイスで同様なプログラムを立案している。「そのサンプルの規模では、1000頭当たり1.3だけの感染した雌牛があったといえるようになっている。」これは、フランスが、昨年「倒れ牛」に発見したのと同じ発生率になる。

米国の疾病監察制度は、また、病気の雌牛を報告してくれる農夫、または畜殺場に依存している。ドハーはこう述べている:「BSEがないと考えている人々は、症例が目に入りそうもない、ましてや報告なんかしないもんだ。それはちょうどドイツで起こったことである。」

さらに、BSEは、アメリカの牛を侵す唯一のプリオン病ではない。1985年に、ウィスコンシン、ステットソンヴィルで、BSEと似た病気がミンクに勃発した。このミンクは、そこの農夫が言うには、「倒れ牛だけを食べていたものだ。慢性衰弱病、またプリオンにより起こされるものだが、は、いくつかの西部の州とカナダのヘラジカと鹿を倒している。USDAは、それらの地域の若いハンターに発症したCJDの少数の患者は、ヘラジカまたは鹿に関連しているという報告を否定している。しかし、道路事故での死体、屠殺されたヘラジカと鹿が、家畜に餌で与えられたかも知れない。

全国牧場主牛肉協会のゲーリー・ウェーバーはこう述べている:「牛がCWDヘラジカを食べた実験では、30ヶ月後にもその兆候が全然出ていない。」 しかし、プリオン病は、発症してくるのにもっと長い期間がしばしばかかるものである。デトワイラーは、米国の監視が適切であることを強く主張する。「ずっと時間がたてば、もし私達がすべての地域を必ずテストするならば、このサンプリングの比率で、どのような問題でも警告を発するのに十分であろう。」 しかし、米国がフランスより少ない狂牛病に罹っているという事を知っているということは、BSEが無いというのとは同じではない。

ドハールはこう述べている:「その敏感さのレヴェルでテストしていると言うことは、多くの動物性の病気がないことを示すものとして認められているのだ。」 しかし、それでは、産業を壊滅させるBSEを検出する事にはならないのだ。

報告者 Debora MacKenzie

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Author:事務局 : 2003年06月10日 11:37