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2003年08月07日

■首にされた英国環境大臣マイケル・ミーチャが語る

■首にされた英国環境大臣マイケル・ミーチャが語る

GMの真実を知りたかったら、カナダ人に聞くとよい

マイケル・ミーチャが語る:
GMについての真実を知るには、カナダ人に尋ねるとよいカナダ人が経験で得たレッスンは、従来の農業とGM農業の間の共存がマボロシであることである。

06 2003年8月

もし英国政府が、今年の初め英国でGM作物を商業的に育てることを許可すると決めていたらどうなっていたか。それを見つけ出すためには、カナダに行くとよい。そこでは、1997年にGM作物を大草原に導入したところだ。どんな結果がでたのか。私は、それを見つけるためにサスカチュワン州とオンタリオ州で一週間過ごしてきたところである。最初7年前にこのテクノロジーが大草原に応用された時には、農夫は熱心であった。モンサントと他の大きいバイオテク企業は、こう約束した。より高い生産高、少ない除草剤使用、全くか、ほとんどない異種交配、「ヴォロンティア(volunteers)」雑草は容易に押さえ込める。ヴォロンティアは収穫を生き残り、後で違った作物が植えられる時には雑草になるというものであった。だがそのようには全くならなかった。

その収穫は汚染が予期以上に広範だったので少ない事が分かった。薬の使用は減らなかった。実際増加しなければならない事がしばしばであった。ヴォロンティアは予想を越えた困難さがあった。消費者にとっての得があって、それで耕作者への損失を我慢してもらえるというものもなかった。さらに環境へのインパクトは、GM作物が非GM種と実質的に「equivalent等価」であるという見かけの原則があって穏やかであると考えられていたが、その反対で深刻である事が判明した。野生生物へにも被害があり、新しいスーパー雑草が生れて、昆虫と鳥を支えていた生態系が破壊された。

英国がカナダの経験から学ぶ事ができ、また学ぶべきいくつかのレッスンがある。最も重要な事は、共存、―有機と従来の農業がGM農業のそばで存在でき、繁栄できると言う枠組み―は蜃気楼と同じである。サスカチュワン州では、有機油菜種(カナダ人はカノーラ油と呼ぶ)が、モンサントの「ラウンドアップレディ」GMカノーラ油からの交種汚染により払拭されてしまった。英国にとっての問題は、もしカナダの大草原の広大なスペースで有機の油菜種を分離することが不可能ならば、農場が隣接する英国のずっと狭い土地で分離しておけるということは想像できないことである。

さらにいっそう心配される事は、有機作物の汚染は、主要には、花粉が空気に乗った汚染からではなく、種子の供給の汚染であることである。カナダでこれの最も有名な例は、農夫のパーシー・シュマイザーの場合である。彼は種子を自分の収穫したものから取って置き、翌年それを植え付けた。そして意外や、そのうちの一部がGMである事を気付くことになった。だが彼は、どんなGM作物も自分の土地に入れたことは無かった。とてつもない事だが、彼は、モンサントに法廷に連れ出された。この会社が彼の農場で出たGM作物の遺伝子特許を取得していて、彼が特許を犯したというのが根拠であった。この会社は訴訟を勝ち取った。もしこれがカナダで起きているのならば、モンサントが英国で同じ戦術を使うのを疑う理由は全くない。

もう一つの問題はボランティアとGM雑草の除去である。ボランティアは、すでに、栽培のために使われる化学除草剤(ラウンドアップレディとして知られているグリソフェイト剤)に抵抗力があり、そして雑草、や他の植物もGM油菜種と小麦からの遺伝子流出によってこの抵抗を取得できる。従って、グリソフェイト剤の2または3回の畑での散布に加えて、2、4-Dなどの他の旧式な有毒な化学薬品を残留雑草を排除するために使用することが必要である。私が会ったカナダのNFUの会長は、現在カナダの農夫が化学薬剤を散布する費用は、年あたりで二億ドルになっている事を示している大学研究を引用した。

この問題は、カナダで私が出会った2つの他の予想外のファクターによってさらに悪化している。それはまたもしGMの商業化が英国で導入されたならば、英国にも起こる事である。その一つは、ボランティアは、元の収穫後の翌年に起きてくるのではないことである。その種子は地中で何年もの間存続できて、ボランティアは、3年から5年後にしばしば生じてきている。GMラベル付けと賠償負担は、カナダでも英国でも重要事項である。北米がGMにまったく満足し、それに心配していないという一般の印象とは違って、いくつかの最近の世論調査によれば、92から97パーセントのカナダ人は政府が企業にGM製品にラベルを貼るようにさせるべきであると思っている事が示された。

EUでは、GM食物のラベル付けは、0.9パーセントの制限枠ですぐ要求される。それでも、それは、消費者が本当に知りたい事は告げていない。即ち、食物がGMなしであるかどうかである。賠償責務、即ちもし有機か従来の農夫が、GM汚染のため、ビジネスが損害をうけたり、または生計が立たなくなる場合誰がそれを支払うかの問題は、現在カナダでもヨーロッパでも大きな問題になっている。大西洋の両側で、バイオテクノロジー産業は、自分達が起こす汚染への責任を認めることへ強力な抵抗をしている。

カナダでの現在の闘いについてカナダNFUが私に示した証拠がある。その証拠のもう一つの非常に重要な事は、GM小麦の不人気さを受け入れさせるためにモンサントが採用した戦術に関連する。重要な地位にある有名な農民達によってサインされている、その書簡の草稿は、彼等とモンサントの間の相互理解と協定を詳述している。それは、カナダにラウンドアップレディ小麦の積極てきな導入を確保するため秘密裏にどう助力するかがについて述べてある。
私達はこう尋ねる必要がある:
英国でも同じ事がおきているのか。
あるいは、英国でこの先同じ事がおきるのか。

この報告の作者は1997年から2003年まで環境大臣であった。

2003・8・7・07時50分

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Author:事務局 : 2003年08月07日 07:50