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2003年08月12日

■世界初のクローン馬が誕生させられる ~その技術応用の実情と今後~

■世界初のクローン馬が誕生させられる ~その技術応用の実情と今後~

New Scientist
The World's No.1 Science & Technology News Service
World's first cloned horse is born
18:00 06 August 03
NewScientist.com news service


世界初のクローン馬の誕生が発表された

健康な雌の子馬が、Prometea (プロメティア)と名付けられて、5月28日に彼女と遺伝子的に同一の代理母馬によって誕生させられた。この突破口は、2003年初期の、ラバのクローンに続いている。チェーザレ・ガリ、クレモーナの生殖テクノロジー研究所ディレクター、とその同僚は、母馬から取りだされた皮膚細胞の核と、別の馬からとった空にされた卵子、とを、融合させてプロメティアを作成した。この結果生じた胚は、試験室で培養された後に母馬の子宮に返された。ガリは、クローン技術で生み出す馬は、良い品種馬を高めるのを助けることができ、馬のチャンピオンを再生するのに役立つかもしれない、と言っている。しかし、彼はこう警告している:「それらの馬は同じ遺伝子のバックグラウンドを持つけれども、トレーニング、コーチ、環境などの他のファクターが、影響を持つかもしれない。」純血種の馬を管理している現在の規則は、クローン馬を競馬にするのを禁止しているけれども、何人かの業界のエキスパートは、これは続かないだろうと信じている

(参照:New Scientist print edition, 7 June 2003)。


アラビア馬とハフリィンガー馬

(?永久注 Haflinger馬は南チロル原産の頑丈な荷重用馬)

研究者達は、1頭の雄のアラビア純血馬から取った皮膚細胞の核と、1頭のHaflinger雌馬を取って、屠殺場で処分された馬(複数)から取られた卵子(複数)を加えて、そしてそれらの馬自身のDNAは除去して、これらを合わせた。しかし、この技術の成功は決して確保されたものではない。841の首尾よく再構成された雄と雌の胚から、わずか8の雄と14の雌の胎児が、7日の培養の後に、最初期の「胚盤胞」段階に発育した。そして、雌馬(複数)に挿入された17の胚から、ほんの4の胚が、妊娠期間に至った。プロメティアが、336日の後に誕生したが、全体から残存できた唯一のものであった。


神から火を奪う

DNAテストによって、この雌馬が彼女の母馬と遺伝子上の双子であることが立証された。ガリは、これは計画されたものではなく、驚くことではない、と言っている。胎児への母馬の体による免疫反応は、胎盤の発育のために重要であると考えられている、そして、適応しなかった反応が流産を結果として生じさせていると考えられている、と、彼は述べた。このクローン技術の近い用途は、ゲルディング馬(去勢された雄馬)からの繁殖であるかもしれない。競馬場で成功できるゲルディング馬は、クローンで生み出す事が可能で、そのクローン馬を次に種馬として使わうことができるだろう、と彼は述べている。この実験チームは、このクローン馬の名前にプロメティアを選んだことで、このテクノロジーに抵抗が出るだろうというのは予想していた事を明らかにした。ガリは、New Scientist誌にこう述べている:「オリンポス山の神から火を奪ったプロメテウスのように、私達は、彼女が、私達がすることを好まないこれらの人々に勇敢に直面することを希望しました。」

参照雑誌: Nature(Vol.424)

報告者 Shaoni Bhattacharya

Author:事務局 : 2003年08月12日 14:01