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2003年09月24日

■遺伝子転移樹木は水銀中毒を拡散する

■遺伝子転移樹木は水銀中毒を拡散する

遺伝子転移樹木は水銀中毒を拡大する。

水銀を場所から場所へ移動させるのは「改善」になるのか?
ジョー・カミンズ教授が検証する。最近、研究者達は、遺伝子組み替えの木をテストした。この樹木は、イオン水銀を汚染された土から取り去り、それを不安定な元素状の水銀に変換し、大気に放出するため遺伝子操作されたものである。研究者達は大気にある水銀は相対的には無害であると信じているようである。実地試験はダンベリーコネチカットで行なわれ、合衆国環境庁(EPA)と他の関連団体によって、支援されている。[1]

ダンベリーは、帽子の製造から始まった水銀汚染地の本拠である。ここでの水銀が労働者に水銀中毒を引き起こした。「ダンベリー震え」といわれる症状が労働者にひき起こされた。しかし、この水銀「矯正」プロジェクトは、水銀汚染を大気に単に移動させて、そしてそこからその水銀汚染が、米国北東部の諸都市の上空と、米国北部とカナダの湖と水路に、拡散さしていく。元素状の水銀は、一度都市の水路と街路に放置されれば、微生物によって、人と動物にも同様に神経障害と出生欠陥を起こせる有機水銀に変換されていく。

昨年、私は合衆国とカナダの都市と水辺地域へのこういった形の水銀汚染矯正の危険を指摘した。[2]しかし、私の評言はEPAの官僚と生物工学産業によって完全に無視された。世界全体では、人間の生活動が出す水銀は、約1,900トンで、そのうち化石燃料特に石炭の燃焼からが約4分の3で、あると見積もられている。廃棄物処理サイト、セメント製造、および廃棄物焼却場が残りの部分を占めている。ヨーロッパと北米が水銀放出の4分の1を引き起こし、アジアの諸国は後の半分以上の水銀放出を引き起こしている。

ガス状の元素水銀が放出される水銀の半分以上を占めていて、2価水銀と微粒子状の水銀が後の半分を占めている[3]。放出された水銀は、大気から雪と降雨の中に留まり、深刻な脅威を人と動物にあたえる事になる。なぜなら、元素状の水銀は、北極、カナダ、米国北東部の都市に広がった後に、イオンと有機の水銀に変換されるからである[2と4]。もし水銀汚染された場所の樹木利用の矯正策が、北米で大規模に行なわれれば、水銀のグローバルな拡散は10年以内で二倍になるかもしれない。

水銀の植物利用除去計画は、細菌の遺伝子merAを植物のゲノムに導入することに基づいている。植物の中の効率的な遺伝子の活動のために、変更されたDNA配列を持つ合成merA遺伝子が植物を変更するため使用される[5-7]。水銀抗性がある微生物は、また、水銀汚染された水への効率的で、経費がやすい処理法として促進されている[8]。しかし、そのようなテクノロジーの予期されている広範囲な応用は、この水銀矯正法による大気汚染の結果を考慮していない。結論を言えば、植物利用矯正と細菌利用矯正の両方とも、元素状水銀の大気への拡散を引き起こすものであり、科学技術者と政府の規制担当者達によって促進されているところである。そのような「矯正法」は全く矯正ではなくて、それは1つの場所から問題を他の場所へ動かしているだけである! 実際には、それは、留保された汚染の場所から、水銀を、都市の街路へ、魚と飲料水を与えてくれる川や海に、移動させているだけである。


注釈

1. Williams P. UGA researchers involved in first trial using transgenic trees to help clean up toxic waste site. University

of Georgia News Release Sept. 11, 2003 http://www.uga.edu/news/

2.Cummins J. "GM trees alert" Science in Society 2002, 16, p.33 Pacyna E. and Pacyna J. Global emissions of mercury from

anthropogenic sources in 1995, Soil, Air and Water Pollution 2002, 137, 149-65

3.Renneberg A and Dudas J. Transformation of elemental mercury to inorganic and organic forms in mercury and hydrocarbon co-contaminated soils. Chemosphere year? 45, 1103-9

4.Rugh C, Wilde H, Stack N, Thompson D, Summers A and Meagher R. Mercuric ion reduction and resistance in transgenic Arabidopsis thanliana plants expressing a modified mer A gene. Proc. Natl. Acad. Sci USA 1996, 93, 3182-7

5.Heaton A, Rugh C, Wang N, and Meagher R. Phtoremediation of mercury and methyl mercury polluted soils using genetically

engineerd plants. Journal of Soil Contamination 1998, 7,497-509

6.Kramer U and Chardonnens A. The use of transgenic plants in bioremediation of soils contaminated with trace elements.

Applied Microbiology and Biotechnology 2001, 55, 661-72

7.Wagner-Dobler I. Pilot plant for bioremediation of mercury-containing industrial wastewater. Appl. Microbiol Biotechnol 2003, 62, 124-33

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Author:事務局 : 2003年09月24日 13:04