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2003年10月28日

■ビル・ゲイツ慈善団体とGM産業とのコネクション

■ビル・ゲイツ慈善団体とGM産業とのコネクション
ゲイツのGM研究基金が論争を巻き起こす
農民と学者はこの動きに反対している

Gate's GM research fund stirs debate: Farmers, academics oppose move
-DAWN - International; 17 October, 2003
Gate's GM research fund stirs debate: Farmers, academics oppose move
By John Vidal


ビル・ゲイツのGM研究基金が論争を巻き起こす
農民と学者はこの動きに反対する

ロンドン発:ビル・ゲイツは、IT帝国の巨大な利益があるので、公共の善行をしたいと望んでいて、ここ数年にわたって、彼の財団は65億ドル以上を多くのグローバルな重要な事に与えてきた。そのお金は、社会的に有益で、一般的に賢明な方向に向けられているので、よく受け取られてきた。しかし、今週は、ゲイツ財団、世界最大の博愛組織、は、厳しく批判された。世界の貧困者のためのビタミンとたんぱく強化された種子を開発する為に、2500万ドルをGM研究に与えたからだ。科学的な状況では、これはたくさんのお金ではないけれども、それは、ほんの最初の分で、GM会社が言うGM作物の第二世代、普通の人々に潜在的に真に有益なもの、を刺激する事が予期されている。

ゲイツは、国際的な慈善団体、農民団体、ヨーロッパ、インド、その他の地域の学者達によって、厳しく非難された。彼等はこう主張した。そのお金は、世界的な飢餓の根本原因、貧困に対処する事には行かないで、非常に貧乏な人達にはほとんど役立たない農業を促進する事に使われていく。彼はさらに次のようにも告発された。GM産業界が貧しい国にバイオテクノロジーを入れるため、「トロイの木馬」として空腹を悪用しているが、彼はその産業界によって取り込まれている。彼の財団、と彼のお金を使う研究組織は、貧乏な人達がビタミンと微量栄養を緊急に必要としていると言って、またGMが最貧困者に選択を与えるのだと主張して、すべての非難を否定している。

しかし、現在ゲイツ財団の食物計画が米国の大企業と米国政府の興味によって具体化されていると信じる理由がある。ゲイツ財団は、最近ケニアの前モンサント科学者をその取締役会のうちの一人に任命し、昨年は、最大最高利潤たばこ企業、フィリップモリスの子会社、クラフト食品社のビタミンを慣例的に育てられた食物に追加するプログラム、に参加した。

ゲイツは、さらに、彼の最新のベンチャーに、米国農務省とUSAID、ワシントンの海外援助組織、と、組むことをさらに選んだ。この二機関は世界で最もアクティブなGM支持組織である。また、資金と研究で支援しているのに、政府の生物工学援助金から利益を得ているいくつかの米国政府団体と大学がある。他の主要な金融パートナーは世界銀行であり、それは貧しい国へのGMのコストと利点を検討している。

しかし、ゲイツの金は、グローバルな面で、ほとんど誰も知らないが、最も論争がある組織のうちのいくつかに向けられている。関連の研究は、主に「熱帯農業国際センター」と「国際食物政策方針研究所」で行なわれている。両方とも、国際農業研究協議団体・Cgiar(Consultative Group on International Agricultural Research)に関するほとんど知られていないコンサルタトントグループの一部である。16になるグローバルな公的団体のこのファミリーが、貧しい農民のための世界最大の公的な植物栽培計画を構成していて、世界の農業の方向に絶大な発言力を持っている。しかしCgiar の組織は、2つの主要な資金源、米国政府と世界銀行の産物であるといって、広く告発を受けている。世界銀行は、米国によって支配されていて、Cgiar の事務局だけでなく、その現在の会長も提供している。

アクセス可能性という点では、Cgiar は、WTOよりほんの少しましなだけである。それは、銀行のオフィス外で、一度だけ年次総会を開催したことがある。それは、タイで昨年行なわれたが、反対する大きな抗議行動があった。国際と地元の農民の団体によるもので、研究に対するトップダウンで、誰でも均一サイズアプローチを推進して、農民と先住民の知識と経験を無視しているという、不満をだしていた。Cgiarの公的な研究は、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ、ヨーロッパの諸NGOがいうには、ひっそりと大企業化されて、ワシントンで集中化され、発展途上諸国の農民からは、かけ離れたものになりつつある。彼らはこう主張する。Cgiar は、高生産と化学薬品依存作物を導入した1960年代の「緑の革命」を促進して、今度は、GM食物を開発するために、またもそのテクノロジーが最も影響する人々に相談もせずに、巨額の公的な資金を用いている。

世界中の数億の小農民は、主に大企業農業に行く米国やEUの補助金と競争できない危機のなかにあって、ゲイツの基金がほとんどの農民と無関係なところをサポートすると見られている。これは、貧乏な農民へのさらなる痛撃であり、特権を持った大きい科学により支配された広く問い質されているテクノロジーを承認する事になる。Cgiarはこう述べている:その仕事は一般大衆の為であり、公共の為の奉仕者によってなされている。圧力を持つGM会社の力には、気づいている、という。

しかし、Cgiar のGMの支持は、正直な研究をずっと逸脱している。昨年、Cgiar は、その理事会にSyngenta財団を招聘して、論争を引き起こした。この慈善の、名目上は独立な組織は、世界で最大のGM会社により所有されていて、国際開発省で働いていた元英国公務員によって動かされている。インサイダー達は、ゲイツ財団が地位をあたえられるのは、たんに時間の問題であると信じている。

しかし、何故ゲイツ財団がCgiar のような小さな、名のない組織に興味をもっているのか。その1つの答えは、それが、世界農業の方向を強く影響すると言う事を別にすると、600,000以上の種子を管理している所だからである。それは、「自然の集合的な富および世界の食物のセキュリティ」と呼ばれているものである。これまで育てられたほとんどすべての作物は、保管されていて、特許未取得である遺伝子の銀行は、ただ食物のためだけでなく、また医学のために、巨大な潜在的な富を生命科学会社に対してもっている。

すでに、多くの所がパートナーシップの件を検討している。ビル・ゲイツの財団は、グローバルな栄養不良と食物セキュリティの混濁した世界にとっては、無垢な新来者のように見える。困った事には、世界舞台へ彼の財団は増大する影響力があるので、大衆の利益に関心のない目標を持っている人々にとっては、重要なターゲットになるのである。

The DAWN Group of Newspapers, 2003

Author:事務局 : 2003年10月28日 13:41