« ■ヨーロッパをGM無しに維持する | メイン | ■米国でも遂に狂牛病が起きる »

2003年12月19日

■メイン州農民の宣誓:乳牛に人工ホルモンを使わない

■メイン州農民の宣誓:乳牛に人工ホルモンを使わない
遺伝子転移牛用ホルモン、ソマトトロピン(RBST)を売るモンサント社との闘い
「ホルモン入れてるか」

巨大農薬企業がメイン州の小農民を告訴して、牛乳ラヴェル表示問題が沸騰する

 未舗装道路の奥に、うねって広がる原野に囲まれて、ジョン・ナッティング氏の農場は静穏な風景そのものである。冬の微風が森を通っていく。白と黒のホルスタインはゆったりと干草をかんでいる。赤い納屋の上に打ちつけられた、大きな横断幕だけが、メイン州の酪農王国の挑戦的な気分を証明している。「私達の誓約…人工ホルモンは使いません。」ホルモンはこれらの地域ではホットな話題である。メイン州のミルク生産者の少なくとも85%と同じで、ナッティング氏は、毎年遺伝子転移替え牛用ソマトトロピン(RBST)、遺伝子設計成長ホルモン、を彼の雌牛に注入しないという宣誓書に署名をしている。この第三世代目の酪農業者はこう述べている:「私達は、私達が進める酪農方に誇を持っている。消費者は、どのように自分達のミルクが作られるかを知る権利を持っている。」

 だが必ずしもそうではない。食物の戦いがニューイングランドで噴き出している。自分の産物に適切だと考えるラベルを付ける人達と、そんなラベルの一部が顧客に間違った印象を与えると主張する人々との間の闘いである。後者の中の大物はモンサント社、ニューイングランドで RBSTを市場にだしている農業用薬品の巨大企業である。同社はその製品に対する消費者の抵抗を鎮圧するために後衛での闘いを進めている。多国籍企業、セントルイス、(モンサント)は、メイン州がその公式な品質シールを中止するように要求した。そのシールはホルモン注入をしていない雌牛のミルクにだけ許されるものである。メイン州政府がそれを断った時に、モンサントは別の作戦を取り、ボストンの連邦裁判所でメイン州の主な酪農場のうちの1つを提訴したのだ。その訴訟相手は、オウクハースト酪農社、ナッティング氏のミルクを買っている会社で、人工ホルモン無注入誓約を広告して、そのミルクがより安全で、より健康である事を示唆して、消費者を誤導していると、モンサントは主張している。ジャニス・アームストロング、モンサントの消費者ディレクターは、「ミルクはミルクである」と述べている。

 これは、10年以上激しく続いている戦いの最新の章のお膳立てをしている。批判者達は、研究は結論を出せないでいるが、合成牛用成長ホルモンを使用する事は、尚早思春期現象または癌のような健康危機をもたらす、と主張している。しかし、食品医薬品局(FDA)は1993年にRBSTを承認する前に、この問題を研究をしていた。その時、FDAは、実験ではホルモン処置された牛と非処置の牛からのミルクの間には意義ある違いが示されなかったと報告した。消費者連合と食品安全センターを含むいくつかのグループは、そのテストには実際に心配な違いが出ていた、だが食品医薬品局がデータを間違って解釈した、と、述べている。遺伝子組み替え(GM)食物に反対するキャンペーンをしている活動家達は、米国に、ヨーロッパとカナダがしたように、RBSTを直ちに禁止してほしいと願っている。メイン州の場合は、副司法長官フランシス・アッカーマンはこう述べている:「私達は、残念だった、ではなくて、安全であるほうがよいのだ。」彼はオウクハーストを代表して、仲介すべく州の申し立てを準備しているところである。

 今日では、米国の酪農牛のうちの三分の一にはRBSTが注入されていて、それは、15%多いミルクを生産するように雌牛に刺激を与えている。ラベル付けに関する訴訟により、バーモント州のホルモン入り明示法律を撤回させた、またイリノイ州とテキサス州では、RBSTなし、としてミルクを売り込む事をやめさせた。今年早くには、食品医薬品局は、フロリダ、ニューヨーク、ニュージャージ、ミネソタの生産者に対し、「無ホルモン」、または「ホルモンなし」と言うラベルを使うことを止める様に警告をだして、戦いを取り上げた。

 しかし、同局は、オウクハーストのような「人工の」または「合成の」ホルモンを避けている農夫にだけ言及するラベルについては何も言っていない。モンサントは、オウクハーストがベン&ジェリーとストウニィフィールド農場に倣ってほしい。そこの非合成ホルモンラベルは、食品医薬品局のRBST承認に留意している言葉使いをしている。しかし、スタンレー・ベネットは、オウクハーストを1921年に2頭の馬から8500万ドルの現代のプロセッサー社にたたき上げた一家だが、47億ドルのバイオテク大企業の「いいなりにはならない」と言う。彼はこう述べている:「私達はミルクを売るビジネスをやっているので、モンサントの薬を売っているのではない。」

 メーン州のミルクに関したこの戦いは言論の自由についてなのか?または、多くの製品を売るために脅し戦術を用いる酪農牧場に関してなのか。モンサントのアームストロングは、こう述べている:「オウクハースト社のマーケティングキャンペーンは事実よりも嚇しに基づいている。」消費者グループはこう述べている:「もし農夫が、自分のミルクを人工ホルモンがない雌牛から来るミルクとしてラベルを付けができないなら、それは、「MSGなし」、「人工風味なし」、「放し飼い」、「GMなし」のようなポピュラーなラベルを是としない事の、先例をつくってしまうことになるだろう。」

 メーン州の司法長官スティーブン・ロウは、1月に提訴が法廷に行く時には、バーモント、ニューハンプシャー、マサチューセッツ州に彼がモンサントと戦うことを助けてくれるように頼むことを計画している。彼はこう言う。「ニューイングランドの私達は純粋なものに賛成である。食品医薬品局は人工成長ホルモンで問題がないのかもしれないが、多くの消費者には問題があるんです。」この態度は、ナッティングのような農民が頼りにしているものである。


参考資料
DTIME.com: Got Hormones? -- Dec. 22, 2003
H E A L T H
Got Hormones?
The simmering issue of milk labels boils over when an agrochemical giant sues small farmers in Maine
By MARGOT ROOSEVELT LEEDS
Monday, Dec. 22, 2003
From the Dec. 22, 2003 issue of TIME magazine

Author:事務局 : 2003年12月19日 14:38