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2004年02月12日

■狂牛病と米国畜産残骸処理事情

■狂牛病と米国畜産残骸処理事情
動物性タンパク飼料の全面禁止が専門パネルによって食品医薬品局FDAへ提言されるレンダー/
RENDER(永久注~脂肪等抽出のため加熱加圧処理する―)される畜産廃物の処分問題

 狂牛病の発症例がワシントン州で発見されて一ヵ月半経って、アメリカ人は、この国の牛がどんな飼料をずっと食べさせられてきたのか、知りたくない事まで、分かってきている。消費者達は、子牛と雌牛が牧草をむしゃむしゃ食べている牧歌的な場面を想像するかも知れないが、アメリカの農業の多くはもうそんなふうには進んでいない。もう何年もの間、子牛は、ミルクの代わりに雌牛の血を飲まされ、牛の飼料は、鶏舎からの、羽毛、こぼれた餌、排泄物さえも含んでいるコンポスト化された廃棄物を含む事が許されている。ほとんどの人達は、先週まではそのそうなやり方を聞いた事がなかった。先週食品医薬品局がそれらの慣行を、狂牛病を広める可能性があるといって、止めさせた。しかし、食品医薬品局は、牛の飼料を作るのに動物の残骸を使うことを含む他の習慣を禁止していない。

 米国は、1990年代に雌牛の体の部分を牛の飼料に使うことを禁止したけれども、まだ、雌牛から出た残骸処理物を豚と鶏に与えるのを許している。そして、今度は、豚と鶏の残骸処理物が牛に与えられている。批判者達は、この堂々巡りが、理論でいっても、狂牛病をグルットめぐって牛へもたらす事になる、と言っている。水曜日には、政府へ助言する専門家パネルが、牛の飼料にいかなる動物の残骸使用も禁止するよう要求した。欧州連合にはそのような規制があるけれども、アメリカにはない。さらに牛の産業界は、米国でのリスクを誇張していると、助言パネルを批判している。ヨーロッパは、科学者達が、感染した動物、特に病気の牛からの脳または脊髄からの組織、が、病気を感染させることを疑ったので、動物の残骸が牛の飼料に入るのを禁止した。汚染された飼料が、1980年代に英国の180,000等以上の動物を感染させ、140人以上の人々に死をもたらした狂牛病を起こしたのだと広く信じられている。

 牛の飼料からすべての動物性たんぱく質を除去するこのパネルのアドバイスを受け入れる合衆国によるどのような決定があっても、畜産業界の別のまだ話題の中心になっていない部門へ大きな影響があるだろう。その部門は、レンダリング業界、即ち、産業規模で行なわれている家畜の残骸加圧処理である。レンダー処理された家畜残骸から引き出されるたんぱく質補足素材は、家畜が体重を増やし、多くのミルクをださせるために飼料に追加されるものである。どんな種類の処理された動物の残骸が、牛の飼料に入れるかの決定は、食品医薬品局によって決められる。スティーブン・サンドルフ博士、同局の獣医学センター所長、は、ブタまたは鶏が狂牛病を伝染させるという証拠はない、と言った。彼は、F.D.A. /食品医薬品局は、牛飼料の規則をもっと厳密にすべきかどうかを決定するためエキスパートパネルのリポートをもっと研究する必要があると、言った。彼は、その新しいリポートが、食品医薬品局が依存してきたハーバード大学の研究者達の2001年のリポートと、非常に違う結論を出している事に、注目をしている。

 サンドロフ博士は、こう述べている:「この新しいリポートが出されたとき、私は、このパネルの委員会にこう頼んだんです。『私に力を貸して下さい。私は科学に決定の基礎を置く規制担当者です。それで今、私は、2つの非常に違う科学的な見解に直面しています。』私達は、先週私達が決めたものと違う何かの決定をするには、その根幹にあるものを見つけ出す必要があります。」 ゲーリー・ウェーバー博士、全国牧場牛肉連合の規制事項の常任監督、は、牛産業界は、飼料慣行の変更を、もしFDAが必要だと決定すれば、行なう用意ができていると、述べた。

 ウェーバー博士はこう言った。彼は米国の牛の何パーセントが、動物タンパク補助飼料を与えられているのか、分らない。彼は言こう言った:「肉牛サイドでは、動物性たんぱく副産物飼料の必要は決して高くはなかった。しかし酪農産業においては、牛乳生産量のハイレベルを支える為に、業者は、これらのたんぱく質が必要で、高い生産性の乳牛ではそれが重要であると、感じていた。」 酪農業者は、大豆たんぱく質に切り換えることができる、だが、それは同じようにはうまく行っていない、と、ウェーバー博士は言った。

 トム・コック、バージニア州、アレクサンドリアが本拠の全国レンダー業協会会長、は、こう述べている:彼の産業がこの問題を政府高官と話し合いをしている最中で、どんな変化が必要か、その影響はどうなるのかを定めようとしているところである。レンダリング産業は、30億ドル産業であり、約240のプラントが米国とカナダにあり、年間約500億ポンドの動物残骸を処理している。レンダリング処理は、肉骨粉をはじめ、タロウ脂と獣脂を含む脂肪を産出する。脂肪は、石けんや潤滑油にされ、また、いくつかの動物飼料に混入される。肉骨粉のほとんどは動物のための飼料補助に使われている。43パーセントが家禽に行き、23パーセントがペットフードに、13パーセントが豚に、10パーセントが牛に行き、11パーセントがその他にいく。その他には、養魚場の飼料が含まれている。

 クック氏はこう言った。もしそれが動物飼料から除外されるならば、レンダ―処理された素材はその価値を失うであろう。だがそれでも、畜産の残骸は、最良処分方法であるので、レンダ―される必要があると、彼は付言した。彼は次の様に述べた。「その素材は依然として処理される必要がある。もしそれがレンダーされなかったら、置く場所が必要で、多くの埋立地を作らなければならなくなる。それは、レンダリングに較べ、安全ではなく、また環境上許容できない処分方法である。そして経費が誰かに負担される必要があり、私は誰にしたらよいのか分らない。」


参考資料
NYTimes: Home - Site Index - Archive
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Mad Cow Quandary: Making Animal Feed
By DENISE GRADY

Published: February 6, 2004

Copyright 2004 The New York Times Company

Author:事務局 : 2004年02月12日 16:35