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2004年02月10日

■懲りないブレア政権の民意無視

■懲りないブレア政権の民意無視

英国政府初のGM作物許可声明をウエイルズとスコットランド行政機関が阻止する
 英国政府は、ウェールズとスコットランドが協力するのを断ったので、英国でのGM作物の進行許可を発表する計画を今日延期せざるをえなかった。この声明は、原則的に、英国での最初のGM作物を許可する予定であった。これはGMトウモロコシの品種で、Chardon LLまたはT25と呼ばれるもので、バイヤー社によって特許が取られている。この作物は3年間の作物栽培トライアルにおいてよい状況であった。有機農業を養育することを切望しているウェールズ行政局は、農民保護の決意が硬く、この作物に許可を与えることを拒絶した。スコットランドのChardon LLへの反対は、このトウモロコシが暖かな天候の作物であり、だれもスコットランドでは栽培しないので、ウェールズ程には大声ではなされなかった。

 しかし、スコットランドの行政局も許可を拒絶した。英国政府は、イングランド地区だけでこのトウモロコシの栽培に青信号を与えることを考慮していた。しかし、ウェールズの行政局は、英国の規制条令が、もし他の二国が同意する場合にのみ、一方の国で特定の作物を栽培できることを定めていることを指摘した。今日の声明の延期は政府にとって悪い時期に来ている。2月18日に、GM作物のEUモラトリアムを終えるかどうかをブリュッセルで票決が行なわれるからだ。

 英国政府は、ヨーロッパがGMの輸入と栽培に開かれているべきだと信じていて、票決の前に最初の英国での作物に進行許可の声明を出すことを希望していた。ウェールズとスコットランドの分権化された行政機関がGMトウモロコシの早期導入への唯一の障害であるわけではない。政府の弁護士達は、GM作物栽培のためのEU規制条例の言葉使いに、次の事を意味しうるのが分かってきた。GMトウモロコシが従来の作物の近くに栽培されるのを許す環境省の意図は、汚染から近くの農民を十分に保護しないので、法律上の挑戦を受ける事になるかもしれない。

 この危機に対処するため、生物工学の内閣小委員会が問題解決に向けて明日召集されることになっている。この委員会は、ジャックストロー、外務大臣、が議長で、ジョン・リード、健康大臣、アンドリュー・スミス、労働大臣、を含む。環境大臣、マーガレット・ベケット、は、議会に政策説明をする予定になっているが、GM支持の大臣が圧倒するこの委員会へ問題の説明をする。科学大臣、セインズブリー卿も出席するが、票決には参加しない。2人のGM支持アドバイザー、デイビッド・キング、政府チーフ・サイエンティスト、およびジョン・クレブス、食物標準局議長、も出席する。

 GM作物と従来品種間の交配に関するEU規制条例の表現のなかに予期しなかった命綱があり、GM反対者達に投げられている。産物を非GMとして売るためには、それはGM含有が0.9%以下でなければならない。英国政府は、トウモロコシ花粉は容易には広がらないので、GMトウモロコシが、この制限枠を超えるリスクなしで、従来品種にかなり接近して栽培できると、信じていた。しかし、EUの規則は、各メンバー国は、汚染を、GMが検出できるレベルである0か0.1%以下に保持する努力をして、GMと非GM作物の共同存在の規則を定めなければならないと、規定している。政府弁護士達は、もしそれに応じて政府が隔離距離を設定しなければ、政府が法律上の挑戦を受けておそらく負ける事になるだろうと、
信じている。


参考資料

Wales blocks go-ahead for Britain's first GM crop
Paul Brown, environment correspondent
Monday February 9, 2004
The Guardian

Guardian Unlimited. Guardian Newspapers Limited 2004

Author:事務局 : 2004年02月10日 16:40