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2004年02月02日

■米企業Ventria Bioscienceによる薬剤用GM米の栽培がはじまる

■米企業Ventria Bioscienceによる薬剤用GM米の栽培がはじまる
 ―その危機と背景

薬を生産するために特別に設計されたGM作物が、初めて商業的に育てられる。アメリカのバイオ企業は、この春、遺伝子修正された米で下痢を治療する薬の生産を始めることを計画している。その提案が、先週カリフォルニアの監督官庁により査定された。しかし当局はそれを栽培することを止める力を持っていない。この米は二世代目のGM作物の導入になるだろう。この事は、すでに世界中で議論を起こしているこれまでの作物以上に、いっそう強く意見が分かれていくだろう。現在のGM作物と違って、それらは数百万人の人々に実際役立っていくかもしれないが、しかし、ずっと大きな健康へのリスクを呈する事になる。

 英国の環境食物郷土風物省の上級官吏は、その危険が大変大きいので、英国ではその新しい作物が栽培されるべきではないと、信じている。しかし、首相官邸筋はそれを用心深い言い方で支持した。植物のなかで薬を育てる可能性―pharmingと言われるもの―は、何年間も研究されてきた。科学者達が実験室でいくつかの普通の食物のなかで、広範なワクチンや他の薬を開発してきた。しかし、現在、サクラメントにあるヴェントリア・バイオサイエンスは、新しく、ラクトフェリンとリゾチームを作り出すGM米の2つの品種を130エーカーに植え付けて新境地を開こうとしている。ラクトフェリンとリゾチームは同社が市場化を目指す感染抑止化学薬品であり、激しい下痢を治療するめに口径再水和作用製品に使用するためのものである。

 同社はこう述べている:これは、最低65万人の病気の子供を治療する十分なラクトフェリン、と、650万人の患者治療のため十分なリゾチームを生成できるだろう。同社は、数年内に1,000エーカーまで生産を拡張することを望んでいる。同社は、抗議者が破壊することを恐れて、この新しい作物に充てた栽培サイトを明らかにしていない。しかし、この計画はすでにカリフォルニアの米栽培業者に警戒を引き起こしている。有機栽培農夫は、特に、GM米が彼等の作物を汚染するする事を恐れている。同社は、「リスクは無い」と言っている。

 木曜日に、この件の議論が「カリフォルニア米委員会」のミーティングで交わされた。同委員会は、このGM米が育てられる条件のプロトコルを作成している。しかし、ティムジョンソン、同委員会委員長、は、日曜日にインディペンデント紙に、カリフォルニア米委員会もその報告を受ける農業長官も、この米が栽培されるのをやめさせる力を持っていないと言った。彼はこう言った。カリフォルニア米委員会は、その代わりに、警戒策を考え出すことに専念している。例えば、リスクを最小化するために、GM米が従来の作物から離される距離に就いてである。

 GM米の化学薬品は相対的に穏やかである―それらは母乳に発見されている―しかし、それらの薬品は一連の強い薬品への道を開いていきそうである。例えば、科学者達は、ジャガイモ、トウモロコシ、小麦、米、アルファルファ、ニンジン、トマトの中に、ハシカからB型肝炎に及ぶ病気を治療するためのワクチン―さらに癌と歯のカリエスを治療し、避妊剤を与え、生殖器のヘルペスを防止する、諸抗体―を開発した。同社はこう言う。その植物は、「命を脅かす病気と戦う治療用のたんぱく質を製造する『工場』になっている。」 さらにこう述べている:「生物工学の利用を通じて改善された」植物は、病気の革新的治療のためのタンパクを生産できる。それらの病気には、癌、HIV、心臓病、糖尿病、アルツハイマー病、腎臓病、クローン病、嚢胞性繊維症、多くの他の病気が含まれている。

2004年2月2日 08時49分
* 2004 Independent Digital (UK) Ltd


参考資料

Independent 01 February 2004

GM rice to be grown for medicine

By Geoffrey Lean, Environment Editor

Author:事務局 : 2004年02月02日 16:14