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2004年03月22日
■オーストラリアGMカノーラ研究実験栽培の行方
■オーストラリアGMカノーラ研究実験栽培の行方
ニューサウス・ウエルズで農民が遺伝子組み替え作物の汚染に対し法的な保護を受ける約束をされる
ニューサウス・ウエルズ(NSW)では、遺伝子組み替え食品作物は、農夫が、汚染の可能性に対して法律の保護を与えられるまで、植えられる事はない、と、農業大臣、イアン・マクドナルド、が 昨日述べた。マクドナルド氏の諮問評議会は、水曜日に、NSWが3,500ヘクタールの遺伝子組み替えカノーラ油を研究栽培するという農薬の巨人、モンサントとバイヤー社による申請を許可する事を推奨した。これは、オーストラリアでは最初の種類のものである。連邦農務省からの諮問評議会への法的助言は、以下の提案をしていた。遺伝子操作品種によって自分達の作物が汚染されたと気付いた農民は、メーカーの知的著作権を侵犯しているか、またはGM産物を不法に使用している事にされるかもしれない。こんな事は、受け入れ不可能であると、農業と環境の組織は、言っている。
しかし、マクドナルド氏は、昨日議会でこう述べている:彼は、どのような可能な法的措置からでも農民が保護されているという満足ができるまでは、諮問評議会の推薦については何らの決定もしない。マクドナルド氏は言った。「私はそれを完全に明確にしたい―いかなる実験栽培も、私達の農民が保護されるという保証ができるまでは、青信号は与えない。」 彼は、連邦政府、さらにカナダ、ニュージーランド、米国の各政府は、民法が農民を十分に保護するということを認めている、と、言った。GM品種による作物の可能な汚染のため起きるどのような問題への賠償責任を政府が認めた先例は全くない。しかし、もし汚染が起こるならば、誰に法律上の責任がある事になるのかについての懸念がでている。マクドナルド氏は、政府か、あるいはGM種を生産している会社か、そのどちらに、トライアルへの責任があるのかを、明示してはいない。
2001年に、カナダの連邦裁判所は、カノーラ油の農夫、パーシー・シュマイザー、が、ライセンスなしで遺伝子組み替えカノーラ油を栽培し販売することで、モンサントの特許権を侵害したという、裁定をした。彼は、その種子が近くのフィールドからか、または通過中の農場のトラックから、吹き飛ばされてきたものだと、主張したが、認められなかった。彼は、損害賠償で、150000ドル以上を支払うように命じられた。オーストラリアの立法府協議会が、汚染の責任問題を解決するために、国民党リーダー、ダンカン・ゲイにより出された動議を討論していた最中に、マクドナルド氏の声明が発表された。
ゲイ氏はこう述べている:「農民達は、このトライアルのどのような詳細に関しても、なんの相談もされていなければ、もし何らかの汚染が起きても、金銭的に責任があるとすることは期待できないことである。私が、主な受益者になろうとしている会社がその責任を取るべきだと感じている事は、周知である。しかし、私達は、その責任に対応するのに他の方法があるかもしれない、と言う事は、進んで受け入れてもよい。」緑党の国会議員、イアン・コーエンは、こう述べている:「マクドナルド氏の保証では、十分ではない。メーカーはすべての責任を負うべきで、そしてそれは、未来に生じる消費者のためのどのような健康問題も含むべきである。諮問評議会は今月末までにトライアル栽培の可能な結果に関する推奨を発表しなければならない。」
参考資料
The Sydney Morning Herald.
Farmers promised legal protection over GM
By Stephanie Peatling, Environment Reporter
March 19, 2004
Author:事務局 : 2004年03月22日 14:23