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2004年05月20日

■GM食料と飼料は「人にも獣にも」相応しくない

■GM食料と飼料は「人にも獣にも」相応しくない
 GMO安全性の科学的証拠の履歴と現状を検証する

メェ・ワンホウ博士とジョウ・カミングズ教授が、GM食料と飼料の安全にかんする一連の最近のスキャンダルの背景にある科学的な証拠を検証する。彼等は、公的な規制過程にある欠陥を暴露し、遺伝学的に不安定な、したがって安全でないだけでなく不法なGM品種を承認しようとするEUの危険な状況に照明をあてている。彼等は、人間と動物の消費に不適であるGM作物が食料チェインに入るのを許してきた科学の濫用への徹底した検証を要求している。この論文は、2004年4月29日に、英国下院議会で出されたISP( Independent Science Panel)報告書に依拠している。

 最近の出来事はGM食品の安全性に疑惑を生んでいるヨーロッパ食物安全オーソリティ(EFSA)は、モンサントのGMトウモロコシ、Mon863に、肯定的な評定を与えた。Mon863は、トウモロコシの根を食う害虫に対するバイオ農薬、Cry3Bb1、を含くんでいる。しかし、フランスの新聞、ル・モンド[1]が見た秘密文書には、以下の事が示されていた。このGMトウモロコシの健康へのインパクトを、「非常に問題があるもの」として、遺伝子工学(CBG)フランス委員会の科学者が述べていて、腎臓奇形、雄ねずみの白血球増加、雌ねずみの高血糖と未熟な赤血球の減少が含まれていた。昨年は、GMトウモロコシ栽培地の近くに住んでいたフィリピン南部の100人にも上る村民が、GMトウモロコシが開花する時期に、体の衰弱を起こす症状に罹っていた。ツロムスの遺伝生態学ノールウエイ研究所のテルジェ・トュラヴィク教授は、39人の村民[3]の血液中にメイガ虫に対してGMトウモロコシにより作られたCry1Abへの抗体を発見した。このトウモロコシの品種はDekalb818 YGで、モンサントのMon810と地元で適応された(Dekalb 818)の間のハイブリッドである。今年も同じ病気が再発している報告がで入ってきている[4]。

 有害であると知られているBt毒素Cryたんぱく質、それらのうちの数十、は、Bt毒素とまた呼ばれている。なぜなら、それらは、土壌バクテリア、バシラス-スリンジエンシス[5と6]の異なった株種によって生産されているからである。科学文献に出ている報告は以下の事が文書に記録されている。異なった毒素の混合物を含む、Bthuringiensisの細菌胞子が農場労働者にアレルギー反応を起こすことができる;一部の毒素は動物に免疫原性があり;特にCry1Acは、コレラ毒素に負けない強力な免疫原性があると確認されている;ねずみの小腸内壁の細胞は毒素にバインドするたんぱく質を持っている[7];さらに、Cry1Abたんぱく質はブタでは92%が消化されていない[8]。

 Bt作物規制のインチキ
Bt毒素の発見事例は、インチキとしか言いようがない規制プロセスで完全に無視されてきた[5]。さらに悪い事には、作物のBt遺伝子は、自然に起こる細菌遺伝子とは重要な違いがあり、合成かまたはハイブリッドの構成要素である。だが、毒性テストは、決まって自然の毒素を使ってなされていて、GM作物植物にできる毒素でのテストではない。その結果は、GM作物のBt毒素は完全には知られてなく、毒性をテストされる事がないままである[5と6]。

 自然な毒素は、GM毒素と同じではない、あるいは「実質的に等価である」という証拠がる。緑色クサカゲロウは、かなり生き残りができなくなり、発達が遅れてしまう。これが起きるのは緑色クサカゲロウがBt毒素、Cry1Abを含んでいるGMトウモロコシを食べた害虫(りんし類)を食べさせられた場合で、自然な毒素[9と10]のずっと高いレベルで処理された同じ害虫を食べさせられた場合にはそうならない。これは、食物連鎖を通して伝えられる極めて重要な効果である;そして、これはいくつかの実験所で文書記録されている。あいにく、研究者達は、その結果を誤り伝えて、Cry1Abが有益な捕食昆虫を害さないとしている[11]。

 すべてのGM遺伝子は自然な遺伝子と異なるGM有機体に挿入されるすべての外部からの遺伝子は、それらの自然に対応するものとは違っている。最小の構成は、プロモーター、細胞に「たんぱく質を作るため以下のメッセ―ジ(遺伝子またはコード配列)をコピーせよと言う遺伝子スウィッチ、そして別のシグナル、タ-ミネイター、「ここで止れ、メッセージの終わり」と言うもの、から成っている。すべての3つの部分は、多く異なったソースからきている。その遺伝子自身もまた、実験所で人工的に作られた、異なったDNAで合成されたものである場合が多い[12]。

 一般に外からの遺伝子を働かせるのは用意ではない。従って、非常に攻撃的なプロモーターが必要である、文字どおりに、たんぱく質を作るのを細胞に強制する事が必要である。カリフラワーのモザイクウイルス(CaMV)35プロモーターが、最もよく使われているものであり、多様なソースからの他の『ブースター』によって多く付随されている。例えば、Mon863は、AGBIOSデータベースに次のように説明されている[13]:「 導入されたDNAは、4-AS1プロモーター(作動配列連鎖の4反復があるCaMV 35プロモーター)のコントロール下のB.thuringiensis subsp.kumamotoensis からの修正cry3Bb1遺伝子を含んでいた。それにプラス、たんぱく質(wt CABリーダー)と米アクチンイントロンをバインドしている小麦葉緑素a/bの5' 未翻訳リーダ配列。転写終了配列は、小麦17.3 kD熱ショックたんぱく質(tahsp17)の3'未翻訳領域から提供された。修正cry3Bb1遺伝子は、653アミノの酸のたんぱく質をエンコードしている、そしてそのアミノ酸配列は、ポジション2のアラニン残留物の付加と7のアミノ酸変化によって野生タイプたんぱく質のそれとは異なっている。」 このように、異なった起源からの9ビッツのDNAがある。これは、自然な遺伝子から全く実質的に変更されたコード配列を含んでいる。

 GMのプロセスは信頼できず、制御不可能であるそれだけではないのである。人工的な構成要素は遺伝子キャリアまたはベクトルに、さらに、接合されていき、ゲノムにランダムな結合を起こす侵略的な方法によって細胞に導入されていく。これは、動物に酷い異常を含む、予測不可能な、ランダムな効果を生み、さらには食用作物に意外な毒素とアレルゲンを起こさせる[14]。

 遺伝子転移の株種は、特定のGM DNA結合が起きる単一の細胞から実質的に再生されている。個別の出来事は違う種を生じさせる。言い換えれば、質の管理の可能性はない。この問題は、転移遺伝子の種の圧倒的な不安定性によって酷くなっている。なぜなら、違った起源のDNAから作り上げられた人為的な構成は、弱い傾向がある、特に、フラグメンテーションや再結合ホットスポットを持っているのが知られているCaMV 35プロモーターのような要素を含むならば、なおさらである。(後述参照)

 遺伝子転移種は圧倒的に不安定である
私達は遺伝子転移ラインの不安定を、「最もよく隠された公然の秘密」と呼んできた。なぜなら、誰もがそれを何年もの間知っているが、何も言わない事に合意していてからである。他方監督機関は見ない振りをしてきた[15]。メンデル比から逸脱できない事に依拠した遺伝子安定性の主張は、メンデル遺伝学的な証拠、すなわち遺伝子安定性の兆候、として広く受け入れられてきた。しかし、そのような主張は多くの理由でたわ言である。第一に、『メンデル比』は、違った種の交配から予測される子孫の異なったクラスの割合を指している。それは、メンデル遺伝が真実であると仮定する事に依存している。だから、特定の比率からの逸脱は、求めるレヴェルの意味合い( 5%で)を得る相当多数の子孫が必要なのである。


参考資料
The Institute of Science in Society
Science Society Sustainability http://www.i-sis.org.uk
General Enquiries sam@i-sis.org.uk Website/Mailing List
press-release@i-sis.org.uk ISIS Director m.w.ho@i-
sis.org.uk
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Author:事務局 : 2004年05月20日 10:48