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2004年06月07日

■米国市場でのGM薬剤作物製品の危険な実状

■米国市場でのGM薬剤作物製品の危険な実状

米国での薬剤作物製品。

 ジョー・カミンズ教授は次の発見をした。危険なGM調剤作物が米国で生産されて、最低でも2年間市場に出されていて、規制過程の抜け穴によって一般大衆には知らされていないままである。

 最近、合衆国で、人のたんぱく質リゾチームとラクトフェリンを生産するため遺伝子組み替え米のテストに対して多くの大衆の反対が出てきている。これまで、それらのテストは立ち止まりをさせられている。(参照SIS22)。しかし、シグマ・オールドリッチ、米国化学薬品会社、は、最低2年間、遺伝子転移トウモロコシから加工されたバイオ調剤製品トリプシン、アビジン、およびベータグルクロニダーゼ(GUS)を市場に出していた。かたや、Prodigeneコーポレイションとシグマオールドリッチは、トウモロコシと遺伝子転移たばこからアプロチニン(AproliZean)を市場に出している。

 トリプシンは、病気の治療と食品加工で、広く研究で使われている消化酵素である。TrypZeanという製品は非動物性の製品としてマーケティングされていて、シグマ・オールドリッチ社とProdigene社により共同で生産されるている。(後者は、米国で食物作物をバイオ薬剤で汚染させたことで罰金を科せられた。)遺伝子組み替え(GM)食用作物の開発は一般に合衆国では一定のパターンに従っている:第一に、コントロールされた野外試験が相当数の季節で行なわれる。次に、もしGM作物が、バイオ農薬に組み入れられた植物を含むならば、実験者は農務省(USDA)の動植物健康サービス(APHIS)、食品医薬品局(FDA)、および環境保護局(EPA)の調査の後に、そのGM作物の規制緩和を申し込んでいく。この手続が完了すると、このGM作物は、規制外とされ、監視を受けずに栽培していいものとして考えられている。

 しかし、バイオ薬剤生産用GM作物のどれも、通常の規制プロセスを通り抜けたようには見えない。そうでなくて、それらは、最終的な規制承認の利点もなくて、食品医薬品局とUSDAの見たところ完全な協力を受けて、野外実験からマーケティングへ進んでいくようであった(農業省は、バイオ製剤のうちのいくつかへ所有権の利益を持っている)。バイオ薬剤は、実地試験規制の抜け穴のおかげで、裏口から市場に進んでいく。「食物と生物工学ピュー・イニシアチブ」によると、「現在のAPHIS規制方は、当局の先立つ承認なしに、また大衆が気がつかずに、GE[遺伝子設計]作物の商業化を許している。開発者達は、植物を商業的に生産する前に、非規制のステータスを求める請願書を申しこむ事も要求されていない。開発者達は、通知だけか、野外実験許可だけで、商業用規模で植物を育てることが可能なのである。たとえそれらの植物がある確認可能な環境への、または人間への健康リスクをもたらすことがありそうな場合であってもそうである。」

 作物生産設備は「実地試験」として許可されているけれども、そのような設備の位置は「秘密の企業情報」と称されて、たとえそのようなサイトの遺伝子と産物が、作物、地下水、また地表水を容易に汚染するかもしれない場合であっても、近くに住んでいる人々に明らかにされていない。生産設備がどこにあるかは、生産者と政府管理担当官を除いては、見つけ出す直接的な方法ではないようである。

 米国政府は、大衆への情報インプットと検査を迂回するやり方で進でいく態度のようである。そして、それは、もし暴露されれば、また暴露された時には、米国の食物輸出品市場に脅威を与えるだろう。対照的に、「カナダ食物検査サービス」はこう主張している。たとえ多くのバイオ薬剤植物製品がテストされていても、「テストサイトの植物の製品は市場にだすことはできない。」植物に由来するバイオ薬剤の規制は2000年に、食品医薬品局によって、そして2004年には、「 Pew Initiative」によって、再検討された。ピュウリポートだけが、事実上未テストの製品を市場にだす慣行に取り組んだ。

 前述したように、バイオ薬のたんぱく質を生み出す作物の実験地許可は、テスト場の位置だけでなく、製品の性質も一般大衆に分らないように、秘密の企業情報と指定されている。しかし、APHISは、遺伝子修正された作物とそれがテストされる州名を記録している。2003年から2004年まで、Prodigene社は、テスト地を、ネブラスカ、テキサス、アイオワ、およびミズーリ州に持っていた。商業用バイオ薬剤の生産は、大部分、トウモロコシを使って達成された。だが、そのトウモロコシは、基本的に重要な食物作物であり、バイオ薬剤生産するために決して使用されるべきではなく、特に、それらに曝らされる人と動物にとって穏やかやなものでない場合はなおさら使用されるべきものではない。

 トリプシンは、たんぱく質を消化するようにすい臓において生み出される酵素である。それは、傷の治療と糖尿病の治療で、研究所での応用において広く使われている。それはまた食品加工において使われていて、また消化を助けるために、しばしば幼児用調合ミルクに入れられている。植物で生産される製品は、それがプリオンと動物性ウイルスがないので望ましい。トリプシンメーカーから提供された安全データシートによると、この製品はアレルギーを起こす可能性があり、またそれは、皮膚、目、呼吸器に刺激性があり、突然変異誘導性があるかもしれない。

 アビジンは、鳥類の卵に発見されたたんぱく質である。それは、ビタミンビオチンをバインドする機能をもっていて、多くの昆虫害虫に必要である。害虫は、必要なビタミンが欠けていれば、不活性化される。アビジン生産のために遺伝子修正された遺伝子転移トウモロコシは、貯蔵時期の害虫に抵抗力がある。地球の友により行なわれたケーススタディは、たんぱく質アビジンが人と動物に危険なビオチン不足を起こし、免疫欠乏と成長遅延を引き起こしている、という実質的な証拠を、提示した。些細なビオチン不足でさえマウスと人間の出生に関する諸欠陥に結び付けられている。

 アプロチニンは、雌牛のすい臓と肺から通常つくられるプロテアーゼ抑制剤である。植物で生み出された遺伝子組み換えアプロチニンは、現在マーケティングされている。地球の友のビル・フリーズが、この製品に関連するアレルギーとすい臓病の問題を検討した。アプロチニンはまた、生殖機能への危険因子として、リストに挙げられている。アプロチニンに以前露出された事があり、その後アプロチニンにさらされる人達には重大な危険性がある。例えば、2歳の子供は、アプロチニンのテスト服用後に、厳しい過敏症ショック(のどを含む体の組織の腫れ、呼吸困難、および血圧の急低下がその特徴で、致死性がある敏感反応)を起こした。

 フィブリン接着剤の地域使用でアプロチニンへの露出が起き、それに続いて致死的な過敏症が起きた。同様な使用は、フィブリン封止剤への再露出に続き、すぐに皮膚反応をもたらした。植物ベースの遺伝子組換えアプロチニンの秘密のフィールドテストは、以前に手術を受けた人がトウモロコシフィールドでの短い露出、または手術中に治療を受けた人がトウモロコシフィールドにさらされた場合、深刻な、あるいは致命的な過敏症を起こす結果になるかもしれない。

 トウモロコシの最終的な商業用組み換えたんぱく質は、ベータ-グルクロニヂアーゼである(GUS)。この遺伝子は様々な実験的な状況において使われているけれども、治療上の重要性を持っているようではない。乳幼児の調合ミルクは、母親のミルクは高いGUSを持っているが、低いGUS含有量がある事が観察されている。高いGUSは、母乳で育てた幼児の(黄疸)、また母乳で育てられた幼児の糖尿病に関連があると責められている。GUSは、テスト有機体の表現型へほとんど効果をあたえないと信じられて、マーカーとして広く使われている。

 しかし、GUSは、モモアリマキの食べる活動を強化させる事が見つけられて、このマーカーが完く有機体へ効果がないというわけではないことを示唆している。要するに、食物作物での危険な薬剤の秘密主義の生産は、本当に困った事に発展して来ている。透明な公的な承認なしでそのような製品を販売する事は、被害をさらに深くし、監督当局が国民の安全より、企業の利益を優先させているという国民の認識を強化させている。

参考資料
The Institute of Science in Society
Science Society Sustainability http://www.i-sis.org.uk
ISIS Press Release 26/05/04

Author:事務局 : 2004年06月07日 10:58