« ■アジアは鳥インフルエンザの闘いに備える | メイン | ■インドでの遺伝子操作米と食物安全性の現状 »

2004年08月16日

■バイオテク企業ProdiGeneが薬剤用作物栽培で、

■バイオテク企業ProdiGeneが薬剤用作物栽培で、
  米食品産業界に脅威を与えている

 ワシントンD.C.発 バイオ企業は、薬剤用トウモロコシ作物の規則的な生産を開始する連邦の承認を求めている。だが、この動きは米国食品産業に警戒心を起こしている。テキサスが本拠の会社、ProdiGene は、二年まえ、バイオテク産業に汚点を残した。それは、アイオワとネブラスカの遺伝子組み替え作物フィールドトライアルで、信用をなくす管理をしているのが露見したからだ。ProdiGeneは、2年前バイオ設計されたトウモロコシから作る2つの医薬品を商業化しようとしていたが、米国農業省に、テキサス州フリオ郡、サンアントニオの人口が疎らな南西地域で、その作物の栽培を許すように求めていた。ケロッグ、ゼネラル・ミルズ、クラフト、ガーバーのようなブランドを代表しているアメリカ食品製造業者協会は、その申請に反対している。同業者協会は、USDAへの7月28日の手紙で、政府が医薬用と産業目的に遺伝子設計された作物へ不十分な監督をしていると、述べている。

 ステファニー・チャイルズ、同業界団体スポークスウーマン、は、「私達はこれが我々の会社に及ぼした潜在的なインパクトの長い記憶がある。」と言った。一部の食品会社は3年前全国的なリコールをする破目になった。人の消費用には承認されていないStarLinkという、バイオテク飼料用トウモロコシが、食用級穀物供給に混入しているのが見つかったからだ。ProdiGene社の役員は、コメントを求めたが、返事を戻さなかった。ProdiGeneは、薬剤用トウモロコシ植物が、食物または動物飼料に意図されている作物と混入するのを防止することに失敗した罰金と清浄コストでおよそ300万ドルを政府に支払うことを強制された。ProdiGeneの問題は、2003年にUSDAにより課されたよりきつい栽培規則の導入と共に、バイオ農業を発展させるアイオワの希望を後退させた。納税者資金を受けたアイオワ投資基金は、2001年にProdiGeneの買い入れをした。昨年、アイオワが本拠のスタイン種子会社の子会社は、ProdiGeneの過半数の所有権を購入した。

 しかし、ProdiGeneのテキサス計画への食品会社の反対は、バイオテク作物についてのこの産業界の懸念をはっきり示している。昨年はテキサス州では、薬剤作物のフィールドトライアルはなく、今年では、ただ一件があり、それはトウモロコシではなく、大麦に関するものである。アメリカ食品製造業者協会はこう言った。食品医薬品局は、薬剤や産業用作物を、その栽培が承認される前に、安全性について、査定すべきである。チャイルズはこう述べている:「現状のままの連邦規制法では、もしこれらの植物で作られた薬剤が食物供給に混入すれば、私達は汚染された製品を持たされる事になってしまうのです。損害を受けるのはまさしく我々食品業界です。我々が開発もしていない製品のために危険を冒す用意はないのです。」USDAはProdiGene作物のため環境アセスメントを書く異例な処置を取った。なぜなら、この会社は次の数年間に何度も繰り返す栽培計画があるからである。

  USDAのアナリストはこう結論をだした。そのトウモロコシ作物からの健康または環境へのリスクはほとんどない、なぜなら一部には、フリオ郡では他のトウモロコシはほとんど育てられていないからだ。ProdiGeneの作物栽培地は明らかにされていないけれども、他のトウモロコシとの隔離距離は少なくとも1マイル内で、他花受粉が起きうると、USDAの研究は述べている。そのトウモロコシは、インシュリン、ワクチンおよび他の製品に用いられるトリプシンを作るため、また多くの医学的な応用がされるアプロチニンを作るために利用される。

 両方の製品共現在は牛の組織からとって作られている。USDAはこう言った。同社は最初は作物を毎週検査し、そして授粉期間は毎日検査をする。タマネギとキャベツを含む近くで育っているいくつかの野菜作物は、トウモロコシ種子がそれらと混入しない事を保証するために、手で取り入れられる。穀物を加工し輸出する会社を代表している二つの貿易団体、全国穀物飼料協会と北アメリカ輸出穀物協会、は、USDAに、そのテキサスの農場が、「主要なトウモロコシ生産地域からずっと離れている」ので、喜んでいると、述べた。

 しかし、消費者運動グループ「公共利益科学センター」のためバイオテク産業を監視しているグレゴリー・ジャフィ氏、は、その作物が脅威であるかどうかを判断するには、そのサイトについての不十分な情報しかUSDAは発表していない、と、言っている。彼はまたProdiGeneの計画について食品産業が持っている懸念も共有している。彼はこう述べている:「私達は、食品医薬品局が、その作物が食品供給にもし混入しても安全であると決定する事なしには、どのような食物作物も遺伝子操作して、商業用スケールで栽培を許すべきではない。」

 USDAは火曜日まで環境アセスメントについての大衆のコメントを受けている。USDA は、2003年に、ProdiGeneの混入事件の繰り返しを避けるために、薬剤作物への隔離と検査要件を強めている。USDAのためバイオテク規制を監督するシンディ・スミスはこう述べている:「私達は、それが、コーンベルトにおいて少ない薬剤用トウモロコシが栽培されるのを意味する事を期待している。私達は、どこでそれらを栽培するかを決めるのは研究者に委ねたい。」

参考資料
Biotech Request Alarms Food Industry
The Grocery Manufacturers of America is concerned about
ProdiGene's plans to grow biotech corn in Texas.
By PHILIP BRASHER
DES MOINES REGISTER WASHINGTON BUREAU
August 6, 2004

Author:事務局 : 2004年08月16日 10:35