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2005年01月31日

■スイスの科学者チームが研究発表

■スイスの科学者チームが研究発表
  狂牛病のプリオンは脳や神経組織だけでなく他の器官や筋肉にも伝わっていく

 狂牛病蛋白の感染範囲は予想よりもっと広い

 狂牛病は感染した牛の脳および神経システムにだけ起きると長い間信じられてきた。しかし、科学者達は21日に以下の報告を行った。この病気を起こすと考えられているタンパク質は他の器官にも移って行く。この研究はマウスによってなされた実験に基づいているけれども、もし他の種においてそれが実証されるならば、感染した動物のどの部分も安全ではないことを示唆するであろう。人の場合では、この病気は致命的な脳障害になって現れてくる。今回のマウスの実験では、科学ジャーナル、Scienceにおいて報告されているように、スイスの研究者達は、狂牛病の伝染性媒体であると思われているたんぱく質を調査した。これらのプリオンが、肝臓、腎臓、すい臓の慢性疾患に罹っているマウスに与えられた時に、そのプリオンは病気に罹っている器官に進んで行った。

. アドリアーノ・アグッチィ博士、この実験を主導したチューリヒ大学病院の神経病理学者、は、この事は、プリオンに感染した牛と羊は炎症があるどの器官にでも狂牛病を潜ませることができる事を意味している、と、言った。多くの国は、合衆国を含み、屠殺された動物から、頭蓋、脳、目、脊髄、他の神経組織の除去を、プリオンがそれらの組織に蓄積すると知られているので、必要としている。アグッチィ博士はこう言った。日本、カナダ、オーマン、イスラエル、および20のヨーロッパ諸国を含む狂牛病を持つ国でさえ、もしそれらの組織が除去されるならば、その肉は安全であると考えられている。しかし、仮に感染が明白でなくても、または、検査がいい加減になされていれば、この病気はすぐにもっとまん延するかもしれない。

 アグッチィ博士はさらにこう付言した。彼の研究チームは牛の群れでの慢性的感染での範囲がどれくらいであるのかは判らない。彼の研究チームは、現在、ヨーロッパの農場の動物、羊を含み、についての情報を収集している。それらの家畜は自身のプリオン病、スクレイピー、に感染する事があるからである。また慢性的に炎症がある筋肉はプリオンを潜ませることができる、と、同博士は述べている。この事は、まだ牛においては観察されていないが、人間においては、散発的に起きているクロイツフェルト-ヤコブ病で観察されている。この病気は、狂牛病と関連があり、感染牛肉を食べた事やその他の起源からおきる事もあるが、もっと自発的にも生じているものである。

.参照:
Mad cow protein's reach is wider than suspected
By Sandra Blakeslee
The New York Times Saturday, January 22, 2005.NEW YORK
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Author:事務局 : 2005年01月31日 15:45