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2005年06月11日

■プラスチック製品塑性剤、フタル酸塩が男子赤子の性特徴を崩している事が始めて実証される

■米国環境科学者達の研究発表:プラスチック製品塑性剤、フタル酸塩
  ( phthalatesフタラート)が男子赤子の性特徴を崩している事が始めて
  実証される

  アメリカの科学者達は、化粧品、おもちゃ、ポリエチレンラップ 、ビニール袋のような多様な通常のプラスチック製品に共通して使われている化学薬品が、母胎内の男子赤子の発達を害することができる、という最初の証拠を発見した。多くの研究者達は既に次の事をずっと知っていた。フタル酸塩と呼ばれる物質の高レヴェルのものが、雄の動物に性的特徴を押し曲げる効果を生じさせて、雌的な特徴を発現させ、貧弱な精子の質をうみ、不妊をもたらしてしまう。

 今回の新しい研究は、どこにも在るフタル酸塩の通常なレヴェルでさえも男子赤子の生殖器官の発達を阻害しうる事を示している。この発見は、莫大な問題を、化学産業に引き起こす事になる。化学産業はすでに化学的安全に関するEUの提案で係争が進行中である。フタル酸塩のいくつかのタイプは、プラスチック製品をより塑性しやすくするために使用されていて、50年以上も身近にみられている。その一部は禁止されているけれども、多くのタイプは、大量にまだ生産されている。この研究は、米国全土の研究センターからの科学者達によって実施されたが、これには、ロチェスター大学と環境健康国民センターを含んでいる。これらの研究者達は、妊娠した女性の尿のなかに出た9つの広く使われているフタル酸塩のレヴェルを測定して、その測定値をその女性の赤子の標準的な生理学的な計測値と比較させた。

 その複数のテストは、以下の事を示している。4つの異なったフタル酸塩のより高いレヴェルを持つ女性は、一連の不適な特徴を持った赤子を持つことになる。それらの特徴は、より小さいペニス、下降していない陰嚢、生殖器と肛門の間隔である会陰が短くなっている事である。この研究発表を書いた科学者達は、その特徴の差異は、男子赤子の女性化を示していて、これらの化学薬品にさらされた動物において見られる兆候と同様なものである、と、述べている。シャーナ・スオゥン、この研究を主導した科学者、は、こう述べている:研究者達は、どのような種類のプラスチック製品が一番いけないのかを明らかにしなければいけない。フタル酸塩が血流の中に入ってくる一つの方法は、プラスチック製の包装からフタル酸塩が食物に漏出する場合である。フレッド・ヴォム・ホール、ミズーリコロンビア大学の生殖生物学教授、は、こう述べている:「この現象が雄の動物で見られる時は、雄であるアイデンティティのすべての面が変えられてしまう。攻撃性レヴェル、親が見せる行動レヴェル、学習速度レヴェルさえも変えられてしまう。」

 アンドレアス・コーテンカンプ、ロンドン薬剤学校の環境汚染物質のエキスパート、は、こう述べている:「もしこれが真実ならば、それはセンセーショナルな事である。これは、人間に於けるこの効果を始めて示したものである。それは母体の子宮内での発達に何か異常がおきている事を示している。だからそれはとても深刻な事である。」彼はさらにこう付言している。「 これらは大量に使われいる化学薬品である。柔軟性があるどのようなプラスチックにも使われている。ポリエチレンのラップであれ、腎臓分離管であれ、血液バッグであれ、またはおもちゃであれ。これを解決する事は、社会にとってだけでなく、産業界にとって興味深い挑戦事になろだろう。」グィン・ライオンズ、WWFへの毒性物質のアドバイザー、は、こう言った:「現時点では、化学薬品産業の規制は嘆かわしいばかりに不十分である。」

参照:
Chemicals in plastics harming unborn boys
 Ian Sample

The Guardian Weekly 2005-06-03, page 6

Author:事務局 : 2005年06月11日 10:37