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2005年06月27日

■ベトナムや中国での鳥インフルエンザへの「危険な」対応に世界の科学者達が警戒心を高めている

■ベトナムや中国での鳥インフルエンザへの「危険な」対応に世界の科学者達が警戒心を高めている
  ※米科学誌SCIENCE報告

 逸脱した対応が鳥インフルエンザ専門家達を心配させている
   デニス・ノーミルとマーティン・エンセリンク

 高致死性鳥インフルエンザ大流行を食い止めようとしている世界の保健専門家達は、逆効果か、または危険でさえないかと彼等が考える最近の動きを見て、恐れの気持ちを高めている。ベトナムは、10人の新しい感染者を報告するのが遅く、中国では農夫が、伝えられるところでは、鶏用の抗ウイルス性薬剤を与えられていて、人のインフルエンザで利用する数が少ない薬に、このウイルスが抵抗力を持ってしまうかもしれない恐れが出ている。

 もしこれが確認されるならば、中国の行動は「非常に、非常に危険である」だろう、と、イタリアのレガナロの研究機関「Istituto Zooprofilattico Sperimentale della Venezie」のイラリア・カプア、は述べている。ベトナムは、H5N1ウイルスの人から人への感染のもう一つの発病を見つけた。これは、1週の期間でベトナムが報告した十件の報告の内の一つである。だがこれも、もともと発見されてから6週間後の報告である。(ベトナム)保健省は、6月8日に3つの新しい人のH5N1患者を世界保健機構(WHO)に公式に通知した。だが、それらの最新報告も4月26日に検出されていたものである。ベトナムは、6月14日に、5月の最後の2週間に出た3人の患者を報告した。そして、6月17日に、同省は、6月1から17日までに起きていた4つの追加の発病を報告した。

 ピーター・ホービィ、ハノイのWHOオフィスの疫病学者、は、こう述べている:ベトナムの官吏は、今春この病気の症状がきつくない患者が出現していた時にウイルスの状態に変化が出て、迅速に助けを求めてきた。しかし、彼は、これらの同じ役員がより通常の発病と考えるものの詳細を報告する場合には、積極的ではないのにいらいらさせられる、と、述べている。6月18日のワシントン・ポスト紙に報告されているように、人の抗ウイルス薬アマンタジンを中国の獣医が使用している事に、鳥インフルエンザの一部のエキスパート達は、警戒心を高めている。この記事によると、製薬業者と中国の他のソースは、この薬が農夫に安く売られて、1990年代の後期以来治療と予防薬として鳥に与えられている事を、認めている。

 アジアでの現在の勃発で隔離されたH5N1菌株のほとんどは、アマンタジン薬に耐性をもっている、しかし、中国のこの薬使用との確かな関連を確立する事は、この薬剤が何処で、何時、どのくらい使用されたかに関する広範なデータが必要であるだろう、と、クラウス・ストー、グローバルインフルエンザコーディネイター、は、考えている。K.Y.ユエン、香港大学ウイルス学者、は、アマンタジンンなどのような抗ウイルス剤の誤用は、抵抗力を育てる危険がある、と、述べている。しかし、彼は、アマンタジン耐性と連結した遺伝子変異が、この薬にさらされていなかったウイルスにも出たのが報告されている、と、言っている。この事は、他のファクターもまた働いているのかもしれない事を示唆している。

 それでも、広域疫病になる脅威とインフルエンザ薬の払底が実在する状況では--アマンタジンと同類薬の唯一の代りは、「oseltamivir」や「Tamiflu」であるが、より高価で、生産が難しい--反ウイルス薬は動物のインフルエンザ感染には使われるべきではないだろう、と、ストーは述べている。それらは鳥への使用のためにライセンスを受けてはいなく、もし厳密なバイオセキュリティ対策が付随していなければ、このウイルスを抑制する事はできないだろう、と、カプアは付言している。

 スー・シシン、中国農業省官吏、は、同省が、ワシントンポストの記事が主張しているように、鳥のためアマンタジンの使用を決して承認していない、と、述べている。このウイルスが地理的に拡大している攻撃を思い知らせるものになるが、インドネシアでも、先週、最初の人のH5N1感染患者が確認された。人への鳥インフルエンザの感染を認めた4番目の国である。

参照:
[DOI: 10.1126/science.308.5730.1849]
News of the Week
INFECTIOUS DISEASES:
Lapses Worry Bird Flu Experts
Dennis Normile and Martin Enserink*
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SIENCE Volume 308, Number 5730, Issue of 24 Jun 2005, pp. 1849-1851.
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Author:事務局 : 2005年06月27日 10:57