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2005年08月16日

■強い解決策と期待されるワクチンの問題点

■強い解決策と期待されるワクチンの問題点
  『パンデミック(広域悪疫)ワクチン』は保護効果を持つには多量投与が
  必要なようである       Science 12 Aug 2005より

  鳥インフルエンザ:
  『パンデミック(広域悪疫)ワクチン』は、高い使用量でのみ
   保護効果を持てるようである』  マーティン・エンセリンク

 米国の保健官吏は、一見有難そうなニュースを今週吹聴していた:それは、進行中の実験では、ワクチンがパンデミックに変化する事を多くの人が恐れている鳥インフルエンザ菌株H5N1から人を保護できることを示唆する、という朗報であった。しかし、一部のインフルエンザエキスパート達は、それは話の半分でしかない事を、見出している。彼らはこう言う:このワクチンが効くのはとても高い使用量に限られているので、世界のインフルエンザワクチン製造工場は、パンデミックと闘える充分な量を作り出せない。予備的なデータに基づけば、サノフィ・パスツール社により生産された現在の米国の備蓄量は、ほんの45万人分だけで、保健省が保護することを望んでいる200万人以上には程遠い。

 この明らかにされた事は、ワクチン使用の原則はよいにしても、ワクチンを絞って使い、鶏卵利用に換わる方法の緊急な必要性を示唆している。鶏卵使用法は現在のインフルエンザワクチンテクノロジーの限界になっていて、細胞を基礎にしたプロダクションシステムに交換する必要がある、と、ソルベー社の別のワクチン科学者、ジェロン・メデマ、は言う。現在では、「それは幸福な少数派のためのワクチンである」と、留意の発言をしている。

 新しいワクチンは、テネシー州メンフィスの聖ジュード小児科研究病院の研究者達によって、ベトナムの患者から分離されたH5N1菌株を土台に、卵で培養させて遺伝的に弱められたものである。8月5日アンソニー・ファウチ、この実験に出資している国立アレルギー・伝染病研究所ディレクター、は、こう新聞のインタビューで発表した。「実験での452の対象者の113人からの初期データは、このワクチンが、保護抗体を引き出すのを示した。しかし、「信頼できるレベル」に達するには、90マイクログラムの清浄死亡ウイルス、即ち「抗原」、の2投与分が4週間間隔で与えられる必要がある」と、彼は述べている。

 最も一般的な季節インフルエンザへのワクチンは、一回分ショットが45マイクログラムの抗原である--それは、ワクチンが標的にしている3つの行き渡っている各菌株に対して丁度15マイクログラムがあてられている。H5N1への免疫は誰も持っていないので、ほとんどの研究者は新しいワクチンではそれ以上のものが必要であるだろうと信じている;米国の備蓄の計画は、15マイクログラムの二回分ショットで効くという仮定に基づいている。オランダロッテルダムのエラスムス・メディカル・センターのウイルス学者、アルバートオスターハウスは、「しかし180というのは--それは本当に多量である」と、言っている。ファウチはこう述べている:「アジュバントと呼ばれる免疫ブースターを含んで、使用量を節約する戦略を実験する事が次ぎの課題に挙がっている。多くのエキスパート達は、ワクチンが2マイクログラム以下の単一使用量で、強力なアジュバントと共になれば、充分になるかもしれないことを望んでいる」と、オスターハウス、は述べている。

参照:
Science 12 Aug 2005
Volume 309, Number 5737, Issue of 12 Aug 2005, p. 996.

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Volume 309, Number 5737, Issue of 12 Aug 2005, p. 996.
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Author:事務局 : 2005年08月16日 13:18