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2005年08月19日

■ナスビの実に病斑を起こす「病菌名」が初めて実験確定される

■ナスビの実に病斑を起こす「病菌名」が初めて実験確定される
  アメリカ植物病理学会の報告より

 ナスビにでる病斑が「Lasiodiplodia theobromae」であるという
 コッホの論が始めて実証される

 2004年10月中に、ジョージア州、コルキット郡の商業用農場でナスの実にでた病気は、円形の、黄褐色の、液に浸された壊傷を出していた。褐色の有隔菌糸体はなすの実全体に早く広がった。病気になったナス果実は萎縮し、海綿状になり、ミイラ化される。畑地の病気発生率は約1パーセントであった。病菌、学名「Lasiodiplodia theobromae (Pat.)」「Griffon & Maubl. (Botryodiplodia theobromae_ Pat. と同義語) (2)、が、損壊部から隔離されて、 酸化したジャガイモのデキストロース寒天で培養された。この菌糸が灰色がかったコロニーを作り、気菌糸と黒い小孔胞子が、一体になった間質が付随した。成熟した長円形の分生子(25.8x15.6マイクロメートル)は茶色で、単一の隔壁と横長い線条を持っている。ピーナッツとペカンの実から分離されたものが病原性テストに含められていた。円熟しているナスの実は70パーセントエタノールで30秒表面消毒されて、0.5パーセントナトリウム次亜塩素酸塩で60秒の消毒が続き、無菌蒸留水で2回すすぎ落とされて、乾燥させられた。

 実験接種は、ナス実の表面に「L. theobromae」菌糸を含んでいる寒天プラグを刺すか、または無菌のつま楊子に菌糸を含ませたものを突き刺して、行われた。同様に寒天プラグか無菌つま楊子で接種される果実は、コントロールとして用いられた。合計三回の反復が行われた。ナス実は、湿った紙タオルで内張りされたプラスチック製のコンテナに置かれ、コンテナは露室に置かれて、3日間孵化状態(摂氏28度、相対湿度>95パーセント)にされて、査定された。

 自然に病気に感染したナス果実に見られた徴候と同じ徴候が、接種された果実において出てきた。コントロールされたものは病気が出なかった。「L. theobromae」は、すべての徴候を出した組織から再分離された。これはコッホの公式を満たすものである。損傷を受けたナス果実の病気損害は、損傷がない果実の2倍になった。しかし、「L. theobromae」を含む寒天プラグでの9回の接種の内7回は、感染を起こす結果になった。損傷接種からの病斑の長さは、ピーナッツ、ペカン、ナスから分離したもので、それぞれ、9.8、7.3、5.2cmになった。一般的に、「L. theobromae」は任意損傷病原菌、または二次的な侵略者(3)と考えられる。しかし、この研究は直接的な感染が起こることを示唆している。ナスに病斑が出るのは以前に報告はされているけれども、私達の知る限りでは、これは、ナスの病斑の原因となるエージェントとして「L. theobromae」菌を確認した最初の報告である。

参照:
FRUIT SPOT, EGGPLANT - USA (GEORGIA)
International Society for Infectious Diseases
Archive Number20050817.2403
Date: 15 Aug 2005

American Phytopathological Society, Plant Disease Notes [edited]

1st Demonstration of Koch's Postulates for _Lasiodiplodia theobromae_ Fruit Spot on Eggplant (_Solanum melongena_).

References:
(1) S. A. Alfieri et al. Index of Plant Diseases in Florida. Fla. Dep.
Agric. Consum. Serv. Bull. 11, 1984.
(2) H. L. Barnett and B. B. Hunter. Illustrated Guide of Imperfect Fungi.
4th ed. The American Phytopathological Society St. Paul, MN, 1998.
(3) P. M. Phipps and D. M. Porter. Plant Dis. 82:1205, 1998

実験担当科学者一覧

J. E. Woodward, D. B. Langston, Jr., J. H. Brock, R. C. Kemerait, Jr., and
T. B. Brenneman, Department of Plant Pathology, University of Georgia,
Coastal Plain Experiment Station, Tifton 31793; and G. H. Beard, University
of Georgia Cooperative Extension Service, Moultrie 31768. Plant Dis.
89:687, 2005; published on-line as DOI: 10.1094/PD-89-0687A. Accepted for
publication 10 Mar 2005.

c2001 International Society for Infectious Diseases

Author:事務局 : 2005年08月19日 13:22