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2005年09月01日

■細胞だけから肉を人工培養する方法が進められている

■牛豚羊鶏等あらゆる家畜が疫病問題に曝される最中で、
  生物工学の実験段階では細胞だけから肉を人工培養する方法が進められている。
  米国メリーランド大学農学者ジェイソン・マセニィ研究斑の野心

 肉が殺しでなくなる時

 食肉は殺す事であると考える菜食主義者にとって究極の課題がある:それは、一匹の牛も羊もブタも殺す事なしで新鮮な肉が動物の細胞から出てくる食品加工の革命である。研究者達が、世界の食糧不足への解答だと歓声を上げている技術の詳細を伝える記事が生物工学ジャーナルに発表された。肉の塊りが、農場で育てられた家畜から殺ぎ取るのではなく、研究所で「大皿」のなかで培養されるのである。これは、科学者達が表皮組織エンジニアリングの最先端医学テクニックを適応させたのである。その技術では、個々の細胞が増大させられて全体的なテイッシュ(組織)になっていくが、それを食物生産に適用させたものである。ジェイソン・マセニィ、メリーランド大学の農学者は、こう述べる:「単一の細胞を使って、世界の年間の肉供給を理論上では生産できるのです」 研究者達によると、研究所で育てられる肉は、農場で育てられた肉よりも、環境にずっとやさしく、栄養成分をコントロールし、食物に出る病気を除去して、より健康であるように仕立てる事ができる。菜食主義者は、肉の塊を育てるのに必要な細胞がドナー動物を傷つけずに取られるので、心をひきつけられるだろう。

 マセニィと彼の同僚は、「培養肉」の未来性をさらに進めて、どのようにそれを産業スケールで生産するかの方法を追及している。彼等が期待しているのは、巨大な皮膜(シート)に筋肉細胞が育ってくる事である、そのシートは規則的に引っ張られて筋肉が育っていく際に運動を与える事になる。いったん十分な細胞が成長したら、こそぎ取られて肉製品に加工されて、例えばチキンナゲット(ミンチ状の塊)等にされる。菜食主義協会のケリー・ベネットはこう述べている:「確かにこれは興味深い開発ではあります。また個々の菜食主義者から多くの種々の異なった反応を必ず引き起こします、それは、それらの菜食主義者がどんな理由で菜食主義を選んだかにかかっています。菜食主義者協会の危惧は、工場式農場での肉生産用動物の数を減少させる可能性はあるが、細胞の起源、収穫法について多くの疑問符がある事である。さらに彼はこう付言した:「これは、生物の身を食べるのが同義的に間違っていると考えて肉食を放棄した人や、また不自然なものは何も食べたくないと思う人にはアピールしないでしょう」

参照:
Science / When meat is not murder / Ian Sample

The Guardian Weekly 2005/08/31

Author:事務局 : 2005年09月01日 13:33