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2005年09月05日

■世界の国々は鳥インフルエンザ・パンデミック(広域悪疫)に備えて

■世界の国々は鳥インフルエンザ・パンデミック(広域悪疫)に備えて
  どうすればよいのか
  タイの農民75万人が参加する疫病対抗策を参照する

 タイ農民が鳥インフルエンザ「緊急特務部隊」に参加する

 バン・ヤニャオの農民が、世界中で鳥インフルエンザのパンデミック(広域域悪疫)が数千万の命を危うくするのを止めるために、「タスクフォース」のこれまでではありえない「前衛隊」を作っている。ほとんどは初等教育ほどの教育しか受けていない。また誰もバンコクの北85マイルにある故郷のスパンブリー州の外に出て旅した事もなく、誰もタイの外の世界を知らない。しかし、彼等は自分の村の人々と動物の詳細な知識を持っている。プラサート・ソムプラソングはこう言った:「私達は誰かが風邪を引けば一日以内で誰かすぐ分かる。ましてや、鳥インフルエンザのようなもので倒れれば、すぐわかります」エキスパート達はこう言う。この種の情報があり、さらにタイ全体で750万人の同様なボランティアでトレーニングを受けた人がいれば、パンデミックが押さえ込まれるかどうかでは違いを生じさせるだろう。キャロリン・ベニグノ国連食物農業組織(FAO)のアジア監視作戦主任はこう述べている:「このウイルスの動きが予測できず、鳥の動きがコントロールできないので、世界はパンデミックに備える必要がある。そのプロセスの最初のステップは、適切な監視システムを持つことである」

 鳥インフルエンザのH5N1菌株が2003年12月にベトナムで出現して以来東南アジアで62人の人々を殺し、1億4,000万羽の鳥の死を結果として生じさせた。最近突然その菌がロシアとカザフスタンに出たが、これは西部中国での最も近い場所から数百マイル西へ飛び移った事になる。EUは現在感染に対処できる準備状況を査定している。オランダは、すでに、すべての放し飼いの鳥を屋内で飼うように命じている。ウイリアム・オールディス、世界保健機関東南アジア部部長、は、こう述べている:彼は、恐怖を吹き込んでいると咎められたくはないが、世界が莫大な鳥インフルエンザ勃発に直面するのは時間の問題であると信じている。「生物学および疫学の証拠は、鳥から出たこのウイルスがグローバルなパンデミックを起こすという見込みを強くサポートしている。しかし、それがH5N1から起こるか、または、次の数年後に、起きるのかは、誰も知らない」、と、彼は言っている。

 成功をもたらす抑制措置の主な要素は、急速な報告を生む監視体制、早い正確な診断、インフルエンザ拡大を封じ込める処置の迅速な配布、主要な抗ウイルス薬、オセルタミヴィール、の最低3百万コースの蓄え、である。その次は、できる限り迅速な人のワクチンの生産である、だが、これは、パンデミックを起こすウイルスの正確な性質が勃発があるまでは、分からないので、事前にはできない事である。これは最高6ヶ月はかかりそうである。

 オールディス氏は、どの国でも、タイの計画を調べると、得るところが多いだろう、と、言っている。タイ政府は、保健と家畜のボランティアのネットワークを再訓練する事に加えて、診療実験所の数を1から13に増やし、主要な抗ウイルス薬、オセルタミヴィールの備蓄を開始している。スパミット・シュンスティワアト、保健省の病気コントロールの専門家、は、こう述べている:「私達の計画では、私達は、ボランティアが1、2日内にどのような勃発でも報告することを期待している、そして、私達[中央政府]はその1日から2日以内にそれを伝えられる。このアイデアは、H5N1感染確認をするのには約24時間しかかけない事である。私達は調査を1日から2日ですまして、次ぎには、適切な行動を取るようにするのです。」

 ヤニャオで起きた動物性鳥インフルエンザのタイの最新勃発では、最初の鳥が死に始めてからその村に政府の急速な対策チームが到来するのに、1週間ちょっとしかかかっていない。タイ政府計画の最大の弱さは、薬品資材の不足である。タイは、ロッシュ社により作られたオセルタミヴィールのブランド、「タミフルー」を約70,000コース年末までに蓄え、さらにそれを着実に増大させる、と、スパミット博士は予測している。先週、ロッシュ社は、世界保健機関による使用のため3百万コースの薬剤の備えを増強することに合意した。この備蓄は来年中ごろまでにできることが期待されている。パンデミックが起こるとすれば、東南アジアで最も起きそうだという共通理解がある。なぜなら鳥インフルエンザは、タイ、カンボジア、インドネシア、ベトナムでの、固有性があるからである。この問題が深刻なのは、準備が一番足りないカンボジア、インドネシア、ベトナムの3か国である。インドネシアでは、3人が死んだ最新の勃発が7月にあったが、その対応は、この問題に対処する充分な政治的意思にも欠けている、と、インドネシア農業省動物保健監督局のソエダルモノ博士は述べている。

 ソエダルモノ博士はこう述べている:「私達はもっと深めた研究をしたかったけれども、地方官庁は私達を塞いだ。なぜなら、彼等が言うには、地域社会が神経質すぎて、パニックになるかもしれないからである」インドネシアでのこの勃発は、都市部のタンゲラング町で起きたので、特に厄介である。この町は首都ジャカルタの12マイル西で、家禽がいない地区なのである。一番近い感染した動物、アヒル、ブタが出た場所は15マイル離れていたけれども、それらのオーナーは病気に陥らなかった。スナリョ、犠牲者が住んでいた近隣の首長、は、こう述べている:「この犠牲者がどのように感染したかのかは誰にも分からない。ここには鶏がいないし、誰も病気にはなっていなかった。それは今でもミステリーです」

 オールディスさんはこう言う:「これらの3人の死はこういう環境では、始めての事だが、ありそうな勃発について標準的な事と考えられたすべてのことに反している。これまでの仮定はどんなパンデミックでも、離れた田舎の人口で起きるだろうと言う事であった。もし都市のセンター部でそれが起こるならば、私達は無力である。私達ができる事はあまりない」ワンタニー・カルプラヴィディ、FAO東南アジア監視使命団の主任、は、こう述べている:「もしいつ私達がこの病気の完全な様子が分かるかと尋ねられれば、そうですね、私達はいつも鳥インフルエンザと一緒に移動していると言うしかないですね。それを根絶する限りで言えば、グローバルな戦略において、私達は10年間も取り組んでいるのです」

 エキスパート達はこう言う。西洋は自分の防御を怠るべきではないけれども、東南アジアが準備するのを援助することを中心に行うべきである。タイの細菌学者、プラセット・アウエワラクル、は、こう述べている:「パンデミックがより小さい地域であれば、それだけよく押さえ込みができるのです。極めてありそうなシナリオは、それは遅延させられるが、東南アジアでは押さえ込みができないことである。しかし、このウイルスが西の諸国に到着するまでには、タミフルー剤に抵抗力をつけていることが充分にありうる」 FAOのベニンゴ博士も同意見である。彼女は言った。「私達は対策資源を自分の国の防御のために使うよりは、震源地で使っていくべきです」 スパミット博士は、鳥インフルエンザ抑制とパンデミックへの準備でタイは1億ドルを費やしている。今年のサミット会議では、国連はその約半分の金を世界全体のために受け取る約束を得ている。

 従って、英国は数億ポンドがまだ必要である。先月発表されたパンデミックを制圧する戦略の研究において、ロンドンのインペリアル・カレッジのニール・ファーガソンはこう書いている:「次ぎのパンデミック制圧の適切な戦略では、数百万人の死を防止する事で、グローバルな利点を引き出せる。従って、対策資源、インフラストラクチャー、協力関係、を、新しいパンデミックの起源に今最もなりそうな地域で確実に提供する事は、諸国の利益になるのです」オールディス博士はこう言う:「もしかりに勃発が起きなくても、私達が相応しい所に向けた措置は、次の病気が実際に起きた時に、我々がずっとよい準備態勢ができている事を意味するだろう。」

参照:
Guardian Unlimited | Special reports |
Thai villagers join bird flu rapid reaction force

Farmers in frontline of fight to avert pandemic
John Aglionby in Ban Yanyao, Thailand, and Tangerang, Indonesia
Saturday September 3, 2005
The Guardian

Guardian Unlimited Guardian Newspapers Limited 2005

Author:事務局 : 2005年09月05日 09:22