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2005年09月12日

■土壌研究

■世界の環境最新情報-土壌研究
 25年間6千の観測点で表土サンプリングによる調査がNATURE誌で発表

 予想外の土壌炭素消失が地球の温暖化を加速させている

 土壌の炭素消失が地球の温暖化を加速させている

 英国の土壌は、過去25年間で1年あたり400万トンの割合で炭素を失っている。この消失は地球温暖化を増大させ、また1990年から2002年までの英国の産業炭素排出の削減を相殺させてしまった、と、科学者達が今日警告を発している。今回行われた研究は、もっと多量の二酸化炭素排出がより多くの植物成長、従って、大気からもっと多量の炭素が除去されるかもしれないという希望、を打ち砕いている。炭素の土地からの予期しない損失は、この損失はイギリス、ウェールズにも一貫していて、従っておそらく気候温順な世界のどこでも、大気により多くの炭素が在る事を示し、従ってさらなる地球温暖化、土壌からもっと多くの二酸化炭素消失を、意味する。

 クランフィールド大学のガイ・カーク、はダブリンで行われた英国学術協会フェスティバルでこう述べている:「地球温暖化から起きるすべての悪い結果がずっと急速に起こるだろう。それは恐るべき事である:私達がそれについて対策をする時間は思っていたよりずっと少ない」 彼と同僚の調査班がイギリスとウェールズで1978年から2003年まで約6,000の固定観測点で表土を15cm(6in)をサンプリングした。これは、牧草地、農作地、森林、沼地、低木地帯、ヒース地帯、に、生きている、また腐敗している、物質の変化を測定するためである。

 この研究調査で発見された事が、8日科学誌、NATURE で、発表されたが、1年あたりで平均0.6%の炭素が土壌から失われたことを示している:土地が豊かであればそれだけ炭素損失の割合はより高くなっている。これらの数値が英国全土を含む計算では、年間の炭素損失は1,300万トンになっている。調査をした科学者達はこう述べている:非農業地域でのそのような炭素消失変化を単一のファクターで説明できる理由は地球温暖化しかない。マックス・プランク研究所のデトレ・フシュルツェとアネット・フライバウアはNATUREの論文でこう言っている:「これらの損失は英国での過去の二酸化炭素排出削減の科学技術業績を完全に差し引いて、英国の温室効果ガス排出削減の成功を違った目で見なければならなくなった」過去25年間において、平均温度は摂氏0.5度増大し、北半球での成長季節は約11日間伸ばされている。より暖かな土地がより大きな微生物活動を促進し、従って、土壌の有機物質のより急速な腐敗が起こり、ガスのより多量な発生を引き起こしている。

 20年間以上、気候科学者は地球の年間炭素フローを計算しようとしてきた。炭素の一部は海洋により吸収されて、石灰岩として閉じ込められている。また他の炭素の一部は泥炭として土壌に補足され、または森林に蓄えられている。最新の研究は、より温暖な世界ではこの「損失された」炭素の多くは大気により迅速に戻っていく事を示している。

 この研究は、長期間にわたる研究の価値を立証している:「全国土壌調査台帳」は、1978年に創始されて、3マイル間隔で定点観測ポイントのネットワークが確立された。そして今回調査の科学者達は、20年間以上の土壌炭素の変化を測定するために、同じテクニックの利用を続けた。地球の土壌炭素の4分の3は気候温暖地帯に補足されていている事に、彼等は注目した。カーク教授はこう述べている:CO2の肥沃効果が、直接的な人為的な二酸化炭素排出の約25%を相殺すると推計されていた。土壌の温度排出効果が多分10年から50年で追いつくだろうと計算されていた。私達の研究は、それが、その想定よりずっと速く起きている事を示している」

参照:
Guardian Unlimited | Special reports |
Loss of soil carbon 'will speed global warming'Skip to main content

Thursday September 8, 2005
The Guardian

Author:事務局 : 2005年09月12日 09:28