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2005年12月13日

■個人の食物栄養摂取をどう考えるべきか

■個人の食物栄養摂取をどう考えるべきか

米国ではアンティオクシダント(ANTIOXIDANT/酸化防止物質)食品は健康効果喧伝で5億2600万ドル産業に急成長している

専門家達は酸化防止物質にあまり焦点を置かないよう薦めている

酸化防止物質が豊かであるというラベルを貼られる食物は、壜詰茶から冷凍ベリ類ーのバッグまで、成長し続ける5億2600万ドル産業になっている。販売が不調だった食品でさえ、酸化防止効果を強調して、景気を取り戻している。「SupermarketGuru.com」誌編集者、フィル・レンパート、食品産業アナリスト、は、こう述べている:例えば、ブルーベリーの販売は上がっていて、ジャムの販売全体は、下がっている。人々が、『酸化防止作用が豊かである』という事が何を意味するのかを、知っていようが、なかろうが、そのラベルは、「買いなさい、長生きするのを助けるよ」、という効果をもっている。

その効果は本当にはどうなのだろうか。エキスパート達は、酸化防止効果が重要ではないとはいっていない、また、人々が、それを含んでいる食物を食べるべきではない、とも提案していない。だが、彼等はこう述べている:酸化防止要素がどのように働いて、特定の酸化防止要素またはその特定の食物にダイエットの焦点を合わせるのを正当化させるほどには、十分な事は知られていない。細胞を傷つけるのは、体によって作られ、環境に発見される化学物質、即ち「フリーラディカル」を、やっつける事である。その害は、心臓病から、癌、さらには老化、を含む、多数の慢性疾患に関連している。

無数の食物にある酸化防止物質に恵まれた食事は、この害を最小にするようである。明確でない事は、その恩恵が、酸化防止物質自体によるものなのか、あるいは全体的な食事とその酸化防止物質と他の栄養分が相互作用する方法にあるのかどうかである。その証拠は、全体の総合作用である事をだんだん明らかにしてきている、と、ブリガム女性病院のハワード・セッソウ教授、は、述べている。この事は、物を食べるパターンが違いを生んでくる事を意味するが、特定の食物を摂る事、あるいは、栄養補助剤/サプルメントをとる事は意味しないだろう。

例えばベータカロチンが豊かな食事は、心臓病と癌を防止するのに役立つ事が見出だされてきた、だが、ベータカロチン栄養補助剤だけを摂取する事の研究では、たいていは失望的なものである。また、ある一つの酸化防止物質が別の酸化防止物質より優れているという証拠はほとんどない。またその量の多さが大事なのかも分かっていない。生産者達は自分の産物にある酸化防止物質の多量を自慢にしている。しかし、酸化防止物質は多いほどいいという事も研究では分かっていない。あるいは、人体がほとんどの食品に含まれている量をどれだけ吸収できるのかどうかも分かっていない。タフツ大学フリードマン栄養学校の科学者、ブランバーグ、は、酸化防止物質を過剰に持ち上げることが、間違った安心感を植え付ける事を心配している。心臓の健康に良いと信じて毎日一握りのアーモンドを食べていても、他で飽和脂肪とコレステロールがいっぱいのダイエットを、償ってはくれない。

だとすれば、人々はどのように自分のダイエットに酸化防止物質を取り入れるべきなのか?もっと大きな状況を考えてみよう。健康なダイエットというのは、多様化された健康な投資ポートフォリオ(一覧)に似ている、と、イリノイ大学のジョン・アードマンJr.、内科医教授、は、言う。多様な産物と全粒穀物を食べる事は、すべての栄養分の最良の混ぜ合せを保証する。たぶん、たくさんのブルーベリーを食べることには大きな害はないだろ、だが、同じ事が、すべての酸化防止物質が豊かな食物についてはいえない。例えば、果汁とアルコール中のカロリーは、迅速に加算されて大きくなり、肥満になる事は最も健康な食物さえ利点を消失させる。エキスパートはこう言います:個別の健康問題に取り組もうとしている人々でさえ、ある成分周辺にしぼってそのダイエットを仕立てるよりも、食品を広く組み合わせた食事をする事が望ましいだろう。

アードマンはこう述べている:「人々が前立腺癌になった時には、彼らはそのダイエットを突然すべて変えてしまう。だがそれらの変化が違いを生じさせるのかどうかは我々には分かっていない。しかし、我々に分かっている事は、癌になる前に人々がそんな食事をしていればその病気にはかからなかっただろう。消費者達もまた酸化防止物質についての食品会社の過度な健康効果の主張に批判的でなければならない。その主張の多くは規定されたものでもなく、科学によって裏づけされたものでもない。さらにいわゆる研究は、その商品が「スーパー食物」であるといわれると利益を受ける産業から資金を裏で受けている事が多い。最後に言える事は、バランスがとれた食事をする、個別な事項にあまり捉われすぎない事である。

Author:事務局 : 2005年12月13日 16:37