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2006年02月20日

■鳥インフルエンザH5NI、アフリカへの感染経路の科学的考察

 鳥類学者の推論:H5NIがアフリカに感染したのは渡り鳥によるのではなく
 業者による鶏やペット鳥の合法、また違法な移動が原因である

野生鳥ではなく、家禽が、アフリカに高致死性鳥インフルエンザを運んでいる事がかたい

渡り鳥のエキスパートといくつかの状況証拠によると、今月ナイジェリアで発見されたH5N1鳥インフルエンザの高致死性菌株は、野生の鳥からきたのではなく、家禽から来たものである。最初のナイジェリアでの発病は、野生の鳥と大きな接触がある裏庭で飼育されたものに起きたのではなく、46000羽の鶏を持つ商業用農場で発見された。ナイジェリアは、1年あたり100万匹以上のひよこを、H5N1が出現したトルコとその病菌が10年徘徊している中国を含む諸国から輸入してきた。さらに、ナイジェリアの北部2州で感染した家禽群は、移住する鳥が冬を過ごす沼沢地の近くでは、飼育されていない。またアジアと東ヨーロッパで起きたような水鳥が死滅していたリポートもなかった。時にH5N1を潜在させていると知られている少数の野生鳥の種種類は、数ヶ月前に到着してまもなく去っていく。

公衆衛生エキスパートはこう述べている:もしH5N1をアフリカに引き込んだ事に責任があったのは自然ではなく、家禽の貿易である事が判明すれば、家禽通商のコントロールによって、このウイルスがアフリカと他の大陸で広がるのを制限できるだろう。ウォード・ヘイグメイジャ、オランダの自然保護団体「Wetlands International」の鳥類学者、は、こう述べている:「もしすべての可能なファクターをパースペクティブ(全体の風景)に入れるならば、H5N1をアフリカにもたらしたのが野生の鳥であるという一部の人がするような結論には跳びつかないでしょう」

ウイリアムB・カレッシュ、ニューヨーク野生生物保存協会の獣医、は、こう言った:「私は野生の鳥を除外はしません。しかし、私は最もありそうなルートをよく見なければならない。最もありそうなルートは家禽です。それはどのようにナイルデルタ全体を飛び越して、ナイジェリアに到着したのか?それがいま私の気にかかっている事です。常識では、それは現在エジプトの至る所にいるはず、だという事になります」ピーター・マラー、スミソニアン協会渡り鳥センターの鳥類学者、も、同感してこう述べている:「野生鳥によるH5N1の拡大論は、多くの人がたてている恐い仮定である。移住する鳥が一つの役割を果たしているのには疑問の余地がないけれども、それらは主要なプレーヤーではない。もっと多くの注意が、合法、違法の、家禽とペット商売用の鳥の移動経路に向けられるべきです。なぜならそこは実際に手がうてる場所だからです」

この推論の一部はナイジェリアで起きている事がサポートしているようである。ラゴスで発行されている日刊紙「ガーディアン」がナイジェリアの農業大臣アダム・ベロの発言をこう引用していた:「私達は、感染された鳥を誰かが輸入したか、または密輸したかもしれないと、思っている」地元と外国の科学者からなる疫学チームは、ナイジェリア家禽のH5N1勃発、およびこのウイルス検出のため野生鳥のサンプリングを調査している。

この国の家禽生産の約60パーセントは家庭の裏庭で飼っている家禽でなされ、大商業用農場が25パーセントで、および残りは混合した飼育である。

Author:事務局 : 2006年02月20日 11:17