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2006年03月09日

■ドイツで猫がH5N1に感染発病する

インフルエンザウイルスは種の壁を飛び越すことができる。H3N8インフルエンザウイルスが馬から犬に異常なジャンプで感染して、競犬用グレイハウンドを何頭か殺した事が報告されている

もし猫が病気の徴候を見せずに、H5N1を運んでいる事が判明すれば、それは鳥インフルエンザウイルスが哺乳動物に適応して、潜在的により高いリスクを人に与える事になるだろう、と、世界保健機構(WHO)の役員が7日に述べた。マイケル・パーデュー、WHOグローバルインフルエンザプログラムの科学者、は、猫への感染、どのように猫がウイルスを環境に落とすか、について、もっと多くの研究が必要である、と、言った。しかし、アメリカのエキスパート達は猫が沈黙の感染者で、必殺ウイルスを送ることについて役割を果たしているという証拠はない、と、説明した。オーストリアの保健大臣、マリア・ラウフ・カラットはこう述べている:グラーツという南部の市にある動物聖域の猫がH5N1で陽性と判明したけれども、まだこの病気のどのような徴候も示していなかった。しかし、パーデューによると、このウイルスは攻撃を始めるのに一週間はかかるし、だからこのオーストリアの猫がまだこれから臨床的な徴候を示す事がありそうだ。

パーデューはロイター社にこう話した:「私達は、このウイルスが遺伝子的に変わり、臨床的な徴候を引き起こしているかどうか、実験室の研究で追跡しなければならない。もしそれが真実になれば、それはウイルスが相当に変異する事を示唆する」このウイルスは2003年末以来東アジアと中東で95人を殺してきている。犠牲者のほとんどは病気になった鳥と直接接触して罹病した。だがエキスパート達はウイルスが変異して、人々の間で容易に広がり、数百万人を殺しうる広域悪疫・パンデミックに火をつける事を恐れている。

健康が損なわれた何らの徴候を示さずにH5N1を運んでいる動物が出れば、鳥インフルエンザを検出し、封じ込める事は困難になるだろう。このウイルスが哺乳動物に長く潜在したままになれば、しかも病気にもならず、死にもせずにいれば、それだけその病菌がより危険な型に変異する危険は大きくなる。パーデューはこう言った:「それがより長い間哺乳動物中に留まれば、それは、鳥に留まる事と対比して、哺乳動物にそれだけ適応していきそうである。もしこのウイルスが、哺乳動物間で容易に感染するのに必要なすべての変異をしてしまえば、人間にはずっと大きな危機を意味するだろう」このオーストリアの猫は、鳥インフルエンザで死んだ白鳥を含む鶏の横でケイジに入れられていた170匹の猫の中にいたものだ。その鶏とアヒルは先月抹殺処分された後このウイルスを持っていたことが判明した。

ドイツは、先週、ルーゲンという北の島にいる家猫がH5N1鳥インフルエンザを発症したというヨーロッパ初のケースを報告した。ルーゲン島はこのウイルスで野生の鳥が死んだ地域である。パーデューはこう述べている「 まだ猫から人への感染の兆しは何もない。そうだとまた違った話になる。あるいは、もし猫の間にこのウイルスが循環し始めていれば、それは、監視の面では悪夢になっていくだろう」

パーデューは、インフルエンザウイルスが種の障壁を飛び越すことができることに注目した。米国のエキスパート達は、科学ジャーナル誌「サイエンス」の去年9月号に論文を書き、H3N8と呼ばれるインフルエンザウイルスが馬から犬に異常なジャンプで転移して、競犬用のグレイハウンドを何頭か殺した事を報告した。この科学者達はこう述べている;そのウイルスはまた犬を病気にせずに犬に感染する事ができるけれども、それが人々を感染させることができるという証拠はない。「それは、違うウイルスであったけれども、馬のウイルスが犬に跳んだ。私達は、種から種へのジャンプがあることを知っている」と、パーデューは述べた。

Author:事務局 : 2006年03月09日 15:14