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2006年04月05日

■チクングニャ(Chikungunya)菌による疫病が起きて香港で確認される

チクングニャ病は、デング病に類似した、アフリカの一部とベトナム、タイ、カンボジア、ビルマ(ミャンマー)を含む東南アジアで固有に起きる疫病である

モーリシャスとレユニオン島でのチクングニャウイルス病勃発の最近の情報投稿があった。そのおかげで、香港のSARにチクングニャ・ウイルスを始めて患者から検出する事ができた。これは明らかにモーリシャスから持ち込まれたものである。66歳の中国人の男性が、モーリシャスに1週間滞在した後で、2006年3月24日にプリンスオブウェールズ病院(PWH)伝染病クリニックにいた。彼はこのクリニックに、香港に戻ったのと同じ日に出てきていた。彼はすでに2日間、発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、発疹がでて病気になっていた。

彼は、モーリシャス(大きな中国人口がある)の田舎にいる親族を訪問していて、蚊に噛まれていた。間違って出されていた診断は、最初の例では、デング熱であるというものであったが、ProMED-メールにでた最近の投稿は、以下の事実に警戒を求めていた。当人がすでにチンクングニャ菌に罹病していたかもしれない。だからこのテストが要求されていた。病気で二日めになるこの病院で取られたサンプルは、チンクングニャ菌で陽性だという結果が出た。このテストは公衆衛生研究所センター(PHLC)でポリメラーゼ連鎖反応(PCR)と遺伝子配列による確認でチンクングニャ菌で陽性と判明したものである。デング熱PCR、IgGとIgMテストでは、PWHとPHLCの両方の診断実験室では陰性であると出た。これは、香港SARで診断されたチンクングニャの1番目のケースである。

デング熱(フラヴィウイルスflavivirus)とチンクングニャ病(アルファ・ウイルス)の臨床での表明・プレゼンテーションは非常に類似している。これらの両ウイルスの主要な蚊ベクトル[_Aedes aegypti_]は、以前にデング熱の散発的な発症があった香港SARに発見されるものである。デング熱テストで陰性であると判明したデング熱似の病気の患者で、同様な旅行履歴を持つ人達は、現在では、チンクングニャ病というのが、可能な別の診断になると、考えられている。その潜伏期は類似していて、デング熱4から7日、チンクングニャ病が2日から4日である。両方とも時々厳しい出血性の発熱を起こす事がある。だがこれはデング熱の場合よりもっと一般的である。チンクングニャ病では、デング熱と同様に、ウイルス血症は短命で、このウイルスは最初の48時間だけの間でしか発見できない。それは通常5日から7日で中立化させる抗体が生じるからである。

チクングニャ病は、アフリカの一部とベトナム、タイ、カンボジア、ビルマ(ミャンマー)を含む東南アジアで固有に起きている疫病である。香港でのいくつかの発症ケースは看過されていたかもしれない。なぜなら今までは、チクングニャ病の異なった診断方が考慮されてこなかったからだ。チクングニャは、スワヒリ語で『上に曲がる』を意味している。興味深い事は、デング熱の言葉はまた、スワヒリ語の「dinga」から起こり、激しい筋肉と関節痛のため『骨壊し』を意味している。この元来のスワヒリ語の言葉が、アメリカ系スペイン語の用法で(おそらく南アメリカで)「dengueデング」に変更された。

チクングニャウイルスの主要ヴェクター、Aedes aegypti、は以前香港で報告された事はあったが、現在では、いなくなったと報告されていたものである。この日中に人を刺す蚊は、水槽、捨てられた空き缶等、の家庭の容器、また樹木の穴で繁殖するものである。香港での感染は可能であるが、蚊の繁殖場所次第である。成虫した蚊が感染した人達の近くに存在すれば可能である。

Author:事務局 : 2006年04月05日 11:36