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2006年05月29日

■世界保健機関総会報告

世界保健機関が鳥インフルエンザのパンデミック警戒度の「六つのフェイズ/局面・段階」を設定して、現在は三段階目である

-パンデミック警戒の6つの局面・段階-
WHOの上級官吏は26日にこう述べている:2006年5月26日の時点で、世界保健機関(WHO)は、インドネシアでの家族の多人数感染死亡の調査が続いているけれども、グローバルな鳥インフルエンザ警戒レヴェルを上げることを考慮していない。WHO主任鳥インフルエンザ官吏マーガレットチェンのシニア・アドバイザー、ポール・ガリー、は、ジュネーブのインタビューにおいてロイター電社にこう話した:「私達の感じでは、新しい事は何も起きていない。警戒レヴェルを4にあげる事を考慮したくなる事は起きていない。WHOは、脅威の深刻さと対応準備の必要性をその192のメンバー諸国に通告するために、パンデミック警告に6つの段階を用いている。WHOは、世界が現在「段階3」にあると伝えている:「新しいインフルエンザウイルスのサブタイプが人に病気を起こしている。けれども、人の間で効率的に、持続的には広がってはいない」。

以下は6つの段階の説明である。第4段階は、重要な警告信号で、感染した人々の「クラスタ・集団」が検出される場合である。他方6段階・フェイズはパンデミック・広域悪疫の開始を告げる。1つの段階から次の段階に移動する決定は、外部の専門家の部会と相談した後にWHOリーダーによってなされる。

第一段階 インターパンデミック段階・・・人間の発病の低いリスク
第二段階 動物に新しいウイルスが出るが人間の発病にはそれが無い・・・人間の発病の高いリスク
第三段階 パンデミック警告・・・人から人への伝染が無い、あるいはあっても限界的な感染
第四段階 人間のクラスター/集団発病があり、ウイルスの増大した適応性が示唆される。
       人から人への感染の証拠がでる
第五段階 長い期間で人間の発病の大きな集団が出る。人から人への感染の証拠がある
第六段階 パンデミック・広域悪疫・・・強力で持続的な人から人への感染

192の国家が結集した「世界保健機関総会・アセンブリ」が2006年5月26日に、以下の合意に達した:可能な鳥インフルエンザパンデミックへの準備を加速させる、それには1年早く国連保険機関と加盟国がグローバルな警告システムを設立することを一年早くする。世界保健機関(WHO)のための主な意志決定機関であるこの世界保健総会は、討論なしで、直ちに世界諸国が迅速な報告システムをありうるインフルエンザパンデミックの始まりに対して導入させる決議を承認した。

この決議は、またWHOを督促して、疫病勃発への対応を連合させる制度が設けられている事を確保させ、迅速な対策展開に備える為の専門家のリストを作る事を要求した。この決議はさらに新しいウイルスのサブタイプによって起こされる人インフルエンザをWHOに迅速に通知する事がこのシステムの鍵であると述べた。鳥インフルエンザ警告システムは、2005年にWHOメンバー国によって是認された国際保険規正法の新しいバージョンで元来予知されていたものであり、2007年6月15日に作動しはじめることが予定されていた。しかし、この決議は諸国が直ちにそれを正式に導入する事ができる、と述べている。なぜなら人間の健康への深刻な危険があるからである。さらにそれには高病原性鳥インフルエンザの家禽の続いている勃発から起きるパンデミック・ウイルスの出現の可能な危険が含まれている。

この総会の決議は懸念も表明している。それは、鳥インフルエンザの発症が人間に続いて起きている、またこのウイルスが野生の水鳥の移動を通じて新しい地域に広がっていて、さらにより遠くに広がる事が予測されている、事である。アンダース・ノードストローム博士は、2006年5月22日、理事長リー・ジョンウックの死後、現行WHOチーフを引き継いだ。彼はこう述べている:この決議が鳥インフルエンザに対してすでに実施されている進捗に対してさらなる強い力を与えるものである。ノードストローム博士はこう言った:「私達がそれをいっそう加速させることができる。しかし、世界各国とWHOの両方がもっと多くの人々を援用し、準備の費用を払う多くの資金を集めることが必要である。資金が十分に速くは流れていない」これまでに、WHOは、北京の会議で2006年1月に、国際コミュニティによって鳥インフルエンザのために約束された10億ドルの内ほんの5、6百万ドルしか受け取っていない」

©2001 International Society for Infectious Diseases

Author:事務局 : 2006年05月29日 15:15