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2006年06月28日

■鳥インフルエンザへの警告と抗ウイルス薬剤の開発 2006.6.13

オーストラリア連邦科学産業研究組織(CSIRO)の最前線科学者が語る:

★鳥インフルエンザ菌株の1つが種を越えて人から人に広がるのは時間の問題である

★「Relenza」や「Tamiflu」等の構造ベース薬剤デザイン方法(structure based drug design method)による抗ウイルス薬剤の現状と未来

-鳥インフルエンザが人間に広がっていくのは時間の問題である-
インフルエンザウイルスについてのオーストラリアのエキスパート達は以下の警告を発している:鳥インフルエンザ菌株の現在の1つが、種を飛び越え人から人に広がるのは、ただ時間の問題である。しかし、ホセ・ヴァーギース博士、メルボルンに在る連邦科学産業研究組織(CSIRO)の分子科学健康テクノロジー部門チーフ研究科学者、はこう述べている:ニュージーランドとオーストラリアはどのような勃発にも対応できる体制ができている。分子バイオ発見全国センターを訪問している同博士は、オークランド大学に招聘されて、 すべてのグローバルなインフルエンザパンでミックは、鳥からの起源を持っていたと、述べた。

最近人々を殺している高毒性の鳥の菌株が、「人間化」され、種の壁を飛び越えるのを我々はもちろん心配している。私が考えるところでは、それは「何時」かの問題で、「もし」の問題ではない。目下の理論は、農場の動物、特ににブタ、が、鳥と人のインフルエンザ菌株に同時に感染させられている。というものである。この2つのウイルスは動物のホスト内で遺伝子を交換し、人に適応したウイルスを生み出す。ヴァーギース博士は、このインフルエンザウイルスの表面酵素(ノイラミニダーゼ)の構造を、CSIROの同僚学者ピーター・コールマン博士と共に、1983年に確定させた。この研究は、この酵素の強力な抑制薬剤になった1990年代後期の抗ウイルス薬の新しいクラスの開発になっていった。

これらの薬剤の最初のもの、「Relenza」、は、CSIROと《Biota Holdings Ltd》社によって開発された。これは「ノイラミニダーゼ」の三次元原子構造に基づく構造ベース薬剤デザイン方法を使って行われた。この薬はそれから「グラクソ薬剤」社によって臨床実験された。その後「Tamiflu」薬剤が、このCSIROグループの構造研究と新しい薬開発のためにその後識別された主導化合物に基づいて、米国で開発された。これらの両薬剤は、表面酵素、ノイラミニダーゼ、の小さい「pocket」をターゲットとしている。そのノイラミニダーゼはすべての菌株で同一であるから、それらの起源とは無関係にインフルエンザのすべて菌株とサブタイプに対して効果がある。

これらの薬は、また、もし勃発の初期に使われるならば、伝染の広まりを防止するため予防的に使用することもできるだろう。両方の薬とも、ウイルスが増殖するのを防止する分子の「栓」として作用できる、またそれらは病気の期間を短縮させ、より効果的な管理と治療を可能にする。ヴァーギース博士こう言う:インフルエンザウイルスは急速に変異することがあるので、インフルエンザワクチンは、インフルエンザの知られている菌株に対してだけ効果があり、出現してくる菌株、特にグローバルなパンデミックの間に生じる菌株を効果的に治療することはできない。我々がインフルエンザのどのような菌株にも効くこれらの抗ウイルス薬を持っている事は大きなボーナスである。私達は、SARSの流行でも多くの事を学んだ。もし私達が感染が勃発している場所に迅速に到着すれば、これらの病気をコントロールすることができる事を学んだ。

ノイラミニダーゼ抑制子への薬剤抵抗が出現する可能性は、CSIROにより密接に監視されていると、ヴァーギース博士は言う。「我々は現在薬への抵抗をほとんど見つけていないけれども、私達がTamifluの弱いリンクと考えているものを監視している。Relenzaと違って、Tamifluは、ウイルスのノイラミニダーゼ自身が内部の変化を起こすことに依存している。このことは、インフルエンザウイルスに、それが起きない様にする為、変異する機会を提供する。同博士は言う:抗ウイルスノイラミニダーゼ抑制子のデザインをもたらした方法は、新しい薬の開発と、他の伝染病や癌、心臓病、糖尿病などの致死性が高い主な病気と戦うテクノロジーへの大きな可能性を提供している。

Author:事務局 : 2006年06月28日 15:31