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2006年06月28日

■健康食品としての大豆人気 2006.6.8

米国式「科学的」評価の浮き沈み:1997年「栄養報告」では、大豆が「21世紀の女性用究極健康サプルメント」になるかもしれないと述べていた。最近では、乳癌の生存者に、大豆サプルメントを推奨する事は実際よい助言ではない。大豆サプルメントはゲニステインと呼ばれるエストロゲン似のイソフラボンのハイレベルを含み、エストロゲンは乳房の腫瘍細胞が分割する事を誘導させる・・・乳幼児ミルクや離乳食の大豆への露出が幼児期の大切な時期に起こり、ことによると脳と生殖システムの発展に影響するかもしれない・・・

1990年代の初めに大豆が西洋の食品の場面に飛び込んで来た時には、可能性は限りないように見えた。このたんぱく質だらけのマメ科植物は、乳ガンを止め、骨を増やし、のぼせを抑える、可能性を持っていた。それは、コレステロールを下げ、心臓病を防止するようであった。数百万ドルが研究に注がれて、科学技術者は、大豆を想像できるすべての食物に詰め込んだ。彼等は大豆を粉にしてバーガー、ホットドッグ、ソーセージに入れた。彼等は、チーズ、ミルク、アイスクリーム、幼児ミルクに加工していれた。純粋主義者は、大豆を伝統的なアジアの食品である豆腐や枝豆の形で消費した。他方健康主義一途の人は、大豆タンパク粉やイソフラボン入りサプルメントを求めた。しかし、15年経って、いっそうの大豆製品が入手可能になり、顕著な大豆消費が健康文化の指標になっている状況で、この潮流が変わり始めている。

「大豆への反発」

かなりの数の本や記事が大豆の利点ではなく、危険について今や警告を発している。国際的な監視団体、「大豆オンラインサービス」は、「大豆についての真実を暴露する事」を任務にしている。それは「大豆産業から出る犯罪的で危険な虚偽の過剰」を我々に告げている。例えば、男性用雑誌「BEST LIFE」に大豆の過剰摂取にこんな警告が 出ている:「男に乳房が出る!筋肉がなえる!性衝動が落ちる!エストロゲンを押し上げる!」これらは極端な例ではある。しかし、主流の科学者達も退却しつつある。新しい研究が大豆は「魔法の弾丸」ではない事を示している。だが科学者は、また、この大豆の愛顧からの脱落は、人生を変える唯一物質を求めるアメリカの終わりなき探求の新しい犠牲者だと考えている。

-溢れているたんぱく質-
大豆は複雑な植物である。大豆は中国と日本に土着しているもので、「マメ科植物の王」と呼ばれている。大豆は豆科のなかで最も完全なたんぱく質を持っている。それは、カルシウム、マグネシウム、ビタミンBを多く持っていて、エストロゲン似の化学成分、イソフラボンを含んでいる。しかし、大豆の恩恵の証拠が高まっていったのは1990年代である。本と雑誌がその種の記事で溢れた。「大豆のイソフラボンは女性の健康の発電所なのか?」と言う記事が、1997年の「栄養報告」に出て、大豆が「21世紀の究極の女性用健康サプルメント」になるかもしれないと述べていた。

-大豆市場が暴発した-
過去10年で、大豆製品の平均成長率は年あたり約14パーセントであった、と、ピーター・ボルビッツ、大豆産業情報社「ソイテック」の会長、は述べている。今でも、大豆販売の成長は、それほど活発ではなくなったが、続いている、と、彼は言う。

-崩れかかっている評判-
1月に、「アメリカ心臓協会」は2000年に出した大豆に関する立場を撤退させる発表をした。その立場は「飽和脂肪とコレステロールが低いダイエットに大豆タンパク食物を含める事」を推奨していた。1月のステートメントはこう述べていた:22件の研究の検討結果はイソフラボンを持つ大豆たんぱく質は、結局、コレステロールを改善しないようであることを示している。今年4月にはもっとよくない大豆の報告が出された。多くの女性は乳ガンを阻止する希望で大豆や大豆サプルメントを消費している。だが「国立癌研究所ジャーナル」に出た研究は、大豆は乳ガンのリスクを非常にわずかに減らすかもしれないけれども、それは大豆を推奨するほどのものではない、と、の結論をだした。この研究論文の共同執筆者であるジョージタウン大学ロンバルディ総合癌センターの教授ロバートクラーク、はこう述べている:乳癌の生存者に、大豆サプルメント(大豆ベースの食物に対して)を推奨する事は実際よい助言ではない。大豆食物と違って、サプルメントは、ゲニステインと呼ばれるエストロゲン似のイソフラボンのハイレベルを含んでいる。そしてエストロゲンは乳房の腫瘍細胞が分割する事を誘導させる、と、ジョージタウン大学腫瘍学教授で、共同執筆者のリーナ・ヒラキヴィ・クラーク、は述べている。

閉経期のホットフラッシュ・一過性熱感への効果も崩れ始めた。初期のトライアルにおいては大豆イソフラボンは閉経期女性のホットフラッシュを9パーセントから40パーセントまで減少させた。けれども、その後に行われた約25回のトライアルのほとんどは、「気休め薬」と大した違いを示さなかった。少数の科学者は実際大豆の安全性についての危惧を表明している。一部の科学者は生殖問題に関して危惧を表明している。昨年、環境健康科学国立研究所(NIEHS)の研究者達は以下の発見をした:出生後すぐゲニステインを与えられたマウスは、不規則な生殖サイクルと排卵と妊娠の問題を発展させていった。今年彼らはゲニステインが卵巣の成育を阻害させると報告した。ウェンディ・ジェファーソン、NIEHS科学者、この論文の主導研究者はこう述べている:「これらの事柄が人の場合に問題を起こすかどうかは私達には分からない。しかし非常に多くの赤ん坊が大豆入りのミルクを飲んでいる。もしこれらの事が問題になるとすれば、それはずっと人生の後でなければ明らかにならない問題である。ずっと後になって女性は妊娠しようとしたり、生殖サイクルに問題がでたりするからだ。

この研究成果は、14人の科学者の独立したパネルを引き起こし、3月に会合を持ち、大豆の乳幼児ミルクが人の成長や誕生に危険がるかどうかを決める事に展開した。そこでこのパネルは以下の結論をだした:大豆の育児用ミルクは安全である、しかしこのパネルの1人の小児科医は、懸念を表明して、大豆への露出が幼児期の大切な時期に起こり、ことによると脳と生殖システムの発展に影響するかもしれない、と、述べた。

-肯定的な「スピン」展開もある-
大豆の一部の心配が大きくなり、大豆の効能の多くが撃ち落とされていっても、新しい可能性が飛び出してきている。最近の研究は次のことを示した:もし妊娠3ヶ月期間中に女性が大豆を消費するならば、胎児が健康的な食物とよい新陳代謝を希求するプログラム組む事を助ける事ができる。他の研究ではどの時期に女性が大豆を食べるかが鍵になると述べている。南カリフォルニア大学予防医学教授のアンナ・ウーはこう述べている:思春期にたくさんの大豆を食べる女性は後で乳ガンになる事がすくなくなる。そして、骨の強化は大豆が本当に効力を発揮する場所であるかもしれない。3年計画で国立予防衛生研究所が出資する340万ドル研究は。大豆のイソフラボンサプルメントが、閉経後女性の腰骨を保護するかどうかのテストを実施している。

Author:事務局 : 2006年06月28日 15:27