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2006年07月18日

■農作物の疫害対策に「自然のエイジェント」を開発する

米国農務省が世界中で被害が大きい穀類の穂枯れ疫害菌《Fusarium head blight (FHB)》を阻止するのに利用できる「イースト菌とバクテリア菌」で特許を獲得する。

2006年7月17日:開花している麦の穂に寄生している4つのイースト菌と3つのバクテリアがいるが、その部分では害を起こさない。これらの菌が、フザリウム穂枯れ疫害(FHB)に対して戦う生物学コントロールエージェントとして、米国農務省(USDA)によって特許を取得された。FHBは、フザリウム属「graminearum」菌類により起こされる、世界的に穀類の被害がとても深刻な病気である。小麦、大麦、オート麦類を侵す疫害である。FHB病は、1998から2000までで、米国の小粒穀に被害を与えて、27億の損害をおこしている、と、デイビッド・シスラー、は述べている。彼は、農業研究サービス(ARS)の植物病理学者である。ARSはUSDAの主要な科学研究機関である。

このコケ病菌は、小麦の葯を含む花部組織を通じて小麦を感染させる。イリノイ州ピオリアのARSの農業応用研究国民センターとコロンバスのオハイオ州立大学(OSU)からきたシシラーと彼の同僚は最近の研究でこう述べている:小麦の花部の「スペースと栄養分」を求める菌類の競争は熾烈である。実に、この研究者達が小麦葯から分離したバクテリアとイースト菌の一部は、抵抗力がある物質を分泌する、または他の方法を使って、他の菌を押さえつけている。これは小麦植物にとっては恩恵になる事である。

この「自然な抗争」を利用するためにシスラーとOSUの同僚マイケル・ベームとナシーム・カーンは次の工夫を実現した:発酵過程を工夫して、開花している小麦穂へ応用するための有益な微生物を培養させた。この特許を取得された(米国No.7001755) 4つのイースト菌と3つのバクテリアは、菌類との戦の力量で科学者が検査した約700の微生物サンプルから選ばれた「トップ選抜菌」であった。これらの7つの菌では、イースト菌株「OH 182.9」は。現場のトライアルで最善の効果を上げた。春期麦、冬期麦、デュラム小麦でFHB害の深刻さを20パーセントから60パーセントまで減少させた。

FHB疫害を抑制する為このアプローチを米国農務省が特許取得した事は、生物学的コントロール製品として微生物開発への必要な商業的興味を喚起する大切な最初のステップになる。それは小麦や他の穀類作物に個別に利用したり、また特別に組み合わせて使う事ができるだろう。それらの開発は、FHB病に抵抗力がある小麦品種ともに、特にアピールするものがある。なぜなら、花部につく黴菌類の応用は、州によっては時期と入手可能性で、入り組んだ工夫になるからである。

Author:事務局 : 2006年07月18日 16:38