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2006年07月13日

■狂牛病の人型である「vCJD」脳神経破壊症の治療方法開発

狂牛病の肉を食べて発症する「vCJD」は高致死性で、これまで発症者のほとんどが死亡する。
世界で150人を越えて、200人に向かう数の人が死亡している。
この不治疫病の治療法の開発が追求されている。
その実験的な治療方は「ペントサン多硫酸塩(PPS)」を脳の空洞に直接挿入するもので、治療効果がでたとする患者もでているが、研究報告はこの治療方が病状の進行を阻止していない、という結論をだしている。

-vCJDの治療薬は『病気を止められない』-

実験的な薬は、たぶん、脳の病気vCJD、の進行を止められないだろう、とエキスパート達は、結論をだしている。しかし、「医学研究審議会=MRC」はさらに大きいスケールの動物実験が実施されるべきであると、述べている。MRCは、vCJDと他の脳神経破壊プリオン病に罹った7人の患者へ「ペントサン多硫酸塩(PPS)」の効果を観察した。現在英国で最も長い間長生きているvCJD患者「ジョナサン・シムズ」を含む、いく人かの患者が、この薬を取った。このvCJDには治療方法がなく、病気になった人々の大多数は死亡していっている。

これまでに、英国ではこの病気で111人が、死亡して、さらに別の45人がおそらくこの病気で死んでいる。現在5人の英国人がvCJDに罹って生きている。MRCは、もとはこの「PPS」薬を「薬剤安全委員会」のアドバイスを受けて、可能な治療方のトライアルに含めていなかった。

しかし、患者のジョナサン・シムズさんの家族は、ベルファストから、2002年12月にジョナサンにこの薬を与える許可を高等裁判所から獲得した。それ以来、ノースヨークシャー州の「ホリー・ミルズ」を含み、他の人達にこの薬が与えられてきた。ミルズは2003年10月にvCJDと診断された数週間以内にこの薬での治療を始めた。「ホリー・ミルズ」の病状は18ヶ月間安定している。

-脳の中に入れる-

この薬は患者の脳の空洞に直接外科的に挿入されなければならない。主導研究者のイアン・ボーン教授は、彼の発見事項が決定的なものではない事を受け入れている。彼の発見事項は、異なった方法で治療された少数の患者に基づいたものである。しかし、彼は、この薬のいかなる恩恵も、それがあれば、この研究によって明らかにされるだろう、と、述べた。ボーン教授、グラスゴー南総合病院コンサルタント神経科医、は、PPSが、感染した脳に侵入し、どのように広がるかをもっと多くの動物実験での研究をする事を推奨している。彼はこう述べている;新しく診断された患者は。治療オプションが議論される時に、PPSに関する知識を十分に知らされるべきで、そして、この薬を飲むオプションが与えられるべきである。この研究によって、PPSの副作用の証拠もほとんど見つからなかった。しかし、薬を脳に挿入する必要な外科治療に関連したリスクがあった。

-展望-

ボーン教授はこう言った:「この薬は病気の前進を停止さていないようである。脳機能の損失は続いていく。さらに治療された部分の画像測定によれば、脳組織の損失もまた続いていた。PPSによって治療された患者は、通例とは違って長い期間生き残っているようである。しかし、我々はこの治療が有益な効果があると確信を持って決定できない。なぜなら、同様な治療されていない患者との直接的な比較をすることが不可能だからである。さらに、そのような小数の患者では、結果はチャンスの問題であるかもしれないからだ」

「CJDサポートネットワーク」のジル・ターナー、は、この研究を歓迎して、その発見事項は驚くにあたらない、と、述べた。「私達はもっと多くの研究の要求をサポートします。私達は、どのような潜在的な治療もとても慎重に見なければならない」と、同氏は述べた。ピーターミルズ、ホリーの父、は、ボーン教授がもっと多くの研究が非常に重要であると勧告している事実は、意義深いと、言った。彼はこう言った:「PPSが私の娘のために効果があった事は疑念の予知がない。もし私達が、彼女にこの薬を与えることを選ばなかったならば、ホリーは現在ここにいないでしょう」健康省のスポークスマンは、このリポートの推薦を前進させるために、同省がMRCに協力する、と言った。

Author:事務局 : 2006年07月13日 10:45