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2006年10月06日

■養殖される「オーガニック」鮭に危惧の声が上っている

英国の「土壌協会」は自然を尊重する生き方を提唱する理想を掲げて60年前に創立された市民運動組織である。土壌保護、環境保護、有機農業、未開発地域農業自立、遺伝子加工食品反対で、実績をあげ世界的な声望を得ている団体である。
乏しくなる海洋資源の下で、土壌協会が離島での養殖鮭に有機認定を与えて、原理厳守と社会的食供給義務に関する論争が起きている。

-研究が一部の有機養殖魚が脱出している事を明かしている-

土壌協会によって鮭養殖場にあたえられたライセンスは、有機の基準を低下させているという危惧の声が有機推進運動グループの一部から上っている。英国の大手有機食品団体のために行った内密研究によって、有機の原則と実際の基準の間にギャップがある事が明らかになった。この研究はこう述べている:飼育された魚が脱出して、体に害虫(海シラミsea lice)を持って移動している。また養魚場からの排水が補足されてリサイクルされていない。土壌協会は、養殖魚を支援する事は、同会の基準を甘くする事にはならない、と言っている。土壌協会によって十分有機であると認知された最初の鮭農場の1つは、アウター・ヘブリディーズ諸島にある離島に位置している。

この養魚場の所有者、アンガス・マクミランは、養魚場は可能なかぎり自然な条件の中で、持続可能に生産されていて、有機の証明基準に合致している、と言った。彼はこう述べている:この養殖鮭は自然餌を与えられている、また飼育の「ケイジ・駕篭」には従来の養魚場の半数の魚しか入れられてなく、深い潮流がある水域に置かれている。マクミランさんはBBC「Newsnight」の記者にこう述べた:「世界の水産物の半分は現在養殖されている。消費者に海産物が届くようにするためには、それは養殖するしかないのです」

『非常に残念である』

しかし有機食品の純粋を守る人達は、有機といえる唯一の魚類は野生の魚である、と、主張している。ローレンス・ウッドワード、土壌協会基準準委員会の前議長、は、養魚場に有機のライセンスを与える事は誤りであると信じている。彼はこう述べている:「ケイジに入れられ飼育されている鮭は有機の原則に何も関係がありません。土壌協会が、原則からそんなに離れたものを認定しようとする道をここまで下るというのは非常に残念です」

土壌協会のディレクター、パトリック・ホールデン、は、この有機認定決定を弁護している。ホールデン氏はこう論じている:「これはどうラインを引くか、そして現実的妥協を供給するかの問題です:野生の理想的なシステム、と、持続可能農業の原則内で働きしかも人々に必要量の食物を供給するシステム、この二者間にどうラインを引くか、です。海洋がそんなに深刻に損なわれた実状のなかで、これは私達が関与すべき領域であると考えたのです。60年前の土壌協会が創立された高い原理は、これまでと同じように、今日でも傷ついてはいませんよ」

Author:事務局 : 2006年10月06日 18:10