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2007年02月28日

■井戸水に出る自然砒素の濾過装置に成功する

カリフォルニア大学バークレー校疫学者、アラン・スミスは、こう述べている:南アメリカと米国の南西部を含めて、砒素中毒は、世界中で何百万という人々に被害を与えている「公衆衛生の緊急事」である。この問題の困難さの一部は、人々に一見清純な水に毒性があることを説得させることである。飲料水にある砒素は見えないし、また味覚がないし、また臭いをかぐこともできない。

ジョージ・メイソン大学の化学教授が百万ドルの工学技術賞を獲得した。受賞は、井戸水から砒素を濾過する単純な、そして高価でない装置を開発したものにたいする受賞である。この装置は、発明者の出生地であるバングラデシュ(Bangladesh)で何十万という人々の深刻な健康上の問題を防止しできて、さらに世界中で何百万という人たちを助けることができる、技術の進歩である。

「持続可能性に対する2007年グレンジャー・チャレンジ賞」は、全米工学学会 (National Academy of Engineering)によって監督されているが、センタヴィル(Centreville)のアブル・ハッサム(Abul Hussam)に与えられる、とアカデミー当局が昨日発表した。

アブル・ハッサムは井戸水から砒素を濾過するシステムを開発したことに対して、百万ドルを受け取る事になる。

アブル・ハッサムは大学助手として1978年に合衆国に来た。彼は米国の市民権を得て、分析化学で博士号を受けた。そして彼は自分のキャリアの多くを国際援助団体によって思いがけなく起こされた深刻な問題に対する単純な解決を見いだすことに捧げた。

何十年間も、様々な機関や団体が東部インド(Eastern India) とバングラデシュ(Bangladesh) で簡単な井戸を堀る巨大キャンペーンに資金を供給してきた。この事業は、病気を起こすバクテリアとウイルスで満ちあふれた池や泥穴から水を飲んでいた何百万という、かろうじて生き延びている農民や他の人たちに新鮮な水を提供しようとする運動である。

それらの団体や機関が知らなかったことは、この地域が世界で最も高い自然に発生する強力毒薬である高濃度の砒素を含有する地下水を持っていると言う事であった。それで新しく掘られた井戸が、伝染病の急な減少を生み出しはしたけれども、その井戸水は、砒素によって引き起こされる皮膚の疫病をおこし、さらに時がたつと、肺、膀胱、腎臓、に、致命的な癌を起こさせる。

「私自身と私のすべての兄弟はこの水を飲んでいた」、とハッサムは述べた。彼の家族は、クシタの農業地区で、今では悪名が高い浅いこの「チューブ井戸」を2つ持っていた。彼はクシタ地区で育ち、その井戸は共に手動ポンプによって操作されるもので、一つは台所にあり、もう一つは、庭にあった。

彼の家族は健康であったが、それはおそらく栄養がある食事をしていたからだろう、と、彼は述べた。栄養ある食事が、砒素摂取が10年以上にわたると典型的に累積する悪影響を防止するのに役立つたのだろう。しかし砒素の問題が1990年代に広い認識を得たとき、彼は彼の科学知識でそれを打開することに決めた。

最初の挑戦は、いかに水中の砒素を正確に測定するかを考え抜く事であったと、彼は言った。それは技術的に困難な課題であった。彼がその測定課題に成功すると、助けを求める大きな声が上がった。「人々は言った、そうですか、でも解決策を下さい。解決策は何ですか?」と彼は言われた事を思い出す。

この事で、彼は、もっと多くの年月の研究と何百というプロトタイプのろ過システムのテストをすることになった。最初の装置は、砂、木炭、他の吸収物質の層がある、三個の互いに積み重ねられた穴をあけられたプラスチックのバケツでできていた。

彼の最終の創造は、砂、木炭、れんが片、広く手に入る種類の鋳鉄の破片を使う、作りやすい、維持が簡単な、2段の濾過システムであった。それは、ほとんどあらゆる砒素の痕跡を井戸水から除去した。この装置はエンジニアリング学界の審査員の独立したパネルをあっと驚かせた。審査員は、この賞の規則で、砒素問題に対し、電気を必要としない、取得可能な、信頼性が高い、社会に受容できる、そして環境上好ましい解決策を探し、選らばなければならなかった。

この授賞規則は、解決装置の製品は、実験室だけではなく、現場の条件で証明されることを要求していた。この濾過装置のいくつかが、今バングラデシュで5年間使われてきた、そしてその装置は詰まる事もなく、そしてその洗浄能力も失ってはいない、と、ハッサム氏は、述べた。

このフィルターは20ポンドの透過性鉄を含んでいる。その鉄は、砒素と強い化学結合を形成する。そしてそれがこのシステムの成功の鍵になっている。この濾過結果として生じる、挽かれたコーヒー粉末のような物質が地上にやがて捨てられても、この砒素は、酸素が周囲にある限り、解放されないだろう、と、彼は述べた。

カリフォルニア大学バークレー校の疫学者、アラン・スミスは、こう述べている:南アメリカと南西部の合衆国を含めて、砒素中毒は、世界中で何百万という人々に影響を与えている「公衆衛生の緊急事態」である。この問題の困難さの一部は、人々にその表面上清純な水に毒性があることを説得させることであった。「人にはそれを見えないし、またそれを味えない。またにおいをかぐこともできない。澄みきった飲料水が20年あるいは30年後に肺の病気を引き起こす事になるだろうという考えは少し奇妙である。それは人々には信じ難い事なのである。」

この濾過システムは35ドルから40ドルで、クシュチア(Kushtia)で週におよそ200台の割合で組み立てられている」とハッサム氏が言った。30,000台以上が配布されて、きれいな水をおよそ400,000人の人々にもたらしている。およそ1,000台がバングラデシュの小学校に配布されている。

ハッサム氏は、彼の賞金の70パーセントを非政府組織の助けを借りて、貧しい共同体に彼の「SONOフィルター」を配布するために使うだろうと言った。それには、彼がバングラデシュの兄の医者と一緒に作ったものが含んでいる。彼は賞金の25パーセントはさらなる研究開発に使い、そして5パーセントはGM大学に寄付されるでだろう、と、述べている。

「2007年持続可能賞」は、電気エンジニアによって1949年に作られた、レイクフォレストの「グレンジャー財団」によって資金を提供されるシリーズの最初の賞金である。エキスパート達のパネルが2年前に最初のコンテストは砒素問題に焦点を合わせる事決定していた。ハッサム氏のほかに、2人の他の受賞者が、200,000ドルと100,000ドルの賞金を与えられるであろう。この賞はワシントンのユニオン・ステイション(Union Station)で2月20日に手渡される。この財団は次のチャレンジコンテストのトピックをまだ発表していない。

Author:事務局 : 2007年02月28日 07:26