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2007年06月08日

■百年を越える土壌調査記録をもつ英国からの土壌汚染調査が発表される

土壌と野菜中の発癌性化学物質であるダイオキシンレベルがこの20年でおよそ70%低下した事を英国全土86,000のデータポイントで行われた調査が明らかにしている。

調査した研究者達は調査結果を昔の土壌研究と比較した。それは「土壌アーカイブス」に保存されている1843年に採られた土壌サンプルの分析結果を含んでいる。ダイオキシンレベルは工業化に応じて1850年代から着実に増加してきた。英国土壌植物調査(The UK Soil and Herbage Survey)のデクラン・バラクロウ(Declan Barraclough)博士は、この最新調査のダイオキシン減少に対しこう述べている:「これは非常に重要な事である。それは我々がダイオキシン排出量を規制することによって、100年以上の間続いた増大傾向を反転させたことを意味している」

土壌と野菜中のダイオキシン(発がん性の化学物質グループ)レベルはこの20年でおよそ70%低下した、と英国全体規模の調査が示している。この低下は産業界に対するいっそう厳しい環境規制を反映しているのかもしれない。産業活動は以前ダイオキシンの主要な発生元であった。この規制は1980年代半ばに実働されたものである。

環境庁(EnvironmentAgency)は汚染物検出のため英国全土の200のサイトから採った土壌と草のサンプルを分析した。環境庁は、土壌汚染の最初の「全国的スナップ写真」を提供していると、述べている。

英国土壌と植物調査(The UK Soil and Herbage Survey)プロジェクトマネージャーのデクラン・バラクロウ(Declan Barraclough)博士、はこう述べている「人間の活動の不用意な副作用の1つは環境に化学物質が増大放出される事である。我々は温室効果ガスの事は多くを聞いている、しかし環境に放出される他のずっと複雑な有機化学物質があります、そしてこれらの多くは土壌に蓄積するのです」

環境庁の科学者である彼はこう付け加えた:「我々は、これらの有毒な執拗な汚染物質の濃縮度をモニターして土壌を守る必要があるのです」

英国全土の86,000データポイントを調べた調査は、いくつかの化学物質について土壌と植物をテストした。その調査は下記の項目を含んでいる:

・ダイオキシン-有機物質燃焼と化学物質と殺虫剤生産の副産物
・ポリ塩化2フェノール(PCB)-人工化学物質グループで、以前は産業界で使用されていたが、1970年代以来多くの国で禁止されているもの
・多環式芳香族炭化水素(PAHs)-ガソリンのような有機化合物の燃焼からの副産物

バラクロウ博士はこう述べている:「これらは化学世界の悪い奴の一部である。それは我々と野生生物にとって有毒である、そしてそれは環境で執拗な存在であり、本当に周りにいて欲しくないものである」

調査した研究者達はその調査結果を前の土壌研究と比較した。それにはハートフォードシャー(Hertfordshire)に在るロサムステッド研究所(Rothamsted Research)で1843年に採られた保存土壌サンプルの分析結果を含んでいる。「土壌保存庫/アーカイブ」は、ダイオキシンレベルが工業化と一致して、1850年代から、着実に増加していたことを示した。

しかしこの調査の最新テスト結果は、汚染レベルが、1980年代半ば以来、急激に、およそ70%低下してきたことを明らかにした。バラクロウ博士はこう述べている:これは「全国大気圏放出インベントリー」(The National AtmosphericEmissions Inventory)の実施時期と対応している。この調査は産業活動によるダイオキシン量を規制するものである。

「これは非常に重要な事である;それは、ダイオキシン排出量を規制することによって、我々が100年以上の間続いた増大傾向を反転させたことを意味する」、と彼は付け加えた。

-未来の傾向-

この調査は、都市部と産業地域が依然としてPCBの起源である事を示している。PCBの生産は、化学物質の毒性のため、1970年代に多くの国で禁止されてきた。PCBのレベルは、その規制が導入されて以来、800倍低減している、と、バラクロウ博士は説明した。しかしそれが一部の地域でより高い濃度で存在しているという事実は、環境へまだ漏洩していることを示している。それはPCBを含む古い建築資材、あるいは変圧器のよう起源から潜在的に由来しているのだろう。

バラクロウ博士は、今度の調査結果が科学者達がこれらの残留している起源に今取り組まなければならいことを示している、と、述べた。今回の調査は同じく「PAHs」が依然土壌にしつこく残留していることを明らかにした。しかし「PAHs」は、道路交通(現在これら化学物質の主要発生地と考えられている所)が最も激しい都市部や工業地帯でより高い濃度にある事を示している。

この調査結果は将来の政府に汚染物質に関連する政策の知識として使われるであろう、そして、将来の傾向を査定する「ベースライン」を供給するだろう。

Author:事務局 : 2007年06月08日 17:58