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2007年07月12日

■季節農業労働者が農薬被害で多国籍企業を米国で告訴する

ニカラグア、コスタリカ、グアテマラ、ホンジュラス、パナマから来た少なくとも5,000人の農業労働者が、1970年代に「DBCP」として知られている殺虫剤にさらされた後で、彼等に子供ができなくなったと主張して、米国で5つの訴訟を起こしている。
この訴訟は多国籍企業が拠点を置く国、あるいは労働者を雇用する国で、多国籍企業が責任を問われるべきかどうかの問題を提起していると、法律専門家達は述べている。

米国環境保護省のウェブサイトはこう述べている:この殺虫剤は1979年までに段階的に不使用になるまで、合衆国で40以上の異なった作物に燻蒸剤(fumigant)として使用された。この殺虫剤への長期暴露は、精子量の減衰を含めて、男性の生殖機能に問題を起こし、DBCPは「ありそうな人間の発癌性物質」である。

殺虫剤がラテンアメリカのプランテーションでバナナの木の根を荒らす害虫を殺すために使われていた。

ところが、ニカラグア、コスタリカ、グアテマラ、ホンジュラス、パナマから来た少なくとも5,000人の農業労働者が、1970年代にDBCPとして知られている殺虫剤にさらされた後で、彼らが「ステライル・不毛」になったと主張して米国で5つの訴訟を起こした。

この訴訟の最初の陪審員選択がロサンゼルス・カウンティー上級裁判所(Los Angeles County Superior Court)で10日に始まるように予定されている。

1964から1990までプランテーションで働いた30人以上のニカラグアの原告代理を務める弁護士の1人、ドゥエイン・ミラー (DuaneMiller)はこう述べている:「これはバナナ労働者が合衆国の法廷で行なった提訴の初の事例である」

この訴訟は、多国籍企業が拠点を置く国、あるいは労働者を雇用している国で、多国籍企業が責任を問われるべきかどうかの問題を、提起している、と、法律専門家達が述べている。労働者に有利な評決がでれば、合衆国における類似の告訴を起こすドアを開けることになるだろう。米国では陪審員達が大きな裁決を出すことで知られている。

この来たる訴訟は2004年に提出されたもので、「ドール新鮮果物会社」(Dole Fresh Fruit Co.) と「標準果物会社」(Standard Fruit Co.)、現在ドール社の一部、を、殺虫剤使用中の怠慢と欺瞞隠蔽の咎で、告訴している。

提訴理由によれば、この殺虫剤の生産者であるダウ・ケミカル社(Dow Chemical Co.)とアムヴァック・ケミカル・コーポレーション(Amvac Chemical Corp.) は「DBCPの生殖機能への毒性についてのインフォメーションを活発に隠蔽していた」

ウェストレーク(Westlake)に拠点があるドール社を代理する弁護士エリン・バーク(Erin Burke)と、ニューポートビーチ(Newport Beach)に拠点があるアムヴァック の報道官、ケリー・コズマ(Kelly Kozuma)は、コメントすることを断わった。

米国環境保護省のウェブサイトはこう述べている:この殺虫剤は、1979年までに主として段階的に排除されるまで、合衆国で40以上の異なった作物に燻蒸剤(fumigant)として使用された。この殺虫剤への長期暴露は、減少する精子量を含めて、男性の生殖機能に障害を起こすと、このウェブサイトが述べて、DBCPを「ありそうな人間の発癌性物質」に挙げている。

4月に、すべての5つの訴訟は上級裁判所裁判官ビクトリア・チェニー (Superior Court JudgeVictoria Chaney) の裁定権下に置かれた。この訴訟はニカラグア、ホンジュラス、パナマ、グアテマラ、コスタリカから来た労働者の為の申し立てを容れている。他の裁培業者と生産者が被告として名前が上っている。

ミラー弁護士によって提出された訴訟は、ダウ社とアムヴァック社が1950年代にDBCPの毒性について知っていた、そしてダウ社によって雇われた科学者達がこの殺虫剤にさらされた実験動物に現れた萎縮した睾丸に注目していた、と主張している。

「しかし、被告の会社は、ニカラグアを含めて、合衆国外で、DBCPを含有している殺虫剤製品市場に出して、売って、そして使い続けた」、とこの訴訟は述べている。提訴は、この殺虫剤が木の天蓋の下で散布されて、そして作業者の上に小滴になって降ってきて、そして水道供給に滲み込んでいった、と主張している。

プランテーション労働者は、ニカラグアのバナナプランテーションで会社によって提供された家屋に住んでいたとき、汚染された水を摂取して、そしてその水で入浴するようになっていた、と訴訟が述べている。ドール社は労働者に殺虫剤暴露の危険で警告もしなかったし、手袋、安全めがねやマスクを支給することによって、労働者を守ろうともしなかった、と、訴訟は主張している。

他の差し迫っている訴訟のいくつかで労働者代理を務めている弁護士、ジョー・フィッシャー(JoeFisher)は、この訴訟が社会の広範囲にわたる注目を得るだろうと信じている。「皆は陪審がどのようにそれを扱うか注目していると私は思います。もしこの訴訟で見込みがあると私が思っている良い結果が出れば、それはすべてのバナナ労働者に恩恵をあたえるだろう」と彼は述べている。

Author:事務局 : 2007年07月12日 16:49