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2007年08月20日

■食品安全の未来に関するカナダの対応

鳥インフルエンザ、野菜細菌汚染、FMD/足口病/口蹄疫再発生、等で食品安全の確保は世界中で大きな緊急課題になっている。
英国でのFMD再勃発で、カナダは食品安全防衛の緊急措置を取っている。

オタワ発-カナダ連邦政府は今年これまでほとんど90件の食品リコールと警告を出している-そしてその内4件が潜在的に危険なバクテリア汚染された肉が関連している。

多くの人達は、食中毒の怖い話を聞く時、汚染された食肉を思い浮かべる。だが実際は、連邦政府の保健担当官吏達は、汚染された果物と野菜によって起こされるリスクのことがいっそう心配になってくると述べている。

その理由は、農作物の安全は比較的新しいコンセプトであるのだが、カナダの店頭で売られる肉製品はすべて厳しいチェックと高いレベルの検査を受けている。

それは、2003年の汚染された肉と狂牛病危機に関する過去の食糧恐怖の結果から必然的に出てきた体制である。汚染肉と狂牛病の恐怖はアルバータ(Alberta)州の牛肉産業に壊滅的打撃を与えた。

カナダ国民は、今週英国での新しいFMD/足口病/口蹄疫の発生ニュースを聞いて、食肉供給問題の最もわずかなヒントからでも起こるあの破滅状態をありありと思い出した。

ほとんど即座にカナダ政府は英国の肉製品輸入に対して国境を閉じて、そして潜在的に汚染された英国からの食品がカナダにすでに入ってきているかどうかを決定する極めて困難な仕事を始めた。

カナダ食糧検査機関(Canadian Food Inspection Agency)の獣医で輸出入全国マネージャー、デビー・バー博士(Dr. Debbie Barr)はこう述べている:「我々がこれまで確認できる事に基づいて言えば、我々は危険であると思われる事柄を何も識別していない」

口蹄疫の新しい発生は英国の食肉産業へ大変な破滅を招く事になるかもしれない。しかしクリス・クラーク博士(DrChrisClark)、サスカチワン獣医西大学の食用動物医学教授、は、こう述べている:今週の事態の展開は、経済破綻というより、食肉安全システムが、2001年の最後の主要な汚染勃発以来、どれぐらい進歩してきたかを、意義深く示している。

「食肉安全システムはその時とても大がかりな検査下に置かれた。人々は、動物健康と公衆衛生に関する問題にいっそう深い意識を今は持っていると思う。したがってそのシステムはさらに多くの検査下に置かれている」と彼は述べた。カナダと英国のような、食肉に関する危機に直面した諸国は、消費者の信頼を勝ち取り、また産物輸出の許可を得るために、その安全システムの点検やり直しを強いられてきている。

現在では、カナダに輸入される肉、そして国内で生産される肉は今までよりはずっと安全であるかもしれない。この安全変革は、食料品店で売りに出される肉は食べて安全であるというより大きな説明責任と確証を作りだしてきた、しかしそれは、まだ狂牛病危機によって残された混乱から回復するのに苦闘しているカナダの牛肉産業に大きな損害を強いてきた。結果として、カナダの農場牧場主は安全対策にさらに多くの金を使っている、そしてある場合には、そのコストは消費者に回されている。

消費者の信頼を取り戻すために、カナダの食肉プロデューサーと輸入業者は食品が病気無しで、そして安全に加工されていることを保証するためによりいっそうの努力をしなくてはならない。多くの業者にとっては、それはかれらの仕事の仕方に対して根本的な変更をする事を意味する。さらにそれは、すでにかなりのプレッシャーの下にある産業に余分の費用と緊張を強いている。

「そうです。関連するコストやあらゆる事があるのです。でも思い出してください。それはまたほとんど投資でもあるのです。もしあなたがそれらすべての事を用意しなければ、あなたはその国際マーケットへのアクセスを持てないでしょう」とクラーク氏は言った。ライアン・コピソーン、カルガリーの外にあるCL牧場のマネージャー、にとってはこれらの変更は消費者に食肉産業とその営業慣行が安全である事を証明するために必要なステップなのである。

ライアン・コピソーンはこう述べている:「食肉産業は、我々が人々に食べさせるものについてもっと大きな説明責任を果たす方向に向かっていると私は思っています。我々は以前よりずっとよくなってきていると思います。食品安全システムの変更がカナダ農民による投資を必要とさせている一方で、狂牛病への恐れがあるので、多くの牛肉生産者は、消費者に食品が安全であることを確信させるためだけででも、連邦政府の要求条件を越えてさらに先へ行くしかないと感じているのです」

Author:事務局 : 2007年08月20日 16:09