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2007年10月02日

■奇形カエルの発生原因を解明した論文が出る

余分の、あるいは奇形の脚があるカエルは1995年から北アメリカで注目の的であった。その当時ミネソタ州の湿地帯を調査していた学童が、多数の脚なしか、あるいは余分な脚がついたカエルを発見した。
1999年に、カリフォルニア、スタンフォード大学のピーター・ジョンソン(Pieter Johnson)は扁形寄生虫(学名Ribeiroiaondatrae)が主な犯人であることを示した。

何が奇形を引き起こすかに関してはたくさんの理論が出てきた。一部は汚染が悪いのだと言った、しかし1999年に、カリフォルニア、スタンフォード大学のピーター・ジョンソン(Pieter Johnson)は、扁形寄生虫(学名Ribeiroiaondatrae)が主な犯人であることを示していた。

けれども、「Ribeiroia ondatrae」は「低量」では、多くの障害は引き起こさない」と、ジョンソン、現コロラド大学の研究者、は述べている。彼は今肥料の汚染が湖と池の寄生生物の増大を引きおこしているのではないかと思っている。

-汚染は寄生生物のリンクによる-

有機でない農場からの流出水は、多量のリンと窒素のような肥料に含まれている栄養素を含んでいる、そしてそれが、結局は近くの池、湖、川の水を濃くさせる富栄養化として知られている現象をおこしている。ジョンソンによれば、川から大洋へ流出するリンの量は、農業の工業化以来、3倍に増大している。

これらの濃縮された流出水は、水にある藻の成長を増大させる、そしてそれは次に地域の食物連鎖に滝のような影響を与える。

ジョンソンと彼の同僚は、透明な、汚染されていない湖水で満たされた孤立した「タライ」に36のミニ実験池を作った。彼等はそれらのタライの半分に湖水の1リットルについてリン200ミリグラムを加えた。ウィスコンシン大学の共同研究者ステファン・カーペンター(Stephen Carpenter)よれば、汚染された実際の湖は、その濃度の最高5倍までになる事がある。

そのタライは、カエル、小さい「水生カタツムリ」に加え、水藻も入れてある。水生カタツムリは、藻を食べるが、扁形寄生生物のライフサイクルの鍵である-カエルを感染する前にこの扁形寄生虫が増殖するのは水生カタツムリの中である。

この研究者達は、藻の成長を強く引き上げることによって、その栄養素が結局は水カタツムリの数と大きさを増やすことに気付いた。次にこれが寄生虫の数を押し上げた。「その寄生虫の卵がふ化するとき、寄生虫は12時間以内に水生カタツムリを見いださなければならない、でないとそれらは死んでいく」とジョンソン氏が説明する。

-感染しているオタマジャクシ-

余分の栄養素を含んでいるタライの中では、水カタツムリのバイオマスが50%増加した、そして感染している水カタツムリは2倍の寄生虫を引き起こした。カエルの感染率は2から5倍の増大した。

「もしもっと多くの水生カタツムリがでれば、寄生虫がカタツムリを見いだす可能性がいっそう増える。

そしてもし水生カタツムリにもっと多くの餌があれば、それらはもっと長く生き残る。いったん感染してしまえば、それらは、その唯一の機能が寄生中を放出する事なので、「ゾンビ」になってしまう」とジョンソン氏が「New Scientist」誌に述べた。

この寄生虫は次にオタマジャクシ段階のカエルを攻撃し、カエルの手足にやがてなっていく細胞を感染していく。カエルが成長するにつれ、嚢胞が感染部分に発生していき、欠けている手足、余分の手足、また他の奇形を起こしていく。

奇形したカエルの発見は、カエル「人口」の生き残りに関して不安を引き起こしてきた。標準の手足なしでは、カエルは捕食鳥類の格好の標的になる。その上多くのカエルは、オタマジャクシからおとなのカエルまで変身するずっと前に、多くが死んでいく。


参照ジャーナル:全米科学学会(National Academy of Sciences)プロシーディングス (DOI:
10.1073/pnas.0707763104)

Author:事務局 : 2007年10月02日 09:38