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2007年10月25日

■国連が人口増大と食糧危機への未来作物にジャガイモを掲げる

ニューヨーク発-国際連合は18日に公式に「International Year of the Potato 2008/ジャガイモ国際年2008」を発進させる。このイニシアティヴは一部の外交官達によっては密かにからかわれているが、世界の政府に農業研究のため大いに必要な資金を生み出させるものである。

発展途上国で食物としてのポテトの重要性へ認識を深めるこの動きは、国連のローマに拠点がある「食物農業機構」(Food and Agricultural Organisation (FAO))によって提案されて、2005年に国連総会で採用されたものである。

2008年全体に及んで、国際ポテト年(The International Year of the Potato (IYP))は食物保全と貧困軽減を促進することに於いて「質素なジャガイモの役割」を強く訴えるものである。

身元を明かさないように頼んだある国連の役員はこう述べている:「我々外交官にとってはこれらの「なんとか...国際年」というのは、国際紛争や外交に関する決議案に比較すれば、マイナーな重要性しかありません。しかし我々は専門家達の機関から提案されるものを断ることはできないんです」

一国からだされる「国際...年」の要求可能性を制限する厳しい規則が最近導入されました」と彼が付け加えた。「例えば、国際米の年(2004)があり、国際山の年(2002)があり、今度はイタリア人達が、国際天文学の年を促進しようとしています。我々は次から次ぎとジャンプしています」と彼が述べている。

しかし世界人口が次の20年で約1億人年毎に増大すると予想されている、その増加の95%は発展途上の世界で考えられるので、未来の危機は高くなる。ビタミンCとカリウムに富んでいるポテトは致命的な栄養失調を削減するのに役立つことができる。

ポテトの消費量がヨーロッパでは減少しているが、発展途上国ではポテトの消費量は、この40年間で2倍になっている。だがまだその消費総量はヨーロッパの4分の1以下である。20年以下で、中国はポテトの最大生産国になり、伝統的にポテトの最大生産と最大消費をしてきたロシア、ヨーロッパ、合衆国を抜いてきた。

実際に、毎年生産される3億1500万トンの内、1億6200万、即ち半分以上、が発展途上国で今は栽培されている。中国とインドだけで世界ジャガイモの3分の1を生産している。

農業エンジニアとして訓練されたスイス外交官、トーマス・ガス(Thomas Gass)は「研究が突然変異をして行くジャガイモ病と闘うのに必須である」と言った。 アイルランドの大飢饉(Great Irish Famine) はメキシコからきたジャガイモに感染していた菌類によって起こされた。その大飢饉は19世紀中頃アイルランド国民を多数死亡させ、何十万人に移住を強いた。当時ポテトは飢えが厳しいアイルランドの主食であった。

「民間部門はこのタイプの低利益の研究には興味を持っていない。国連の高度対応を見せる支援が、公的な諸組織の間に自覚を引き起こすのに不可欠である」と、彼は述べている。

今週、「国際ポテト年」のニューヨークでの発進に続いて、「solanumtuberosum」(ジャガイモの学名)はこれから多くの国際会議でメニューに載るだろう。今月末、エジプト、アレクサンドリアでの「第7回アフリカポテト協会会議」(African Potato AssociationConference) から2008年12月のニューデリーでの「グローバルポテト会議」(Global PotatoConference)まである。また忘れてほしくない、来年5月スイス、ベルンでの「Europatat国際会議」(Europatat Conference)のメニューにもポテトが上るであろう。

Author:事務局 : 2007年10月25日 11:35