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2007年10月25日

■オーストラリアでバナナ産業がパナマ菌汚染で壊滅危機にある

オーストラリアのバナナ産業は19カ月前に危機に陥った:最北部のクィーンズランド、サイクロン・ラリー(Cyclone Larry)で壊滅的被害が起きていたからだ。だがノーザン・テリトリ州の農民はバナナ価格が大値上がりをし、需要が供給よりまさったので大喜びであった。現在は一転してノーザン・テリトリ州のバナナ産業は、かっては明るい展望があったのだが、異国からのパナマ病が原因で崩壊に直面している。

ボルサト会社(BorsatoCompany)はトップエンド(Top End)地域で最大のバナナプランテーションを経営している。同社はノーザン・テリトリ州市場の3分の2を供給している、そして収穫されたしっかり熟した果物が箱につめられているのをみれば、その事業が膝を屈しているとは思わないだろう。しかし実状はバナナの樹をよくみればわかる。マネージャーのマーク・スミス(Mark Smith)には、壊滅的なパナマ病のあらゆる痕跡は一目瞭然である-発育不全、しなだれて黄ろくなった葉、変色した茎、すべて明明白な兆候である。「基本的には、それはバナナプラントをただ侵略してしまうのです。そしてプラントが木の周りの栄養を運ぶ管を防いでしまい、そして根本的にバナナプラント自身が自滅してしまうのです」と彼が言った。

最初10年前にオーストラリアで検出されたこの土壌菌はすでに他のプランテーションを破滅させ、そして今はこの農場を破滅させている。それは彼にとってはノーザン・テリトリ州に在る全オペレーションをシャットダウンする以外には選択が残っていない。「実際もう終わるところなんです。我々は拡張する見込みで、ここでバナナ300エーカー(121.4ヘクタール)を持っていました-我々は今40エーカー(16.2ヘクタール)にまで落ちてしまいました、それがすべてを示しています」と彼は言った。「我々はそれ以上植え付けをしていません。それで我々はおそらくこの40エーカーでこれから12カ月かかるでしょう。そして次には、バナナに関するかぎり、店じまいです」

ノーザン・テリトリ州のバナナ産業を救う唯一の希望はバナナのパナマ菌に耐性がある品種を見いだすか、あるいは開発させることである。スミス氏は、州政府がそれを達成して、農場間でその疫病が拡大しないようにする良い研究をしなかった事を非難している。「ほんとに奇妙なのは、すべての裁培者が、ここの州の領域でこの病気を見つけて12カ月以内で、病気にかかってしまったのです、それにここでバナナを長い間栽培してきた人達がこれまでいて、そしてパナマ病の問題なんか無かったのです」と彼が言った。

しかし「ノーザン・テリトリー州主要産業大臣」クリス・ナッタ(Chris Natt)がバナナ産業が廃業しようとしていることを否定している。「我々はこの病気に免疫がある品種のバナナがあるかどうか見つけだすため今多くの研究に着手しています。我々はおそらく3あるいは4品種があると理解しています、そして我々がノーザン・テリトリー州でバナナ産業を増やすことができるか調べています。 我々は、それを克服して、そして将来市場で使用できるいくつかの他の品種を見いだすことができると思いたいものです」と、彼は述べた。

Author:事務局 : 2007年10月25日 16:58