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2007年11月16日

■多国籍企業のバナナ農園労働者が農薬被害で訴訟を起こす

問題の殺虫剤はラテンアメリカのプランテーションにあるバナナの木の根を荒らす害虫を殺すために作り出されたものである。

しかしニカラグア(Nicaragua)、コスタリカ(Costa Rica)、グアテマラ(Guatemala)、ホンジュラス(Honduras)、パナマ (Panama)から来た少なくとも5,000人の農業労働者が、1970年代には「DBCP」として知られている殺虫剤にさらされた後で、不妊になったとして合衆国(UnitedStates)で5つの訴訟を起こした。

これらの訴訟の第一訴訟のための陪審選択はロサンゼルス・カウンティー上級裁判所で始まるように予定されている。

「これはバナナ労働者の訴訟が合衆国法廷の前に出る最初のものになる」とドゥエイン・ミラー(DuaneMiller)が述べた。彼は1964から1990までプランテーションで労働した30人以上のニカラグア人原告の代理を務めた事がある弁護士の1人である。

今回の訴訟は、多国籍企業が、根拠地にしている国あるいはそこの労働者を雇用する国で、責任を問われるかどうかの問題が裁定されるものであると、法律専門家が述べている。

もし労働者に有利な裁決がでれば、合衆国における類似のクレームを提出するためのドアを開けることになるだろう。米国では陪審員達がより大きな判決を下すことで知られている。

コロンビア大学(ColumbiaUniversity)の法学教授、アレハンドロ・ギャロウ(Alejandro Garro)はこう述べている:「発展途上国の司法行政は合衆国の司法行政と比較すれば大きいギャップがある」

「その重要性は、大企業が全世界でビジネスをしている世界規模での経済体制を俎上にあげている事である、そしてそこでは我々が同一タイプの司法体性を持っていないのである」と彼はのべている。

今回取り上げられる訴訟は2004年に提訴されたもので、「Dole Fresh Fruit Co」社と、目下Dole社の一部になっている「Standard Fruit Co.」を告訴したものである。両社が殺虫剤を使用している間に、怠慢と詐欺的隠匿があった事を告発している。

訴訟によれば、「ダウ・ケミカル」社(DowChemicalCo.)とアムヴァック・ケミカル・コーポレーション(AmvacChemicalCorp.)は、この殺虫剤の製造業者であるが、「DBCPの生殖機能への毒性についてのインフォメーションを積極的に隠蔽した」

ウェストレーク(Westlake)に本拠を置く「Dole」社を代理する弁護士エリン・バーク(ErinBurke)氏とニューポートビーチ(NewportBeach)に本拠を置く「Amvac」社の報道官、ケリー・コズマ(KellyKozuma)氏、は、コメントすることを断わった。

ミシガン州ミッドランドに本拠を置くダウ(Dow)社の報道官スコット・ウィーラー(ScotWheeler)は電子メールでこう述べている:この訴訟には利点がない、そして「この化学物質に定期的に暴露されたバナナ農民に不妊効果を起因させた事を確立していて、我々が気付ける、科学界で一般に受け入れられている研究はない」

Author:事務局 : 2007年11月16日 13:08