« ■多国籍企業のバナナ農園労働者が農薬被害で訴訟を起こす | メイン | ■2008年に向けジャガイモ生産への転向を掲げている »

2007年11月19日

■農薬人体実験の倫理規制が米国環境保護局で未決のままになっている

ワシントンDC-11月15日-米国環境保護局(The U.S. Environmental Protection Agency)は人間に及ぶ殺虫剤と他の化学物質を検査するにはどんな倫理的「セイフガード(ズ)」が必要なのかを決定するのに苦心している。

米国環境保護局は以下の対象に対し容認できる具体的ルールを設定する事を特に避けている:即ち、人間、特に子供、囚人の利用、精神的に病気の人達、さらに被害を受けやすい人達、実験に参加させる為の経済的な誘因、その他一連の論争の的になっているもの。この情報は、「公務員の環境責任問題」によって今日ファイルされている大衆のコメントに依拠するものである。

米国環境保護局/EPAは2007年2月6日に公式に人間を対象とした実験を合法化した、しかしそれ以前に、ブッシュ政権は、事例別基準で、人間対象の実験研究を行ない、そして奨励した。最も悪名高い事例は「子供の環境露出調査研究」(the Children's Environmental Exposure Research Study(略名CHEERS))が関連したものである。それはフロリダの親が年齢3歳以下の子供部屋で殺虫剤をスプレーすれば金を払うというものであった。EPAは殺虫剤製造業者を含めて135の会社を代表する「アメリカ化学評議会」(The American Chemistry Council)からの資金でこの研究を企画した。

略称「CHEERS」(がんばれの意味になる)に対する批判の声が上がり、2005年4月にEPAは不承不承にこの実験をキャンセルすることを強いられた。この中止は、環境保護局長官ステファン・ジョンソン(EPA Administrator Stephen Johnson)の議会確認聴聞会が行なわれていた最中の事である。同氏は、露出レベルと関連話題に関する公式決定の基盤として人体実験を使うことに対する最大の提唱者であった。

参加者に危険だけで何も恩恵をもたらさない実験のため人間を「ギニーピッグ」にして使うことの倫理問題への大衆の危惧が強い。これを静めるEPAの最新の試みに関する大衆討議期間は2007年11月19日月曜日に終わる。この最新の草案は、「観察露出研究に対する科学的倫理的アプローチ/Scientific and Ethical Approaches for Observational Exposure Studies」という表題がついているが、「CHEERS」のためEPA主任調査官によって書かれている、しかしそれは、かつての悪名高い研究には一度も言及がなされていない。実際、この草稿案は一連の倫理的困惑に対する正式のガイダンスを提供していない。倫理上の困惑には、子供達、あるいは立場が弱い住民の実験使用、科学者と検査者の利害の対立、そして他の棘がある諸問題が含められる。

「EPAが言いたくないことは、EPAの規則は実際CHEERSを支持するという事である。したがって殺虫剤の水たまりを這って横切って行く赤子の類似した実験は合法的であると思われている」とPEERSの理事長ジェフ・ラッチは述べている。CHEERSの目的は尿検査を通して幼児の身体システム内の殺虫剤吸収を計測することであると、彼は指摘してこう言っている:「EPAは、虐待に厳しいガイドラインを課すのではなく、道義的にフレキシビリティがある姿勢に近づこうとしている。その場合人間への害は見落とされることになる」

大衆のコメントの次には、このEPA草案は、「観察露出研究」を援助する「リソース」としてスタッフ科学者に配布されるであろう。その間EPAは、機関資金を受けた仕事に適用される規制よりずっと緩い倫理規制を持つ業界からの提出案を受け入れている。業界によって行なわれる人体実験は倫理的な制限がとても少ない。そしてその少ない規制がかろうじて実施されているのは、規制の決定をすることで人間の実験テスト結果を考慮することをEPAが拒絶しているからである。

前述のラッチ氏はこう述べている:「EPAは、20世紀前半に目撃された人権無視の人体実験の類を繰り返すドアを開けてしまった。これは経済的な理由で行なわれる人間実験を統べる明確な倫理規則を設定するよう求めている議会や科学組織の要求を避けているブッシュ政権の最近の対応例である」

Author:事務局 : 2007年11月19日 13:11