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2007年12月07日

■アメリカの農業を支える底辺移民労働者の実体

南フロリダでトマトを収穫する移民農場労働者は米国で最も骨が折れる仕事の1つをしている。
1日10時間から12時間、手で摘み、14.5キログラムのバケツ一杯でおよそ45セントの出来払いを得ている。
典型的な日でそれぞれの移民摘み手は2トンのトマトを摘み、運び、そして降ろす。彼等の労働に、米国のこの休日シーズンは、彼らの多くが40パーセントの減給を押し付けられそうである。

フロリダのトマト裁培者は長い間経費削減のプレッシャーに直面してきた。それをする1つの方法が移民労働者の賃金を可能な限り低く保つことである。そのプレッシャーの大部分がフロリダトマトの最も大きな買い手によってかけられてきた:アメリカのファーストフードチェーンは、ハンバーガー、タコスとサラダのために何百万ポンドもの安いトマトを皿の添えに使用している

2005年に、フロリダのトマトピッカーは1970年代後期以来最初の意義ある昇給を得た。その時の事情は、タコ・ベル(TacoBell)社が消費者から受けていたボイコットを、そのトマト1キログラムに対し1セントの追加払い、農夫には直接1セント払うことに同意することで、消費者のボイコットを終わらせた。

4月に、マクドナルド社は、類似するトマトピッカーの賃上げ取り決め、摘取り1バケツ毎に約77セントを払う事に同意した。しかし本部がフロリダにあるバーガーキング(BurgerKing)社は断固としてこの追加のセントを支払うことを拒否していた-そしてこのバーガーキングの拒絶がトマト裁培者にすでにタコ・ベルとマクドナルドと結んでいた契約をキャンセルする事を押す事になった。

フロリダトマト裁培者交流会(The Florida Tomato Growers Exchange)は州の裁培者の90パーセントを代表しているが、今月そのメンバー業者のいずれにも農夫に追加の1セントを出すことを許さないと告知した。レジー・ブラウン(ReggieBrown)、栽培者交流会の筆頭副社長、は、貧しい移民に追加料金を払う事を「大いにアメリカ的ではない」と述べている。

移民農場労働者はこれまで長い間アメリカの最貧困作業者の中にいた。フロリダの移動労働者の80パーセントはおそらく不法入国者で、それで特に劣悪な待遇被害を受けやすい存在である。

これまで10年間に、米国司法省はフロリダで農夫を奴隷扱いした提訴の内6件を告発している。移民労働者は借金に追い込まれ、ただで働くことを強いられ、そして夜は鎖でつながれたトレーラーに入れられていた。

イモカリー労働者連合(The Coalition of Immokalee Workers)、はフロリダのイモカリー地域に本拠がある農夫連合である。この組織は、同州の移民労働者の生活改善で英雄的な活動をしている。奴隷労働制度の事例を調査して、ファーストフードのチェーン店と「キロ毎セント追加賃金」を交渉している。

現在はフロリダトマト裁培者交流会は、移民労働者へ1キロ当たり1セント増加を受け入れる裁培者に100,000ドルの罰金を課すと威嚇している。この組織は、このような追加賃金が「独占禁止法、労働と組織的悪行に関する連邦と州法」に違反していると主張している。

フロリダトマト裁培者交流会は追加のセントがどのようにそれらの法律を破っているかを説明していない。また定期的に裁培者によって課される他の追加料金だけ―高い燃料費のようなもの-がなぜ完全に合法的であるのかも説明していない。

バーガーキングが賃上げを無効にすることで果した露骨な役割はチャールズ・ディケンズ(CharlesDickens)の小説に出てくようなクリスマス季節の貪欲さの「見せもの」を提供している。バーガーキングは、その食物供給元の労働慣行についてはコントロールを持っていないと主張することによって、その行動を正当化している。

Author:事務局 : 2007年12月07日 13:55