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2008年02月07日

■湖沼と河川を護る畜産オペレーションを管理する

フロリダの1千百万エーカー以上ある牧草地で食用牛が草を食む事による長期的な結果についての心配が深まって、農業研究サービス(AgriculturalResearch Service (ARS))の科学者達が1988年から2002年までの間バヒア草(bahiagrass)をベースにした食用牛牧草地が土壌肥沃度に与える変化を調査する事になった。
その研究からのデータ解析が、牧牛が出す大量の排泄物にもかかわらず、環境上安全な方法で、管理されうることを示している。

牧草飼料ベースの畜産システム(Forage-based livestock systems)がフロリダや他の畜産州での水質を汚染悪化させる主要な原因として、取り上げられてきた。草飼料生産を高める為使用されるマニュア肥料と(合成)肥料から出る「リン」が川と湖を汚染することができる。しかし非常に限定されたデータしかないので、牧草と干草生産の為管理されている牧草地から流出する栄養分が隣接する水域に消えていくという損失を数量的に知る事ができていなかった。

この長期モニタリング研究のため、これらの牧草地は春季牧草地と晩夏の干草作りのために管理されていた。土壌科学者のギルバート・C・シグア(GilbertC.Sigua)とフロリダ州ブルークスヴィルに在る「ARS食用牛研究ユニット」(ARSBeefCattleResearchUnit)の同僚達は土壌中の栄養分の変化をモニターした。彼等は、自分達が作ったデータを使って、継続する草飼料畜産下で起きそうな土壌の化学的そして物理的な変化を予測することが可能で、そしてそれらを管理する措置を工夫することができるようにした。

3つの大きい牧草地ユニットでテストが行なわれ、総合面積は約3,800エーカーになる。その内のおよそ3,200エーカーは永久牧草地になっている。この研究で使われた家畜群は、約1,000頭の雌牛、雄牛と子牛からなり、栄養学的、生殖学的、遺伝学的研究のためにブルークスヴィルで飼育されている。

全体的には、毎年の肥料使用と家畜排泄物を毎日野外投入しているにもかかわらず、土壌のリンあるいは他の作物栄養分の累積はなかった。周期的な土壌分析は、栄養レベルの低下、特にリンの下落、を示していた。

次には、土壌科学者のシグア氏と他の協力研究者達は、環境資源と、植物と動物の遺伝資源を、統合させて、亜熱帯性の米国に適した持続可能な「食用牛・農業エコシステム」(beef cattle-agroecosystem)を作りあげていくだろう。そのゴールは、牧草地の持続可能性を改善し、そして水質を守る為に、牧草飼料ベースの雌牛・子牛・オペレーションを最適なものに変えて行く事である。

Author:事務局 : 2008年02月07日 18:26