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2008年02月29日

■商店には食品があるのに世界各地で栄養失調人口が拡大している

国際連合は、世界物価の劇的な急上昇に直面して、世界的な栄養失調状況を今年抑制する資金がないと警告している。そしてこれは「世界飢餓の新しい顔」を生み出している。

国連世界食物プログラム(World Food Programme)のヘッド、ジョセット・シーラン(JosetteSheeran)はこう述べている:「我々はこれから数カ月で問題を抱える事になるだろう。もし物価がこんなに高いままでいるなら、我々は大変なギャップを持つ事になるだろう。そして我々は既存の査定された必要を満たすためだけで余分の5億ドルを必要とするであろう」

国連世界食物プログラムは、世界の裕福な諸国からの自発的な寄付で、78か国の7千3百万人の人々を食べさせている。この数は世界全体にいる栄養不足の人達の10分の1以下である。この機関の2008年の承認された予算は29億ドルであった。しかし最高40%にもなる世界年間食物物価上昇と燃料費の劇的高騰のなかでは、この予算は現在の食物配給を維持するのにもはや充分ではない。

この資金欠乏は、各地の住民、特に都市部の多くの住民、がその食料供給を確保できると思っていたのが、今や基本的な食料を買う余裕がないことが分かってきたので、なおさら不安を生むものである。アフガニスタン は最近、栄養失調状態にある人口数に、さらに250万人の人々を加えている。

シーラン氏はこう述べている:「これは飢えのニューフェースである。棚の上には食物がある、しかし人々がマーケットから高額のせいで除外されている。我々が前には見たことがない都市部で脆い所がある。我々が前に見た事がなかった国に食物暴動が起きている」

国連世界食物プログラムの役人達はこう述べている:基本的食物の世界価格の異常な増大は、諸要因の「完ぺきな嵐」によって起こされている。インドと中国のますます繁盛している住民層からの動物飼料に対する需要上昇、生物燃料の為のさらに多くの土地と農産物利用、そして気候変化が嵐の要因である。

この衝撃は世界中で感じられている。食物暴動がモロッコ、イエメン、メキシコ、ギニア、モーリタニア、セネガル、ウズベキスタンで発生している。パキスタンはこの20年で初めて配給制度を再導入している。ロシアは6カ月間、ミルク、パン、卵、調理用油、の価格を凍結している。タイは主食品目に価格凍結を計画している。インドネシア全土での抗議行動の後に、ジャカルタは公的な食品助成金引き上げた。インドは高品質「basmati」種以外は、米の輸出を禁止している。

世界的な慈善団体、オックスファム(Oxfam)の人道主義政策アドバイザー、フレデリク・ムソー(FredericMousseau)はこう述べている:「我々の主な不安は、最も貧しい国々、ネット(ぎりぎりの)食物の買い手達にある。各地の最貧困住民にとっては、収入の50%から80%が食物を購入する事で使われる。我々の心配は、これらの国々、土地を持たない層、農園労働者、末端で暮らしているすべての人達、に栄養失調が即ぐ増加する事です。

この状況への非難の多くが生物燃料生産への土地と穀物の転用に向けられている。しかしそのインパクトは中国とインドの新中産階級による肉や他の食物への需要急増によって影が薄くなっている。

国連世界食物プログラム(WFP)はローマで緊急ミーティングを開催する。その会議では幹部マネージャーがこの問題のスケールについて基本事情説明するため委員会メンバーに会う事になる。影響を受ける国の状況の深刻さについて「ケース・バイ・ケース」の査定が行なわれるだろう。その後で国連世界食物プログラム(WFP)は6月の専門理事会で予算増加を求める事になるだろう。

しかし献金援助国もまた高価格の燃料と輸送費用に直面している。最大の米国食糧援助プログラムでは、非食品コストが、全体プログラム出費の65%を占めている。

Author:事務局 : 2008年02月29日 15:07